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退院後の家族介護は何から始める?親の家族介護で不安を解消するポイントを解説

大きな病気を乗り越え、リハビリ病院の退院が決まることは大変喜ばしいことです。

しかし、後遺症が残った家族の介護が必要となった時、多くの方が不安になると思います。

家での生活が戻ってくる嬉しさ。

その一方で、「私に介護ができるのだろうか」という戸惑い。

その二つの気持ちは、どちらも自然なものです。

私は看護の現場で働きながら、脳梗塞の母の介護をしてきました。

自分自身の生活を守りつつ、母が安心・安全に暮らせるように、多くの人に支えてもらいました。

その中で強く感じたのは、「最初の不安は準備でやわらぐ」ということです。

この記事では、家族介護が始まる時に感じやすい不安と、今からできる準備をまとめていきます。

筆者

一緒に、家族介護の不安を解消していきましょう

目次

退院後の家族介護で不安を感じやすい点

家族介護は、日常生活に支援がいる人を、家族が自宅などで支えることです。

家族介護の大きな特徴は、住み慣れた自宅で生活するので安心感があります。

一方で、家族の負担が大きくなりやすいとも言われています。

退院を前にこんな不安を感じていませんか。

  • 自分にちゃんと介護ができるのか
  • 体の支え方や、移動の手伝い方がわからない
  • 急に具合が悪くなったらどうしよう
  • 食事や薬のの管理ができるのか心配
  • 自分の時間がなくなるのではないか

どれも、どれも自然な気持ちです。

家族介護が始まる時、多くのご家族が同じような不安を抱えているものです。

「自分だけじゃないんだ」と知るだけで、心は少し軽くなります。

そして、介護は、家族だけで背負うものではありません。

介護保険サービスや専門的スタッフがあなたを支えてくれます。

「何かあったらどうしよう」という漠然とした不安

夜中に容態が変わったら。

転んでしまったら。

そんな「もしも」を考えると、不安になりますよね。

この不安は、知識と備えで小さくできます。

誰に・どこに連絡すればいいのかを先に決めておくことです。

薬の管理ができるか不安

退院後は、お薬の種類が増えていることがよくあります。

薬の管理ができるだろうか。

この不安はとても多くのご家族から聞かれます。

飲み忘れ・飲み間違いは体調を崩す大きな原因になります。

でも、ちょっとした工夫で、ぐっと管理しやすくなります。

先の見えない不安

介護には、はっきりとした終わりが見えません。

この「先の見えなさ」がじわじわと心を重くします。

まずは、「最初の一ヶ月」をなんとか乗り超えましょう。

そこを超えると、生活のリズムが少しずつ見えてきます。

そして、不安はご家族のみんなで共有しましょう。

誰がどこまで担うのかなど話しあって行くことが大切です。

長い道のりだからこそ、ひとりで抱え込む必要はありません。

退院前に家族が確認するべきポイント

退院後の介護を左右するのは、実は「退院前の準備」です。

退院前は、本人の状態をしっかり確認できる最後のチャンスです。

病院にいる間に気になることは、遠慮せずに病院スタッフへ聞いていきましょう。

そして、退院後の方針を話し合う「退院前カンファレンス」が行われることが多いです。

この場では医師・看護師・理学療法士・栄養士・薬剤師・ソーシャルワーカー・ケアマネージャーなど各専門スタッフが集まります。

本人の日常生活動作の情報を共有し、介護者の家庭事情も考慮して、必要な支援について話し合います。

ぜひ、ご家族も参加しましょう

それぞれの専門スタッフがそろっていますので、ご家族が質問や相談しやすい場になっています

筆者

退院前に確認しておきたいポイントです

  • 本人が自分でできること・手伝いが必要なこと
    • 着替え・トイレ・入浴・移動など、どこまで一人でできるのか聞きましょう
  • 薬の内容と飲み方
    • 薬の種類・飲む時間・飲み忘れた時の対応を確認しましょう
  • 食事の形やとろみの有無
    • 飲み込みに不安がある時は、食事の形態をよく聞いておきましょう
  • リハビリの続け方
    • 家でできる運動や、気を付ける動作を教えてもらいましょう
  • 緊急時の連絡先
    • 急変時はどこへ連絡すれば良いかを確認しておきましょう

