ゲリラ豪雨とは?気象庁の定義と被害状況に加え、前兆と備えまでを優しく解説

読者さま

最近耳にするゲリラ豪雨ってどんな雨なの?

昨今耳にすることの増えたゲリラ豪雨。

特に夏ころなどは起こったというニュースをよく目にしたことでしょう。

筆者

ゲリラ豪雨は突然の大雨のことです!

ゲリラ豪雨は近年、さまざまな被害報告が出ています。

この記事ではゲリラ豪雨について下記のことを紹介します。

  • ゲリラ豪雨のしくみ
  • 気象庁が発表している被害
  • ゲリラ豪雨が降り出す前の前兆
  • 日頃からできる備え

ゲリラ豪雨についての理解を深め、備えられるようにしましょう。

目次

ゲリラ豪雨ってどんな雨?

「ゲリラ豪雨」とは数十分ほどの短い間に、狭い範囲内で激しい雨が降る現象を指します。

突発的に起こるため、事前の予測が難しいとされているのが特徴です。

「ゲリラ豪雨」という言葉は一部報道機関が呼び始めた呼称であり、気象庁では使用していないため、正式な用語ではありません。

気象庁では「局地的大雨」と呼んでいます。

ゲリラ豪雨はどうやって起こるの?

ゲリラ豪雨のメカニズムを簡単にまとめると下記のとおりとなります。

  • 地表付近の地面が暖められる。
  • 暖かい空気が空に持ち上げられることで、上昇気流が発生。
  • 反対に、上層にある冷たい空気は下降しようとする。
  • この2種類の空気が対流を起こす。
  • 対流により積乱雲が発生。
  • 積乱雲が大雨を降らせる。

強い日差しにより、地面が熱されて地表付近の空気温度が上がると、大気の状態が不安定になります。

読者さま

なぜ大気が不安定になるの?

筆者

暖かい空気が昇り、冷たい空気が降りてくると、対流が起こりやすくなるからです。

対流が積乱雲を発生させる要因となります。

筆者

積乱雲とは真上に大きく発達した「入道雲」や「雷雲」のことです。

引用:気象庁「積乱雲って どんな雲?」

積乱雲が局所的に激しい雨を降らせます。

また、夏場でゲリラ豪雨が多いのはなぜなのでしょうか。

夏場にゲリラ豪雨が多いのは、強い太陽の光が地面を熱し、暖かい空気を作り出しやすいからです。

都市部のヒートアイランド現象も「ゲリラ豪雨」を発生させると指摘されています。

ヒートアイランド現象とは、都市部の気温が周囲よりも高くなる現象のことです。

ゲリラ豪雨と集中豪雨の違いは何?

ゲリラ豪雨という言葉のほかに集中豪雨という言葉も聞いたことがあるのではないでしょうか。

読者さま

集中豪雨とゲリラ豪雨って何が違うの?

筆者

積乱雲の発生状況が異なります

積乱雲は大気が不安定な時に発生しますが、ゲリラ豪雨の場合は積乱雲が単独で発生している時に降る局所的な大雨を指します。

それに対し、集中豪雨は前線や低気圧、地形効果などの影響を受け、積乱雲が同じ場所で次々と発生、発達を繰り返します。

単独の発生で終わらない状態になるのです。

積乱雲は30分から1時間ほどでその一生を終えます。

積乱雲が単独でしか生成されていないゲリラ豪雨は、非常に短い時間で終わるのです。

一方、集中豪雨は積乱雲がどんどん誕生。

それらは連なり、台風のニュースなどでも耳にする「線状降水帯」をもたらします。

線状降水帯は一か所にとどまり、長い間雨を降らせ、さまざまな災害を引き起こす要因となるのです。

ゲリラ豪雨ではどんな被害が過去にあったの?

ゲリラ豪雨ではどんな被害が想定されるでしょうか。

積乱雲は性質上、大雨や雷をもたらします。

それらによる被害はさまざまなものが想定されるでしょう。

この章では想定される被害と実際に起こった出来事を紹介します。

ゲリラ豪雨で想定される被害にはどんなものがあるだろう?

ゲリラ豪雨では下記の被害などが想定されます。

  • 地下街などの浸水
  • 低地やアンダーパスなどでの冠水
  • 河川の氾濫・急な増水
  • 土砂崩れ・土石流
  • 落雷・停電
  • 飛来物による被害                 

ゲリラ豪雨を引き起こす積乱雲は、ひょうや竜巻、突風などの現象を引き起こす可能性もあります。

ゲリラ豪雨の恐ろしいところは、これらが突発的に起こるところです。

台風などは予報が比較的しやすい気象現象よりも、備えるのが困難といえるでしょう。

どんな被害が過去にあったの?

気象庁で発表されている局所的大雨(ゲリラ豪雨)被害の一例を見てみましょう。

河川の氾濫

日時被害場所
1999年8月29日御笠川が氾濫、JR博多駅周辺の地下街が浸水、地下1階店舗、逃げ遅れた店員1名が死亡福岡県福岡市
2008年7月28日 浅野川が氾濫、約2000戸が浸水 石川県金沢市
2008年8月29日伊賀川が氾濫、約1300戸が浸水、住家への浸水等で死者2名愛知県岡崎市

河川の急な増水

日時被害場所
1999年8月14日玄倉川が増水、河原にいたキャンパーら13名が流され死亡神奈川県山北町
2008年7月8日吞川の河道内で作業中急な増水により作業員が流され、1名死亡東京都大田区
2008年7月18日多摩川の急な増水により、釣り人が川の中洲に取り残される神奈川県川崎市
2008年7月27日湯檜曽川の急増水で、沢遊び中の観光客が流され、1名死亡群馬県みなかみ町 
2008年7月28日都賀川が増水、河道内で親水施設に居た児童らが流され、5名死亡兵庫県神戸市

