コーヒー豆の種類と名前をやさしく解説！産地や有名銘柄の味の違いもご紹介

コーヒー専門店の前を通り過ぎるときの、香ばしいコーヒーのいいにおい。

自宅でも豆からコーヒーを入れてみたいなぁと思っても、豆の種類が多く、色んな名前があってよくわからないなんてことありませんか？

コーヒー豆は数百種類以上ありますが、大きくは三大原種と呼ばれる、アラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種の3つに分けられます。

同じアラビカ種でも、生産国や農園などの違いによって、「ブルーマウンテン」や「キリマンジャロ」というように名前が変わります。

この記事では、コーヒー豆の品種から、主な生産地や銘柄、焙煎度や挽き方による味わいの違いまで丁寧に解説します。

この記事を読んで、自分の好みに合ったコーヒー豆を選ぶ参考にしてくださいね。

コーヒー豆の品種（三大原種）

コーヒー豆には多くの種類がありますが、大きく分けると三大原種と呼ばれる3つに分けられます。

一つずつ解説していきますね。

アラビカ種

現在流通しているコーヒーの60～70％を占めているのがアラビカ種です。

アフリカのエチオピア原産で、酸味やコクのバランスがいいのが特徴です。

標高1000m以上の高地での栽培に向いています。

アラビカ種は高温多湿や病害虫に弱く、栽培にはとても手間がかかります。

アラビカ種の中には品種改良や突然変異などで、いくつもの品種があります。

野菜で例えると、サツマイモのなかに安納芋や鳴門金時があるイメージです。

主なアラビカ種の代表的な品種には以下のものがあります。

ロブスタ種（別名：カネフォラ種）

アラビカ種に次いで多く流通しているのがロブスタ種です。

アフリカのコンゴ原産で、全体の30～40％の流通を占めています。

病害虫や気候変動に強く、標高の低い土地でも栽培できます。

カフェインが多く苦みが強いのが特徴です。

大量生産しやすいので、インスタントコーヒーや缶コーヒーに使われています。

リベリカ種

リベリカ種はコーヒー全体の1％以下しか生産されていません。

西アフリカのリベリア原産ですが、現在ではマレーシアやフィリピンなど、一部の地域のみで栽培し飲まれています。

コーヒー豆の産地と銘柄

コーヒーの名前は、国名だったり品種だったりしてわかりにくいですよね。

品種とはコーヒーの血筋で、一般的に使われるコーヒーの名前（銘柄）は、豆がどこでどのように作られたかを示す商品名（ブランド）になります。

コーヒーの品種と銘柄の関係は、ブドウの品種とワインの銘柄の関係に似ています。

同じ品種でも、育つ場所が違えば味が変わります。

ここでは、コーヒーの主な産地と銘柄についてみていきましょう。

コーヒーの生産地

コーヒーのほとんどは、コーヒーベルトと呼ばれる、赤道をはさんで北緯25度と南緯25度までの一帯で生産されています。

地域によって異なる気候や土壌で、コーヒーの味わいは異なります。

主な産地である南米・アフリカ・アジアの3つにおける、特徴の違いを解説します。

南米（ブラジル・コロンビア・グアテマラなど）

南米のコーヒー豆は酸味・苦み・コクのバランスがよく、ナッツやチョコレートのような風味を持つのが特徴です。

クセが少なく飲みやすいので、初心者にもおすすめです。

アフリカ（エチオピア・タンザニアなど）

アフリカのコーヒーは、フルーティーで爽やかな酸味をもち、香り豊かで個性的な風味が魅力です。

アジア（インドネシア・ベトナムなど）

苦みの強いロブスタ種が多く栽培されています。

酸味が少なく、苦みとコクの強い重厚感のある味わいのコーヒーです。

ミルクを入れて飲むのに向いています。

押さえておきたい有名銘柄

コーヒーには多くの銘柄がありますが、とくに有名な銘柄を3つ紹介します。

ブルーマウンテン

ブルーマウンテン山脈の限られた地域の、昼夜の寒暖差が激しく厳しい環境で栽培され、収穫量がとても少ない高級品です。

厳しい検査と管理により、高い品質が保たれています。

豊かな香りを持ち、酸味・苦み・コクのバランスが取れた上品な味わいで、コーヒーの王様と称されます。

