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急性期経験は在宅医療で活かすべき!評価される理由や病院との違い・伸ばしたいスキルを紹介

「急性期病棟でもやりがいは感じられるけど、もっと患者さんと深く関わりたい」

「在宅医療に興味があるけど、急性期の経験が活かせるか不安」

急性期病棟で目まぐるしい業務をこなす中で、ご自身の求める看護観に違和感を抱きませんか。

その違和感の原因は、看護を提供する場の違いにあります。

患者さんの生活環境の中で看護を提供する、在宅医療へのキャリアチェンジもひとつの手段です

在宅医療では、患者さんの自宅で患者さんや家族と深く関るため、急性期で培った観察力や判断力を活かせますよ

この記事では、あなたの急性期での経験が在宅医療に活かせるスキルや場面を紹介します。

これまで急性期で培ったスキルを在宅医療で発揮しましょう。

目次

急性期経験を在宅医療に活かせる理由

急性期の経験が在宅医療で活かせる理由は、スキルと在宅医療が求める看護にあります。

それぞれ見ていきましょう。

急性期で身につくスキル

急性期では、判断力や技術のスキルが身につきます

急性期は患者さんの状態が変化しやすいため、日々の観察や医療機器の知識が必要です。

急性期で身につくスキルは以下のとおりです。

急性期で身につくスキル
  • 限られた時間で必要な対応を行う実践力
  • 急変の予兆を見抜く観察力
  • フィジカルアセスメント力
  • 優先順位をつける力

在宅医療では訪問時間が限られているため、時間内で観察や処置、アセスメントを行わなければなりません。

医療的な処置の実践や家族への指導をする場合もあるため、急性期で培ったスキルが役立ちます。

在宅での医療ケアの必要性が高い利用者に対応できるのは、急性期で身につけたスキルが重宝されます。

在宅医療が求める看護

急性期で培われた状態の変化をつかむ力は、在宅医療でも必要です。

在宅医療では利用者に医療・看護を24時間提供できるわけではありません。

通常の在宅医療では、前回の訪問から数日~1週間程度の時間が経って訪問します。

看護師はバイタルサインや本人の訴え、生活状況など集めた情報をもとにアセスメントします。

急性期で培った状態変化をつかむ力で、時間が経った後でも利用者の状態を判断できます。

多職種との連携も利用者の全体像を知るための大切なポイントです。

利用者は看護師や医師、それぞれに見せる姿が異なります。

利用者が見せる姿の一例を以下に提示します。

利用者の姿の変化一例
  • 医師の説明に理解を示すが在宅では覚えていない
  • 訪問看護へ拒否反応を示す
  • 看護師に本音を打ち明ける

訪問看護は、ほかの職種がそばにいない状況での訪問です。

訪問看護師は医師やケアマネージャーなど多職種と連携を取りながら利用者に関わります。

多角的な視点で情報を共有すると、チーム全体で利用者の理解が深まります。

急性期経験を在宅医療で活かす場面

ここでは、急性期の経験を在宅医療で活かせる場面を紹介します。

利用者の変化に気づく

訪問看護では、限られた時間で利用者の変化に気付ける観察力が発揮できます

状態変化が起きやすい急性期で培ったスキルが、訪問看護でも活かせる場面があります。

在宅では、以下の変化に対して対処しなければなりません。

利用者変化一例
  • 台所の残飯量を確認し、食事摂取量の低下を確認する
  • 普段と違うバイタルサイン
  • 普段使わない道具を使う(クッションや温罨法、冷えピタなど)

