
最近ゲリラ豪雨が増えているのはなぜ?
温暖化との関係はあるのかしら……
近年、予測が難しく突然激しく降り出すゲリラ豪雨が、都市部を中心に増え続けています。
この背景には温暖化の影響が関わっているとされています。
なぜ温暖化がゲリラ豪雨を引き起こすのか、そのメカニズムに迫ります。
この記事を読むと、ゲリラ豪雨が発生するメカニズムや、温暖化との関係がわかります。
「なぜ突然豪雨が起きるのか?」という疑問が解消でき、気象情報・ニュースの理解や、SNS等に惑わされず自分で判断ができるようになります。



ゲリラ豪雨や温暖化との関係を理解することは、自分や家族を守る知恵になります。
ゲリラ豪雨が発生するメカニズム


ゲリラ豪雨が起きる仕組みを簡単に解説
ゲリラ豪雨とは、局地的かつ短時間に激しく降る雨のことです。
発生場所や時間を正確に予測することが難しく、黒い雲が急に広がり、雷を伴って強い雨が降るのが特徴です。
このような雨は夏場の午後から夕方にかけて発生しやすく、局地的に雨量が集中するため、道路の冠水や河川の増水、交通の乱れなどの被害をもたらすことがあります。
- 強い日差しで地表付近の空気の温度が上がり、上昇気流が発生しやすくなる
- 上空に寒気が流れこむ
- 暖かく湿った空気が流れ込む
→これにより積乱雲が急発達し、短時間で豪雨をもたらす


ゲリラ豪雨が増えている原因の一因として、温暖化による気温上昇で大気中の水蒸気量が増加していることが挙げられます。
空気は、気温が高くなるほどより多くの水蒸気を含むことができるという性質があり、気温が1℃上がるごとに保持できる水蒸気量が約7%増えるとされています。



雨は大気中の水蒸気が冷やされて水の粒になり、地上に落ちてくる現象です。
この「水蒸気」がポイントです。
温暖化による海水温上昇が空気中の水分を増やす
温暖化による海水温上昇は、ゲリラ豪雨の発生と深い関係があります。
- 温暖化によって海水温が上がる
- 海からの水蒸気量が増える
- 大気中の湿度が高くなり積乱雲が発達しやすくなる
- 短時間で激しい雨(ゲリラ豪雨)につながる
2024年の能登半島豪雨や、2022年の千葉県や茨城県での記録的な豪雨など、近年日本各地で発生している豪雨は、海水温の上昇が関係している可能性が指摘されています。
これらの豪雨は、気候変動の影響による激甚化する自然災害への対策の必要性を浮き彫りにしました。
地球温暖化との関係と今後の予測


地球温暖化がゲリラ豪雨を増やす原因に?
日本の平均気温は過去100年(約1898~2020年)で、約1.2℃上昇していると気象庁および関連機関が分析しています。
こちらのグラフは、全国51地点を対象に、1地点あたりで大雨(日降水量200ミリ以上)を記録した年間日数の変化を示したものです。


出典:気象庁「日降水量200ミリ以上年間日数の変化」
豪雨の頻度を示している赤線が右肩上がりになっています。
これは、「日降水量200ミリ以上のような大雨の頻度が、長期的に見て増加傾向にある」ことを意味しています。
この傾向は、地球温暖化に伴う気温の上昇と関連していると考えられます。
ゲリラ豪雨は今後も増えると予想されている
気象庁がスーパーコンピューターで実施した、二酸化炭素の排出が高いレベルで続いた場合の今後の予測です。


出典:気象庁「日降水量200ミリ以上の大雨の年間発生回数の変化」
灰色の棒グラフ;現在の平均(1980~1999年)
青色の棒グラフ:将来の予測(2076~2095年)
将来、200ミリ以上のような極端な大雨の発生頻度が今の約2倍~2.6倍に増加する可能性があることを示唆しています。
特に、これまで大雨がなかった地域でも、年に1回程度発生するようになると予測されています。