不安があれば、各スタッフからの服薬指導・栄養指導・介助指導などを受けることもできます。

退院後の家族介護を始めるための準備

不安を和らげる一番の方法は、できる準備を整えておくことです。

家に帰る前に自宅環境を整えておくと安心です。

自宅の安全を整える

長期入院した後や後遺症が残った状態は、住み慣れた自宅であっても転倒しやすくなります。

転倒は骨折、そして寝たきりにつながることもあり、在宅介護で最も気をつけたいことの一つです。

でも、家の中を少し整えるだけで、リスクはぐっと下げられます。

筆者

転倒を予防する環境作りのポイントを参考に、自宅を見直してみましょう

  • 足元を片付ける
    • 電気コード、めくれたマット、新聞や雑誌を床に置かない
  • 段差と滑り
    • 小さな段差にはスロープをつける
    • 浴室やトイレには滑り止めマットを利用
  • 手すりと明かり
    • トイレ・廊下・階段に手すりをつける
    • 夜間は足元灯をつける
  • 夜のトイレ動線
    • ベッドからトイレの動線を近く、明るく、まっすぐにする
  • 履き物
    • かかとのある滑りにくい靴を履く
    • スリッパやサンダルは避ける

転倒予防を意識すると、床に物を置かなくなり、部屋もスッキリします。

退院前には「家屋評価」として、スタッフが自宅訪問し、危険な場所や・改善点を教えてくれます。

利用できる場合は、ぜひ活用しましょう。

緊急先の連絡先を整理する

いざという時、人は意外と頭が真っ白になります。

看護師の私でも、緊急時に動揺して、119の番号が出てこなかった経験があります。

慌てないために連絡先を一枚にまとめておきましょう。

固定電話の横・冷蔵庫など、目につく場所に貼っておくのがおすすめです。

お薬手帳・健康保険証・医療情報のメモ(持病・アレルギー・飲んでる薬)を一か所にまとめておきます。

こうしておくと、救急隊や受診先に正確に伝えられます。

連絡先リスト
  • かかりつけ医(病院名・電話番号・診察時間)
  • 訪問看護ステーション
  • ケアマネジャー(担当者名・電話)
  • 調剤薬局
  • 家族・親族の連絡先
  • 救急(119)

