看護師次の異動は呼吸器内科病棟になりそう。



初めての診療科は怖いですよね。呼吸器内科は、観察や特有の処置があり経験が必要です。
看護師の人事異動は多く、不安やストレスを感じる方も少なくありません。
診療科が違うと、患者さんに提供するケアや処置内容も異なります。
呼吸器内科の領域は広く、急性期から慢性期に至るまで対応している病院が多いです。
酸素療法や吸引などの病院処置に加え、在宅を目指した患者さんへの指導も行います。
この記事では、呼吸器内科に入院している患者さんの、観察ポイント・疾患・特徴を詳しくお伝えします。
呼吸器内科病棟で働く看護師の、向き不向きについてお伝えするのでご自身が合っているのか参考にしてください。
呼吸器内科の特徴を知れると、看護師のキャリアが幅広くなるため、働く選択の一つとして検討しましょう。
呼吸器内科病棟の特徴


呼吸器内科には急性期疾患と慢性期疾患の患者さんが混在していることが多いです。
急性期と慢性期疾患では、観察ポイントやケアが異なります。
ここでは、呼吸器内科の特徴について解説します。
呼吸器内科病棟に多い患者さんの状態



呼吸器内科はどんな処置が多いですか?



自己排痰の補助や処置対応、数値にとらわれない観察が求められます。
呼吸器内科病棟には、低酸素の状態や呼吸困難感、自己排痰が難しい患者さんが多い傾向があります。
患者さんが低酸素状態でも、自覚症状がない方もいます。
特に高齢者の患者さんに多く、Spo2測定の数値を伝えると驚かれることも少なくありません。
患者さんの起座呼吸の姿勢や会話が辛そうな状況、チアノーゼの有無など数値以外の観察が必要です。
低酸素を疑う時には、次のポイントを観察しましょう。
- 意識レベル
- 努力様の呼吸
- 呼吸回数
- 皮膚色
呼吸器内科病棟では呼吸困難や低酸素状態の患者さんも多く、呼吸状態や皮膚状態など細やかな観察が必要です。
呼吸器内科病棟に多い疾患
呼吸器内科病棟に多い疾患は、次のとおりです。
- 肺炎
- COPD
- 喘息
- 間質性肺炎
- 肺がん
肺炎などの急性期に対して治療が必要な状態と、COPDなど慢性的に治療していく疾患があります。
急性期疾患の肺炎は、呼吸状態の変動や自己排痰が難しい場合があり、酸素管理や吸引などの気道浄化に対するケアが必要です。
喘息は、症状のコントロール不良だと再発を繰り返しやすい疾患です。
入院中の症状コントロールに加え、退院後の薬剤継続やアレルゲンの除去など、患者指導が必要になります。
慢性期疾患の増悪・再燃を繰り返す疾患には、間質性肺炎や肺気腫があります。
慢性疾患の患者さんは、退院後の生活について家族を含めて話し合い準備していく必要があります。
労作時の呼吸困難のときは、口すぼめ呼吸や適度な休息の確保などが有効です。
入院中にスタッフ間と連携し、自宅でも安心して過ごせるように家族を含めた指導が必要になります。
在宅酸素を導入する場合には、患者さんや家族に酸素の取り扱いについて指導をします。
呼吸器内科病棟による肺がん治療は、がん化学療法や放射線治療がメインです。
厚生労働省の統計によると、肺がんの罹患率は増加傾向が示されており、今後も需要は高まる見込みです。
疼痛コントロールが必要になる場合や緩和ケアに移行する事も多く、幅広い知識が必要です。
呼吸器内科病棟での治療の特徴



呼吸器内科の治療は、酸素投与や薬剤治療の他にもありますか?