気温上昇により空気中の水蒸気が増えることが主な原因とされており、気候変動が私たちの生活に直接的な影響を与えることを示しています。
都市部のヒートアイランド現象が拍車をかける
ヒートアイランド現象とは、都市部の気温が周辺よりも高くなる現象のことです。
都市部はアスファルトやコンクリートで覆われているため、太陽光による熱が蓄積されやすく、建物が高層化し密集することで、風通しが悪くなり、熱がこもりやすくなるのです。
地表が加熱されると強い上昇気流が生まれます。
これが湿った空気と合わさって積乱雲を急発達させゲリラ豪雨が引き起こされるのです。
ゲリラ豪雨対策と温暖化に私たちができること


急な豪雨対策には事前の準備が大切
ゲリラ豪雨は予測が難しく、突然発生するため日ごろの備えがカギになります。
- 浸水、冠水
- 交通機関への影響
- 土砂災害、地盤の緩み
- 落雷による停電、ライフラインの障害
- 農作物への被害
前兆を知っておくと、「屋内に避難する」「備える」ことができ、浸水・事故・足止めなどの被害を未然に防ぐことができます。
- 急に空が暗くなる
- 冷たい風が吹く
- 雷の音が遠くで聞こえる
- 外にいる場合は、雷を受けやすい場所は避け建物の中に避難する
- 気象情報のチェック
- ハザードマップを活用し、事前に浸水エリアなどを確認
- 自宅を守るために排水溝や雨どいの掃除をしておく
ハザードマップには、大雨で浸水の恐れがある地域が色付けされて示されています。
ゲリラ豪雨で道路が川のようになったり、低地が浸水した場合に備え安全な避難経路を確認しておきましょう。



自宅・職場・学校・通学路などが危険エリアにあたるかを事前に把握しておくと安心だわ。



ゲリラ豪雨の可能性をピンポイントで知らせてくれたり、雨雲が接近するとリアルタイムで通知してくれるアプリもありますよ。
地球温暖化対策に私たちができること
温暖化が進むと、日本では猛暑・熱中症のリスク増大や、農作物の不作による価格高騰などの影響が予想されます。
ゲリラ豪雨や猛暑といった目に見える異常気象から、食・健康・自然環境にいたるまで、あらゆる面で温暖化の影響が広がっています。



温暖化に私たちができることはあるの?
将来の被害が深刻化する前に、私たちができることについて紹介していきます。
地球温暖化の最大の原因は、人間の活動による温室効果ガス(特に二酸化炭素:CO2)の増加です。
二酸化炭素総排出量の約15%は家庭から排出されており、個人レベルで取り組むことのできるアクションをご紹介します。
- 節電、節ガス・節水
- 公共交通機関を利用する
- ゴミを減らす
- 環境に配慮した製品を選ぶ
- モノを大事に使う(リデュース・リユース・リサイクル)
地球温暖化は大きな問題ですが、「私たちの暮らしの小さな選択」が未来を変える第一歩になります。



小さな行動でも、それが積み重なれば、大きな変化を生み出します。
ゲリラ豪雨と温暖化の関係/その先にある対策【まとめ】
近年、増加傾向にあるゲリラ豪雨。
その背景には、地球温暖化による気温上昇が深く関係しています。
- 温暖化による気温や海水温の上昇と、それに伴う大気中の水蒸気量の増加
- 大気の不安定化による積乱雲の発達
- 都市化によるヒートアイランド現象の影響
ゲリラ豪雨が起きたときは、激しい雨・雷・冠水などが短時間で発生するため、すばやく安全を確保することが大切です。
- 突然豪雨が発生した場合は、近くの建物など安全な場所へ避難する
- 事前に浸水エリアなどを確認しておく
- 急な天気の変化をチェックできるアプリをいれておく
- 自宅を守るため排水設備の点検・掃除
このまま温暖化が進めば、ゲリラ豪雨に限らず、猛暑・台風の大型化・大雪など異常気象がさらに増えると予想されています。
ゲリラ豪雨は温暖化が引き起こす異常気象の一つであり、今後も私たちの生活に深刻な影響を及ぼす可能性が高いでしょう。



ゲリラ豪雨の原因と対策を正しく知り、備えと行動を日常に取り入れていきましょう。
今日からできる対策を一つずつ始めて、安心できる暮らしを整えていきましょう。
日々の暮らしの中でできる小さな備えが大切な家族や自分自身を守る力になります。
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