緊急時の連絡先やお薬手帳などの受診に必要な物は一カ所にまとめて、家族全員が分かるように「見える化」しておきましょう。

薬を「見える化」して管理する

退院後に増えがちなお薬も「見える化」で管理しやすくなります。

お薬カレンダーや服薬ボックスを使い、「朝・昼・夕・寝る前」と一目でわかるようにしましょう。

本人が普段座る場所や、目につく場所に置くと、飲み忘れが防げます。

種類が多くてわからなくなりそうな時は、薬局で一包化をお願いしましょう。

一包化することで、一回分ずつの薬を一つの袋にまとめてもらえます。

介護者も一目で飲み忘れに気づきやすいので、とても助かります。

介護用品を揃える

必要であれば介護ベッド・歩行器・車椅子などは介護保険でレンタルできます。

シャワーチェアやポータブルトイレなど、レンタルに馴染まない衛生用品は購入ができます。

こちらも上限額はありますが、介護保険の補助が受けられます。

何が必要かは、ケアマネジャーに相談しながら決めましょう。

最初から全て揃える必要はありません。

生活してみて、足りないものを足していく形で十分です。

介護保険を申請する

退院後に介護サービスを使うには、要介護認定が必要です。

申請から認定結果が出るまで、通常1〜2か月かかります。

まだ申請していなければ、入院中から申請しておくことを強くおすすめします。

入院先のソーシャルワーカーに相談すれば、手続きを教えてもらえます。

早めの行動すると、退院後の安心につながります。

ケアマネジャーと相談する

退院後の介護保険サービスをコーディネートするのは、ケアマネジャーの大切な役割の一つです。

本人の状態に合わせてケアプランを作り、サービス事業者との調整を行います。

「リハビリが週1回では少ない気がする」と感じたら、遠慮なく相談しましょう。

定期的なモニタリング(月1回が目安)の時に「最近の身体の様子」を具体的に伝えることが、プランの見直しにつながります。

家族介護を続けていくには介護保険サービスは欠かせません。

ケアマネジャーとのコミュニケーションは大切にし、信頼できる関係を築いていきましょう。

家族の役割分担を決める

介護は一人で担うものではありません。

家族の中で、誰が何をするのかを話し合いましょう。

平日の日中は誰が見るのか。

通院の付き添いは誰が担うのか。

経済的な負担はどう分けるのか。

遠方の家族でも、電話での見守りや費用の分担という形で関われます。

「できる人が、できることを」という考え方が、長続きのコツです。

退院後の家族介護で使えるサービス

家族だけで抱え込まないために、頼れるサービスを知っておきましょう。

介護保険を使えば、さまざまな専門のスタッフの力を借りることができます。

家族介護を支える主な介護保険サービス

主なサービスは、次のとおりです。

サービス内容
訪問介護(ヘルパー)自宅で食事・入浴・排泄の介助を受けられる
訪問看護看護師が訪問して健康管理や医療的ケアを行う
訪問リハビリ理学療法士などが自宅でリハビリを継続する
デイサービス日帰りで通い、食事・入浴・交流ができる
デイケア(通所リハビリ)通いでリハビリを中心に受けられる
ショートステイ短期間、施設に宿泊してケアを受けられる
福祉用具貸与介護ベッドや車椅子をレンタルできる

これらは、組み合わせて使うことができます。

例えば「週2回のデイサービス+週1回の訪問看護」のように。

毎日のケアを分散して、ショートステイで家族が休める時間を作ることもできます。

どれだけ使えるかは、要介護度に応じて「支給限度額」で決まります

ケアマネジャーと一緒に、本人の状態とご家族の生活に合わせて、無理のないプランを考えましょう。

介護保険外サービス

介護保険サービス以外でも、地域には暮らしを支えるサービスがあります。

サービス内容
配食サービス栄養に配慮した食事を自宅まで届けてくれる
見守りサービスセンサーや訪問で安否を確認してくれる
家事代行掃除や買い物を代わりに行ってくれる
緊急通報装置ボタンひとつで連絡できる仕組み

自治体が独自に行なっている支援サービスもあります。

配食の助成やおむつの支給などがある地域も少なくありません。

お住まいの市区町村の窓口で、一度確認してみてください。

介護保険サービスと組み合わせれば、暮らしはもっと支えられます。

使えるものは使う」

それが、無理なく続けるコツです。

家族介護の負担を軽くする工夫

退院後は、介護者は「自分が全部やらなければ」と気負ってしまいがちです。

しかし、介護は短い距離を走るのではなく、長く続く道のりです。

介護者が倒れてしまっては、介護そのものが続けられません。

少しでも負担を軽くする工夫をお伝えします。

完璧を目指さない

真面目な方ほど、「ちゃんとやらなきゃ」と頑張りすぎてしまいます。

でも、毎日100点の介護なんて続けるのは、誰にとっても難しいものです。

今日は60点、明日は70点。

そのくらいの気持ちで十分なんです。

掃除が行き届かなくても、献立が手抜きでも、本人とご家族が笑顔で過ごせる日々であれば、それで100点満点だと思います。

サービスや制度を上手に使う

必要に応じて訪問介護やデイサービスなどを組み合わて介護保険サービスをしっかり利用しましょう。

近年は働きながら介護をする人が年々増えています。

無理を重ねて仕事を辞める「介護離職」を防ぐためにも「介護休業」や「介護休暇」といった制度を知っておきましょう。

使えるサービスや制度は、遠慮なく使っていきましょう。

相談できる相手を持つ

介護の辛さは、一人で抱えると重たくなります。

同じ立場の人と話すだけで、心が軽くなることもあります。

家族会や自治体の介護者向けの集まりもあります。

ケアマネジャーや訪問看護師に、気持ちを話すのも立派な相談です。

弱音を吐ける場所を持つことは、決して甘えではありません

休む時間をつくる

介護者は自分のことを後回しにしがちです。

あなたの心と体が元気でいることが、何よりも大切です。

睡眠をとる

食事をおろそかにしない

たまには、自分の時間を持つ

ショートステイやデイサービスを使って休息をとるようにしましょう。

本人を預けることに、罪悪感を持つ必要はありません。

休むことは、介護を長く続けるための大切な準備です。

まとめ

自宅への退院が決まった時は、何から手をつけて良いか分からず、不安から始まることがほとんどです。

でも、その不安は知識と準備で確実に小さくできます。

退院前にやるべきことが見えてくれば、一つずつ準備を進めていきましょう。

そして、一番大切なことは、「一人で抱え込まない」ということです。

介護保険サービスは、うまく使えば家族の負担を大きく減らすことができます

困った時は、まずケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してください。

あなたを支えてくれる専門スタッフは、たくさんいます。

退院は、ゴールではなく新しい暮らしのスタートです。

あなたとご家族の毎日が、穏やかでありますように。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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