酸素投与方法が複数あり、薬剤の副作用注意する必要があります。
呼吸器内科には、主に次のような治療があります。
- 酸素療法
- 吸入
- 抗菌薬
- ステロイド療法
- 呼吸補助
酸素療法の種類には、疾患や患者さんの重症度に合わせて以下のように、複数の選択肢があります。
- 鼻カニューレ
- 酸素マスク
- オキシマイザー
- リザーバーマスク
- ネーザルハイフロー
- NPPV
- CPAP
NPPVとCPAPの注意点は、二酸化炭素の蓄積によるCO2ナルコーシスのリスクです。
酸素を投与するだけではなく、二酸化炭素の排気による二次的合併症を予防が必要です。
酸素療法を導入している場合は、Spo2の数値だけではなく、意識レベルの低下やせん妄などの観察を行います。
ステロイド療法は、呼吸器内科病棟では治療の選択肢の一つとして、多く導入されています。
ステロイド療法は幅広く使える一方で、以下の主な副作用のモニタリングや指導が必須です。
- 易感染症
- 骨粗鬆症
- 胃潰瘍
- ムーンフェイス
- 高血圧
- 糖尿病
ステロイドの投与量や期間は、治療や疾患で方針が異なります。
副作用の出やすさも異なるため、主な副作用については事前に指導しておくと、患者さんのケアに役立ちます。
呼吸器内科は急変が起きやすい?



呼吸器内科は急変が多いイメージがあります。
急変は怖いです。



日頃から患者さんの観察をしっかり行っていれば
予防できる事もありますよ。
呼吸器内科病棟は、急変が起きやすいイメージを持たれている方がいます。
呼吸器内科病棟で急変が起きやすい背景やタイミングとして、以下が考えられます。
- 夜間
- 体位変換越
- 排痰不良
- せん妄 など
急変が起きやすい状況に対して、事前に看護師のケアが急変リスクや症状の悪化を少なくすることが期待できます。
- 痰の貯留を防ぎ、気道浄化に努める
- 水分コントロールを行い、脱水を防ぐ
- 食事や水分摂取時の誤嚥に注意する
看護師の日頃のケアが、患者さんの命を守ることにつながります。
呼吸器内科病棟に多いケア4つ


呼吸器内科病棟に多いケアは4つあります。
それぞれのケアにより、観察ポイントや注意点が異なりますので詳しくお伝えします。
①酸素療法
呼吸器内科病棟では、呼吸困難な状態の方が多いため、酸素療法は多く導入されています。
酸素療法では以下の観察ポイントを意識しています。
- 呼吸困難の有無
- 四肢のチアノーゼや冷感の有無
- 意識レベルの確認
- 呼吸回数の測定
- Spo2数値の確認
酸素療法を受ける患者さんは、低酸素の方が多いため呼吸困難感を観察をします。
呼吸困難感がなくてもSpo2が低い場合もあるので、チアノーゼや起座呼吸の有無についても観察を怠りません。
医師指示により酸素の流量を変更した後は、Spo2の低下・意識レベルの低下・呼吸困難感が出現する可能性があります。
酸素流量変更後は、以下の注意点を意識しながら、状態に変化がないか観察を行いましょう。
- 患者さんに正しく酸素カニューレやマスクが装着できているか
- 酸素チューブがの屈曲がないか
- 酸素のチューブが外れていないか
酸素を正しく装着してもSpo2の数値が上がらない時は、チューブの破損が原因の可能性があります。
酸素カニューレまたはマスクの交換など機材の変更も検討します。
酸素療法中は、鼻や口が乾燥しやすいため水分補給や口腔ケアで乾燥を予防するケアが必要です。
②吸引・喀痰管理



吸引は患者さんが苦しそうだし、上手く出来ないので苦手です・・・・・・



患者さんの苦しさを和らげるためにも、効率的な吸引と排痰が必要です。
呼吸器内科病棟では吸引は、定期的な吸引やSpo2低下時など緊急で行う場面もあるため、適切な判断がいります。
吸引が必要な状態は、主に以下の場面が多いです。
- 自己排痰が難しい
- 口・鼻・気管チューブに痰が貯まっている
- 気管から気管支にかけて副雑音が聞こえる
- 手のひらを胸に当てると、手に振動を感じる(ラトリング)
- Spo2が低下している
吸引は、鼻腔・口腔・気管や粘膜を損傷する可能性があるため、可能な限り自己排痰を促します。
自己排痰を促すために、次のケアが有効です。
- 口腔ケア
- こまめな水分補給や加湿
- 体位ドレナージ
喀痰を貯めないことや、吸引などによる気道浄化に対するケアは、肺炎の治療や予防にもつながります。
③吸入指導