下水管の急な増水

日時被害場所
2008年8月5日下水管内の急な増水により、工事中作業員が流され、5名死亡東京都豊島区

道路冠水

日時被害場所
2008年8月16日道路のアンダーパス部の冠水により、自動車が水没、運転手1名が閉じ込められ死亡栃木県鹿沼市

引用:気象庁「局地的大雨から身を守るために」

地下街が浸水したり、車に閉じ込められたりと様々な被害が報告されています。

事件の多くは7月や8月の暖かい時期に起こっており、被害報告からも夏ころにはゲリラ豪雨の注意を怠らないようにしましょう。

気象庁が想定する危険な場所

前章で紹介した被害報告などから、気象庁は危険になりやすい場所を紹介しています。

  • 地下施設(地下街など):河川等から氾濫した水が流入する。
  • 住居(地下室・地下ガレージ):河川や側溝から溢れた水が流入し、場合によっては水没する。
  • 道路(歩行者・自転車):路面が冠水し、道路と側溝の境目がわかり難くなり転倒する。
  • 道路(自動車):冠水部分に乗り入れ、走行不可能となり、場合によっては水没する。
  • 川原・中洲(遊び・魚釣り):急増水で流される、中洲に取り残される。
  • 下水道管、用水路:急増水で流される。
  • 登山:渓流の急増水で流される。

引用:気象庁「局地的大雨から身を守るために」

筆者

離れた場所での雨が影響する場合もあります。

河川の上流でゲリラ豪雨が起こった場合、河川の水位が急激に上昇するなど危険な状態となる可能性があります。

川辺で遊んだり、釣りをする場合はラジオなどで天気の動向を追っておくとよいでしょう。

ゲリラ豪雨の前兆と備えってなんだろう?

ゲリラ豪雨は急に訪れる気象の変化です。

雨が降り出す前のわずかな前兆を知ることと日頃からの備えは大切です。

この章では、ゲリラ豪雨の備えと前兆を紹介します。

ゲリラ豪雨の直前に想定されること

突発的に起こるゲリラ豪雨ですが、雨が降り出す前に予兆を感じることがあります。

感じられる前兆には、下記の事柄が挙げられます。

  • 突然真っ黒な雲が接近する
  • 雷鳴の音が聞こえる
  • 稲光を目撃する       

ゲリラ豪雨は突然やって来る気象現象なので、少しでも上記の変化を確認した場合は迅速に対応しましょう。

特にゲリラ豪雨の多くなる夏ごろは注意が必要です。

また、気象庁の発表も注視しておきましょう。

天気予報などで「大気の状態が不安定」などの表現が聞かれた際は、積乱雲が発生しやすくなっています。

ゲリラ豪雨の可能性も視野に入れておくことが身を守ることに繋がるでしょう。

日頃からできるゲリラ豪雨への備え

ゲリラ豪雨は、予測の難しい気候です。

事前にわかりにくい分、日頃からの準備が重要です。

備えには下記のものが挙げられます。

  • ハザードマップの確認
  • 非常用グッズの確認
  • 側溝・排水口、雨どいの掃除
  • 車内に特殊ハンマーを常備    

ハザードマップの確認は津波などの災害が起こった際にも役に立ちます。

ハザードマップはハザードマップポータルサイトなどから確認しましょう。

非常用グッズも同様に地震などの災害でも必要となってきますので、普段から準備を怠らないようにしておきましょう。

側溝や排水溝などの水回りはごみなどが詰まっていると氾濫の要因となります

日ころから掃除をこまめに行うことが重要です。

道路などの浸水を想定して、車の扉が開かない際に外に出る方法を持っておくことも大切です。

車の窓を破ることのできる車載ハンマーは、通販サイトなどから購入できます。

外出中にゲリラ豪雨に見舞われた際は、暴風を警戒し、周りに飛来物となりそうなものがないか警戒しましょう。

突発的に起こるゲリラ豪雨!メカニズムを知り、身を守ろう

ゲリラ豪雨は近年、よく耳にする気象現象の一種となりました。

ゲリラ豪雨の語源は1969年の新聞見出しとされています。

2000年代に入り、この言葉が広く使われるようになりました。

2008年には、新語・流行語大賞に選ばれています。

気象庁の被害報告などを見ると、流行語大賞に選出された2008年ころに被害が多いことが見られます。

ゲリラ豪雨のメカニズムは簡単に紹介すると、下記のとおりです。

  • 地表付近の地面が暖められる。
  • 上昇気流が発生し、暖かい空気が空に持ち上げられる。
  • 上層に冷たい空気があり、下へ降りようとする。
  • 上へ行く暖かい空気と下へ行く冷たい空気が対流を起こす。
  • 積乱雲が発生。
  • この積乱雲が大雨を降らせる。

想定される被害には下記のものが挙げられます。

  • 地下街などの浸水
  • 低地やアンダーパスなどでの冠水
  • 河川の氾濫・急な増水
  • 土砂崩れ・土石流
  • 落雷・停電
  • 飛来物による被害         

ゲリラ豪雨の備えには以下のものが推奨されます。

  • ハザードマップの確認
  • 非常用グッズの確認
  • 側溝・排水口、雨どいの掃除
  • 車内に特殊ハンマーを常備    

近年の夏は猛暑が続いています。

地面付近で暖かい空気が発生しやすくなっています。

日ごろからゲリラ豪雨に備え、身を守るようにしましょう。

お読みいただき、ありがとうございました。

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