キリマンジャロ

柑橘系のさわやかな酸味が特徴で、苦みが少なく、フルーティーな香りでスッキリとした後味です。

焙煎度によって味の変化を楽しめるのも、キリマンジャロコーヒーの魅力です。

キリマンジャロ山の中腹の標高1500m～2500ⅿの高地で栽培されています。

モカ

世界最古のコーヒーと言われ、独特の風味と甘く華やかな香りが魅力です。

フルーティーな酸味で、甘みとコクがあり、苦みは控えめです。

コーヒー豆の焙煎度と挽き方の種類

コーヒーは同じ豆を使用しても、焙煎度や挽き方によっても味わいが変わります。

焙煎はコーヒー豆を加熱して、香りやコク、色を引き出す工程です。

ここでは焙煎度と挽き方について詳しく説明します。

コーヒー豆の焙煎度

コーヒーの焙煎度は大きく浅煎り、中煎り、深煎りの3つに分けられます。

焙煎する時間が短い浅煎りほど酸味が強く、時間が長い深煎りほど苦みとコクが増します。

焙煎度	細分化	特徴
浅煎り	ライトロースト シナモンロースト	酸味が強くフルーティーでスッキリした味わい 一般的にはあまり使われない
中煎り	ミディアムロースト ハイロースト	酸味を苦みのバランスがよく、万人に好まれる焙煎度合い 市販品や喫茶店で多く用いられる
深煎り	シティロースト フルシティロースト フレンチロースト イタリアンロースト	コクが深く、苦みや香ばしさが強く感じられる 酸味は少ない

自分の好みに合った焙煎度合いを見つけるのも、コーヒーの楽しみ方のひとつですよ。

コーヒー豆の挽き方

豆の挽き方も、コーヒーの味を大きく変える重要な工程です。

細かく挽くほど成分がしっかり溶け出し、味や苦みが強くなります。

挽き方は5段階に分けられます。

段階	豆の状態	特徴	適した抽出方法
極細挽き	とても細かいパウダー状	短時間に一気に成分を抽出するのに向いている 苦みや渋みが出やすい	エスプレッソ トルココーヒー
細挽き	極細挽きより粒感があり グラニュー糖よりやや細かい	水でゆっくり抽出するのに向いている さっぱりとしてなめらかな口当たり	水出しコーヒー
中細挽き	グラニュー糖くらい	最も一般的で、基準となる挽き方 バランスの取れた仕上がり	ペーパードリップ コーヒーメーカー
中挽き	ザラメよりもやや細かい	少し時間をかけて抽出するのに向いている えぐみが出にくい	サイフォン ネルドリップ フレンチプレス
粗挽き	ザラメ程度 粒が大きくゴツゴツした状態	目が粗いフィルターで時間をかけて抽出するのに 向いている	金属フィルター パーコレーター

コーヒーは粉にすると酸化して、味が落ちてしまうので、飲む直前に挽くのが理想的です。

まとめ　品種や産地によるコーヒーの味わいの違いを楽しもう!

コーヒー豆は数百種類ありますが、大きく分けると3つに分類されます。

同じ品種の豆でも、生産地の気候や土壌、栽培方法の違いによってコーヒーの風味は変わります。

そのため、生産地ごとに異なる特徴をもつコーヒーとしてそれぞれが銘柄として流通しています。

コーヒーの生産地はコーヒーベルトに集中しています。

主な3つの生産地のコーヒーの特徴は以下の通りです。

南米（ブラジル・コロンビア・グアテマラなど）	酸味・苦み・コクの調和がとれた味で、初心者にも飲みやすい
アフリカ（エチオピア・タンザニアなど）	フルーティーで爽やかな酸味が強い
アジア（インドネシア・ベトナムなど）	酸味が少なく、苦みとコクの強い重厚感のある味わい

日本でも有名な銘柄について押さえておきましょう。

銘柄	生産地	品種	特徴
ブルーマウンテン	ジャマイカ	ティピカ	酸味・苦み・コクのバランスが取れた高級品
キリマンジャロ	タンザニア	アラビカ種	柑橘系の酸味が強く、スッキリとした後味
モカ	エチオピア・イエメン	アラビカ種	個性的な風味で、華やかな香りが魅力

コーヒーの味は焙煎度や挽き方によっても大きく変わってきます。

焙煎度は8段階、挽き方は5段階に分かれます。

焙煎時間が長くなるほど、酸味が少なくなり苦みやコクが強くなります。

コーヒーの品種や産地による、コーヒーの味わいの違いを知れば、コーヒーを選ぶのも楽しくなっていきますよ。

最後までお読みいただきありがとうございました。