在宅は、入院中とは異なり医療的な対応ができない場合があります。

利用者の変化に気づき、早期対応につなげることが大切です

急変リスクを予測して動く

訪問看護では、利用者の急変の前兆を予測して動ける判断力が発揮できます

訪問看護でも急変のリスクを常に考え、必要なケアや物品の準備を行います。

在宅での急変の前兆は、以下のとおりです。

在宅で急変の前兆
  • 呼吸苦を訴えることが多く、寝ている時間が増える
  • 浮腫が悪化し、体重が増加する
  • 発熱し湿性咳嗽が増える

急変のリスクが高いと判断した場合には、速やかに医師へ病状を報告します。

在宅で急変した場合には、緊急受診や救急搬送の補助も行います。

訪問看護でも、急性期の利用者の急変リスクを予測し行動する力が大切です

家族への説明や安心づくり

訪問看護では、家族への説明や安心づくりが大切です

利用者や家族への説明内容は、少ない専門用語でわかりやすくする必要があります。

訪問看護でも、専門的な内容をかみ砕いて利用者・家族に説明します。

具体例は以下のとおりです。

具体例
  • 浮腫が悪化している→むくみがひどくなっている
  • 褥瘡が治癒している→床ずれが治っている
  • 湿性咳嗽がある→痰がらみの咳がある

利用者・家族も身体の状態を理解できると安心感を得られます。

利用者が在宅で安全に生活を送れるよう、利用者・家族の不安に寄り添う姿勢が大切です。

看護師からのわかりやすい説明が、利用者・家族の安心につながり信頼関係を築けます

退院後の療養支援につながる

在宅医療では、退院支援のための指導経験が活かせます

訪問看護では、再入院を予防するために利用者が療養上の注意点を守れているか確認します。

自宅で利用者がセルフケアを継続できる仕組みづくりが大切です。

継続できるセルフケアの仕組みの例は以下のとおりです。

セルフケアの工夫例
  • 体重や血圧の自己測定値をノートに記載し、看護師とチェックする
  • 服薬カレンダーを設置し、看護師が服薬を介助する
  • 症状の対処法について、パンフレットを渡す

利用者は、退院時の指導を日常生活に取り入れて実践する必要があります。

セルフケアの継続は、利用者が身体の変化に気づき看護師への報告が遅れないためにも重要です。

病院での退院支援の経験が、退院後の利用者のセルフケアの習慣化につながります

病院と在宅医療の違いを知る

病院と在宅医療で求められる看護にはいくつか違いがあります。

病院と在宅医療を比較しながら違いを説明します。

病院看護と在宅医療の違い

1番の違いは、利用者の目標と主軸にあります

利用者の目標と主軸は、療養生活を送る場所によって変わります。

目標と主軸の中心は、病院では治療、在宅では生活です。

病院と在宅の看護の違いを以下の表に提示します。

項目病院看護在宅看護
目標・治療目標の達成
・自宅や施設への退院
・QOLの維持・向上
・自宅で過ごせる状態
主軸となる考え病院の治療方針本人や家族の希望
指導内容医学的・技術的指導QOL維持・向上のための生活指導
家族対応・病状説明
・持参品の依頼
・自宅での療養協力
・家族の技術指導

利用者は自宅で治療するのではなく、自分らしい生活を送るために病気をコントロールします。

自宅で生活するための正解が一つではありません。

利用者が考える「自分らしい生活」の中で、病気と共存できているか看護師は評価しながら関わります

在宅で必要になる視点

訪問看護では、生活環境や家族の介護力を見る視点が必要です

在宅では病院のように環境整備や衛生面、介護技術が一定に保たれているわけではありません。

利用者の生活環境や介護力はそれぞれ異なり、生活の中に習慣が根付いています。

以下に、病院と在宅の環境の違いを挙げます。

項目病院在宅
生活・清潔
・安全
・高機能な医療用品がそろっている
・衛生概念は異なる
・段差が多い
・生活用品での代用が多い
介護者病院スタッフ・同居者
・ヘルパー
・施設スタッフ