吸入の指導をした事がありません。教えて下さい。



吸入療法は、患者さんの協力があってできる治療です。
上手く吸入出来るようにポイントを押さえましょう。
基本的な吸入の手技は、以下のとおりです。
- 薬をセットする
- 吸入前の息の吐き出しを行う
- 薬剤を吸入する
- 息止めを行う
- うがいをする
患者さんにとって吸入は退院後も必要であり、入院中から指導を行う必要があります。
吸入は、肺まで吸入することで薬剤の効果が最大限に引き出されます。
上手く吸えるように分かりやすく説明を行いますが、上手く吸えない方には状況に応じて補助具を活用します。
喘息やCOPDは増悪・再燃を起こす病気であり、退院後以下の症状があれば、病院受診をするように説明します。
- 息が苦しい
- 息切れが強くなった
- 咳が増えた
- 痰が増えた
吸入は退院後の再発・憎悪を防ぐために確実に行う必要があります。
患者さんが吸入の手技を習得できて退院後も継続できれば、患者さんのQOL向上が期待できます。
④NPPV/CPAP
NPPVとCPAPは、機能性が違うため、使用する患者さんや導入するタイミングが異なります。
NPPVの主な機能は以下のとおりです。
- マスクで陽圧をかけて酸素を投与する
- 患者の自発呼吸がある場合に使用する
- 呼吸筋の負担を減らせる
NIPPVは鼻マスクタイプと口を鼻をカバーするタイプがあり、患者さんの呼吸を楽にする目的で導入します。
CPAPの主な機能は、以下のとおりです。
- 機械で圧力をかけて気道の拡張を促す
- 睡眠時無呼吸症候群の治療にも使用できる
NPPVとCPAPは、マスク装着時に生じる圧迫やズレで皮膚トラブルが生じる可能性があります。
適時、圧迫を解除したり、マスクの接着面をふき取り摩擦に注意しましょう。
アラーム時には、患者の状態確認を確認してから、回路のトラブルや機械トラブルの確認を行います。
アラーム対応で多いのは、マスクずれによるリークです。
マスクを直してもアラーム改善しないときは、回路のトラブルの可能性もあるため、臨床技師に相談しましょう。
呼吸器内科看護師が向いている人・向いていない人


呼吸器内科は、患者さんの異変や変化など観察力がある方に向いています。
呼吸器内科に向いている看護師は、以下の特徴があります。
- 患者さんの変化に気づける観察力
- 急変時の対応力
- 数値にとらわれないアセスメント力
- 患者さんの不安を言語化できる気遣い
観察力やアセスメント力だけでなく、患者さんの不安を察知できる気遣いなども必要です。
呼吸器内科は機材が多いため、以下の看護師には向いていない可能性があります。。
- 機器が苦手
- 急変や疾患への対応不安
機械が苦手でも、自己学習や周囲に教えてもらうことで知識を深められます。
急変や疾患への対応不安は、チームで行うため、周囲の看護師と協力をしましょう。
呼吸器内科病棟は、看護師の気持ち次第でスキルが伸びる領域です。
苦手でも、自分の努力次第で呼吸器内科のエキスパートナースになれます。



筆者も呼吸器内科が苦手でしたが、努力して今では呼吸器内科領域が大好きです。
観察と呼吸ケアを深める呼吸器内科看護師
呼吸器内科病棟には、急性期疾患から慢性期疾患までさまざまな患者さんが入院しています。
患者さんの状態を理解し観察を行うことで、個別性に応じたケアの提供が出来ます。
呼吸器内科は、機材の取り扱いが多く、提供するケアも幅広いです。
- 酸素療法
- 吸引・吸痰管理
- 吸入指導
- NPPV/CPAP
NPPVやCPAPなど機械を扱う場合は、マスクによる皮膚トラブルやCO2ナルコーシスの予防などが大切です。
呼吸器内科病棟看護師の向き不向きについては、今は不向きでも努力次第でエキスパートナースになる事もできます。
呼吸器内科病棟は、看護師としてのスキルを十分発揮できる領域です。
呼吸器病棟の領域に踏み出すことで、新しい看護観を知れることで知見を広げられます。
最後までお読みいだたきありがとうございました。

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