ドローンって、最近いろんなところで活躍していますよね。
そんなドローンに、国家資格があることをご存じですか?
2022年に始まったこの制度は、安全に楽しんだり、仕事で活用したりするためにとても大切な仕組みなんです。
この記事では、ドローンの国家資格の基本、資格の取り方、そしてこれからのドローンの未来について、初心者のかたにもわかりやすくお伝えしていきます。
ドローンってなに?初心者にもわかりやすく解説

「ドローン」と聞いて、なんとなく見た目や動きは想像できますよね?
しかし、しっかり理解できていない方も多いのではないでしょうか?
そんな方に、まずはドローンについて詳しく解説します。
ドローンってなに?
航空法でのドローンの位置づけは「無人航空機」です。
「人が乗ることのできない航空機で遠隔操作や自動操縦ができる飛行機器」のことです。

形状、サイズ、プロペラの枚数に定義はありませんが、ドローンは複数のプロペラをもつマルチコプターの飛行体が一般的です。

ドローンとラジコンなにが違うの?
ドローン | ラジコン | |
---|---|---|
搭載機能 | GPS、各種センサー、電子コンパスなど | シンプルなもの、もしく機能なし |
操縦方法 | 自律飛行・自動制御 自動でルートをたどったり帰還も可能 | 常にコントローラー操作が必要 |
特徴 | 電子制御で安定した飛行が可能 | バランスをとるのに複雑な操作が必要 |



ラジコンは操作を楽しむ趣味の要素が大きいのです
ドローンがどんな所で活躍しているのか解説
さまざまの機能を搭載しているドローンはどんな活用がされているのか見ていきましょう。
- 農薬散布
- 肥料散布
- 播種
- 受粉
- 農産物などの運搬
- 令和6年度 農業分野におけるドローン活用状況
- 橋梁等の定期点検など高所や危険地帯での状況確認
- 災害時の被災状況確認
- 火山の火口周辺の調査
- 測量
- 国土交通省のドローン活用事例
- 物流
- 警備・監視
- プロモーション撮影・ドローンショー
- 自治体によるドローン活用事例集



農業、インフラ、エンタメなど、とても多くの場面で活用されているんです!
レベル4飛行ってなに?
ドローンには官民協議会の定義した飛行レベルといわれるドローンを社会実装するためのステップがあります。


レベル | 可能な飛行 |
---|---|
レベル1 | 目視内での操縦飛行(空撮・橋梁点検など) |
レベル2 | 目視内での自律飛行(農薬散布・土木測量など) |
レベル3 | 無人地帯での目視外飛行(輸送の実証実験など) |
レベル4 | 有人地帯での目視外飛行(荷物配送・建築現場の測量など) |
2022年12月5日に施行された改正航空法により、第一種機体認証、無人航空機操縦者技能証明、飛行許可・承認手続き、運航ルールの制度が整備され、レベル4でのドローン操縦が可能になりました。
ドローンの国家資格とは?2022年導入された制度の基本


2022年12月5日に施行された改正航空法により、ドローンの国家資格が誕生しました。
詳しく見ていきましょう!
2022年に導入されたドローン国家資格の概要
ドローンの国家資格とは、「無人航空機操縦者技能証明制度」のことです。
免許とは違い、必要な技能を有することを証明する資格制度です。
一等無人航空機操縦士と二等無人航空機操縦士があります。
人のいる場所でドローンを飛行させることができるレベル4飛行が可能
人のいない場所でドローンを飛行させることができるレベル3飛行が可能
無人航空機操縦者技能証明の有効期限は三年です。更新には、更新講習の受講、更新手続きが必要です。
無人航空機操縦者技能証明の取り方
無人航空機操縦士試験は、学科試験、実地試験、身体検査を受ける必要があります。
年齢制限は16歳以上となっています。


DIPS2.0(ドローン情報基盤システム)とは、無人航空機の各種手続きをオンラインできるシステムです。



技能を証明するのため、実地試験もあるんですね!
資格取得までの費用と期間は?



国家資格ってことは時間もお金もかかって難しそう……
資格の取得には、登録講習機関を受講してから試験を受けるパターンと独学で勉強し試験を受けるパターンがあります。
それぞれの費用、期間を見てみましょう。
一等無人航空機操縦士 | 初心者 | 経験者 |
---|---|---|
費用 | 約50万円から100万円 | 約30万円から50万円 |
期間 | 約3か月 | 1~2週間程度 |
二等無人航空機操縦士 | 初心者 | 経験者 |
---|---|---|
費用 | 約25万円から40万円 | 約10万円から20万円 |
期間 | 約2~3か月 | 1~2週間程度 |
費用は「受験料、身体検査代」のみ 期間は学科、実地試験対策での自主勉強、練習など
独学では、費用はかなり抑えられますが、自分ですべて調べたり、機体購入や機体登録、練習場所の確保など課題は多いです。
資格をとるメリット



資格をとるメリットってなんだろう……
- 操縦者としての技能が証明され、ビジネス面で社会的信用が高くなる
- 公共、インフラ、測量、空撮など幅広い分野で活躍できる
- ドローンを活用したサービスや新規ビジネスにチャレンジできる
- 転職や再就職に有利になる
農業、建築、警備、エンターテインメント業界への就職や転職だけでなく、新しいアイディアで新規ビジネスへ参入することもできますね!
ドローンの未来予想図|これから広がる可能性と活用シーン