病気をコントロールするために、利用者の生活の仕方や注意点を一緒に考えます。

訪問看護では、利用者のQOLの維持・向上のために生活環境・介護力のアセスメントが大切です

急性期経験者が戸惑う環境

急性期経験者は一人での訪問に戸惑う人が多いです

病院では問題が起きても、先輩や医師など相談できる相手が近くにいます。

患者さんの変化や要望に対して相談相手だけでなく病院規則もあり、問題解決しやすい環境です。

訪問看護では相談相手が近くにいないため自分で判断しなければなりません。

病院では「看護師さんは忙しそうだから話しかけづらい」「体がきついから話す元気がない」と患者さんの思いを聞く機会は少ないです。

訪問看護では、利用者が安心した環境で関わるため、利用者の思いを聞く時間が多くなります。

急性期は処置の比重が多い現場のため、在宅医療のように思いを認識し受け止める空間に戸惑いを感じやすいです。

一人での訪問は戸惑いますが、利用者がどんな思いで生活しているのか聞くことも在宅看護の一つです

急性期経験者が在宅医療で伸ばしたい力

急性期では伸ばしにくいスキルもあります。

しかし、急性期経験者でも在宅に必要なスキルは伸ばせます。

伸ばしたいスキルをチェックしながら、読み進めてみてください。

生活を見る力

病気だけでなく、利用者の生活全体を捉える力が必要です。

利用者は、価値観をもって病気とともに生活しています。

利用者の中には、以下の視点を大切にしている方がいます。

利用者の価値観・希望観の一例
  • 盆栽を楽しみたい
  • 家族と旅行したい
  • 散歩したい
  • 晩酌をしたい

車椅子で外出が不自由であれば、移動しやすい自宅改装などを検討します。

家族が一緒の外出に不安がある場合には、看護師が同伴する外出サービスの利用情報の提供も可能です。

在宅生活の継続や、利用者と家族の希望が実現できる支援の提案や柔軟な姿勢が求められます。

医療者の求める生活を押し付けるのではなく、価値観や希望を尊重する視点が大切です

多職種連携と調整力

在宅医療では、多職種連携と調整力が必要です

利用者は、医師やケアマネージャーなど多職種が関わり在宅サービスを受けています。

在宅サービスには医師だけでなく訪問看護やケアマネージャー、ヘルパーなど、さまざまな職種が関わります。

円滑な在宅支援のために、多職種間で利用者情報を共有します。

共有される利用者情報の例は以下のとおりです。

利用者の情報の一例
  • 利用者の身体状況・家庭状況・サービス内容
  • 在宅・デイサービスでの様子
  • 利用者の困りごと
  • 医療機関の受診日

看護師が、受診の日程を提案しサービスを調整する場面もあります。

実際には電話やメールを用いて連絡するため、必要な情報を短く正確に共有する力が求められます。

利用者が安心して生活するためには、チーム全体での情報共有・協働が大切です

コミュニケーション力

在宅の医療者は、指導者ではなく伴走者です

在宅医療では、その人らしく生活・人生を送れるようサポートする役割があります。

利用者の中には、病院の指導が実践困難でQOLを優先する方がいます。

実践困難な生活の例は以下のとおりです。

実践困難な生活の例
  • 塩分量の制限があるが外食する
  • 在宅酸素をしているが喫煙する
  • 血糖値が高いが間食を摂る

医療者が病院の指導を押し付けると、在宅では負担に変わります。

訪問看護では、利用者の思いを聞き、受け止めるためのコミュニケーションが必要です。

適切なコミュニケーションをとると、利用者の言動背景の理解につながります

利用者をサポートするためには、コミュニケーションをとり信頼関係の構築が重要です。

在宅での判断力

在宅医療では、その場で優先順位を決め判断し対応します

訪問看護では時間だけでなく、物品や環境も限られています。

判断力が必要となる場面の例は以下のとおりです。

判断力が必要となる場面の例
  • 環境整備されていない中での清潔ケア
  • 金銭的に厳しい利用者への処置
  • 市販薬でのケア・処置
  • 利用者の急変

看護師がフィジカルアセスメント行い状況を判断し、ケアや処置の方法を考え、看護を提供します。

利用者と相談し、必要な物品購入や環境整備の依頼も行います。

利用者の状態や生活はそれぞれ異なるため、看護師に柔軟な思考が求められます。

在宅生活を継続するために、判断力とフィジカルアセスメント力が必要になります

急性期経験は在宅医療に活かす強みになる!

ここまで急性期経験が在宅医療に活かせる理由、病院と在宅医療の違い、伸ばしたい力についてお話してきました。

在宅医療でも急性期経験は高く評価されており、在宅医療で活かす強みになります

在宅医療で活かせる急性期のスキル・経験をまとめると以下のようになります。

在宅医療で活かせる急性期のスキルと経験
  • フィジカルアセスメント力・判断力
  • 利用者・家族への説明、安心づくり
  • 優先順位をつけた実践力
  • 多職種との連携

急性期経験の強みや在宅医療の特徴、伸ばしたいスキルを理解すると、在宅医療へのキャリアを視野に入れられるようになります。

患者や家族と深く関わりたいなら、在宅医療へのキャリアチェンジもひとつの手段です。

一人で判断する責任の重さはありますが、これまで培ってきた看護の経験は必ず活かせます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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