無人航空機操縦者技能証明制度の誕生、レベル4飛行解禁で、これからドローンはどうなっていくのでしょうか?
ドローンとの未来と世界でのドローンの活躍を見てみましょう。
ドローンがつくりだす未来
今もいろいろな方面で活用されているドローンですが、まだまだ活用方法は広がるばかりです。
- コンビニや小売店での食料品や医薬品の配送
-
離島など交通網が整備されていない地域への配送などドローンが活用されることで、人手不足の解消、交通渋滞の緩和などが期待されます。
- 災害時の救助活動、緊急物資の輸送
-
今でも災害時はドローンが活用されていますが、AIと組み合わせたり、地震感知システムと組み合わせることで、災害発生前から避難誘導など事前対応が期待されています。
- イベントや広域施設の警備
-
AIと組み合わせることで、広範囲で死角のない監視ができ、追跡と迅速な対応が可能になります。
- 空と水中からの海難捜査
-
水面と水中から広範囲で人影の認識したり、空中から救命浮輪を投下、GPSで救助場所を知らせることでいち早く救助可能になります。



これからもドローンは進化して、活躍の場を増やしていくんですね!
世界のドローン
ドローンは世界でどんな活用をされているのでしょうか?
- アメリカ
-
AmazonやWalmartはドローンを使って商品を配送するサービスや薬局チェーンでは処方箋薬の配達サービスを進めています。
緊急通報にいち早くドローンを派遣し、状況確認、犯人追跡、証拠の回収に活用しています。
- 中国
-
アプリで商品を注文すると、ドローンが専用の宅配ボックスに商品を配達するフードデリバリーに活用されています。
自律型旅客ドローンの運用許可が付与され、体験運用やデモ飛行が行われています。
- ロシア
-
ドローンを街頭広告に活用し、注目を集めています。
ドローンは世界各地で活用され、人手不足の解消、コスト削減、作業効率化だけでなく、緊急時の迅速な対応、危険な場所や交通に不便なところへのアクセスが可能になり、社会利用に貢献しています。
ドローン国家資格の需要は?これから必要とされる理由
2022年にスタートしたドローンの国家資格ですが、就職や転職などで需要はあるのでしょうか?
無人航空機操縦士が必要とされる理由を見ていきましょう。
ドローンを使って稼ぐことはできるの?



資格を取って、仕事はあるの?どれくらい稼げるの?
厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagの情報では、ドローンパイロットの年収は467.3万円で、会社に所属している人が多く、平均年齢は48歳と比較的高めです。
無人航空機操縦士の資格がなくても、資格取得をサポートしてくれる未経験歓迎の求人もあります。
資格を取ってから就職するか、就職してから資格をとるか。ライフワークに合わせて検討してみてはいかがでしょうか。
会社に所属せず、フリーランスで活躍するドローンパイロットもいます。ドローンの操縦スキルだけでなく、動画編集スキルや集客スキルと組み合わせれば、会社所属の年収を超えるでしょう。
どちらにしても、ドローンを使って稼ぐには、無人航空機操縦士を取り、信頼を得ることが重要となります。
ドローンは「趣味」から産業活用へと急速に広がりをみせています。
人手不足対策のために物流、農業、警備、建築などでのドローンの活用はますます増えるばかりです。
ドローンの仕事例
「ドローンの仕事」といっても操縦士だけでなく、ほかのスキルや経験を組み合わせた仕事もあります。
- ドローンインストラクター
-
個人向けのドローンスクールだけでなく、企業がドローンを導入する際の研修や自治体での講習会などもインストラクターの仕事です。
- ドローンエンジニア
-
ドローンのハードウェアやソフトウエアの開発や設計、プログラミングなど、航空工学や電子工学などの専門知識を活かし、今後も広がるドローン技術にエンジニアの需要は高まるばかりです。
- ドローンショー
-
ドローンショーは最新技術を駆使し、感動と笑顔を届けるエンターテインメントです。ショーの企画・演出、アニメーション制作などのスキルと活かせる仕事です。



ドローンビジネスはこれからも拡大していきそうですね。
【まとめ】ドローンとの新しい未来
この記事では、新しく誕生したドローン国家資格とドローンの活用について説明しました。
- ドローン国家資格とは「無人航空機操縦者技能証明制度」のことです。
- 2022年12月改正航空法により、第一種機体認証、無人航空機操縦者技能証明、飛行許可・承認手続き、運航ルールの制度が整備され、レベル4でのドローン操縦が可能になりました。
- レベル4飛行とは「有人地帯での目視外飛行」のことで、一等無人航空機操縦士は市街地などでドローンを飛ばせるようになりました。
- 無人航空機操縦士試験は16歳以上で学科試験、実地試験、身体検査を受ける必要があります。
- 資格を取ることで、操縦者としての技能が証明され、ビジネス面で社会的信用が高くなり、就職や転職で有利になります。
「空の産業革命」といわれる、小型無人機による空の活用でこれから世界は、産業、経済、社会が変革するといわれています。
無人航空機操縦者技能証明制度は、安全で信頼性の高いドローン運用を実現するための大きな一歩です。
今後は、資格を持つ操縦士の需要が高まり、ドローンは私たちの暮らしやビジネスを支える“空のインフラ”として、
より身近な存在になっていくでしょう。
「まずはドローンを飛ばしてみたい」という方は、こちらの記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント