引っ越しで住所が変更になり、マイナ保険証に登録している住所が新しい住所と違う……そんなときマイナ保険証の手続きは必要かどうか知っていますか?
マイナ保険証自体の手続きは不要ですが、マイナンバーカードの住所変更の手続きが必要になります。
住所変更の手続きを行わないと、マイナ保険証が使用できない、マイナンバーカード自体が失効するなど、多くのリスクが発生してしまいます。
この記事では、マイナ保険証の説明からマイナンバーカードの住所変更の手続き方法、また健康保険の住所変更の手続き方法まで、注意点も含めて詳しく説明しています。
マイナンバーカードの住所変更の手続きは、同一市区町村内での転居か市区町村をまたぐ引っ越しかで手続きの流れが変わります。
健康保険は国民健康保険か、社会保険かで申請先が変わります。
さらに、住所変更をしないことで発生するリスクについても説明しています。
この記事を読むと、マイナンバーカードの住所変更の手続き方法や、住所変更の手続きをしないリスクについて知ることができます。
マイナ保険証の住所変更の手続きでお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
マイナ保険証の住所が違うとどうなる?


引っ越しをして住所が変わりましたが、マイナ保険証で手続きすることはありますか?
引っ越しをすると、マイナ保険証に登録している住所が古い住所になってしまい、新しい住所とは違う住所になります。
マイナ保険証に登録してある住所が現住所と違うと、医療機関で利用はできますが、一時的に全額自己負担になったり、重要な郵便物が届かないなど、リスクが生じてしまいます。
リスクをお伝えする前に、まずはマイナ保険証について説明します。
マイナ保険証とは?
マイナ保険証とは、マイナンバーカードに健康保険証の機能を加えたものです。
医療機関や薬局でマイナンバーカードを提示すると、健康保険証として利用できます。
マイナ保険証は、今までの紙やプラスチックの保険証と違い、カードを再発行せずに利用を継続できます。
また情報提供に同意することで、薬剤情報や特定検診の結果などを医療機関や薬局が確認でき、スムーズな受診や適切な医療を受けやすくなります。
マイナ保険証を利用すると、オンラインで資格確認がされます。
その時に医療機関へ情報提供されるのは、住民票の住所です。
マイナ保険証を医療機関で利用できるか
引っ越しで住所変更があった場合、住所変更の手続きをしていても、医療機関の受診のタイミングによっては古い住所が表示される可能性があります。
その場合でも、利用することには影響はないので、受診することに問題はありません。
ただし、医療機関によっては医療費を一時的に全額自己負担し、あとで払い戻しの対応をする可能性もあります。
住所変更の手続きをしている際、急な受診で資格確認ができない場合は、受付でその旨を伝えましょう。
その際の対応は次のいずれかになります。
- 後日、保険証等の確認書類を提出する猶予をもらう
- 一旦全額自己負担で受診し、後日保険適用分を払い戻してもらう
- 医療機関によっては、資格確認ができなくても10割負担にはしないというルールが示されている場合もある
ここでは全額自己負担の場合について、詳しく説明していきます。
医療費を一時的に全額自己負担する可能性がある
マイナ保険証は、最新の正しい保険情報と紐づいていないと使用できません。
そのため、古い住所のままになっていると、使用できない可能性があります。
保険証に登録されている住所と現住所が異なっていると、窓口で本人確認や現住所の確認を求められることが考えられます。
また、正しい保険情報を確認できないと、一時的に医療費を全額負担し、後日手続きを行って払い戻しを受ける場合もあります。
重要な郵便物が届かない
住所変更をしていないと、保険者からの郵便物が古い住所に届いてしまいます。
重要な書類が入った郵便物が転送不要の場合、郵便が転送されず、古い住所に届き続けることになります。
そうすると、医療費通知や給付金の決定通知など、重要な書類が受け取れなくなってしまいます。
住所変更が必要な理由


厳密に言うと、マイナンバーカードの健康保険証の利用登録(マイナ保険証)をしている場合は、マイナ保険証の住所変更は必要ありません。
ただし、マイナンバーカードの住所変更や保険者や福祉事務所への住所変更は必要となります。
マイナンバーカードの住所変更をすると、自動的にマイナ保険証も変更され、引っ越しした直後でもマイナ保険証がすぐに使用できます。
では、マイナンバーカードの住所変更をしないと、どのようなリスクがあるのでしょうか?
マイナンバーカードの住所変更をしないとどうなる?
マイナンバーカードは公的な個人情報を載せたカードであるため、住民票の住所に変更があった場合は、マイナンバーカードの住所も変更する必要があります。
マイナンバーカードの住所変更をしないでそのまま放置してしまうと、マイナ保険証として利用できない、もしくはマイナ保険証が失効扱いになってしまう可能性があります。
住所が最新ではないと、医療機関での保険資格の確認ができず、医療費を一時的に全額自己負担しなければならない場合も考えられます。
住所変更の手続きは住民基本台帳法で定められている
住民票には、氏名、生年月日、性別、住所、世帯主との続柄などが記録され、国民健康保険、国民年金など各種行政サービスの基礎となっています。
住所変更の手続きは、住民基本台帳法により定められており、法律上の義務となっています。
また、本人確認の資料となるマイナンバーカードには、最新の住所を届け出る必要があります。
マイナンバーカードが失効する
住所変更をしないで長時間放置すると、マイナンバーカード自体が失効します。
転入届提出後、90日以内にマイナンバーカードの継続利用手続きをしないとカードが無効となってしまい、再発行に手数料1000円がかかることがあります。
マイナ保険証を医療機関で使えなくなる
マイナ保険証を利用する場合、医療機関はカードのICチップに登録されている情報とオンライン上の加入者の氏名、生年月日、住所、保険者情報を確認しています。
そのため、住所変更の手続きをしていないと、古い住所がオンライン上の住所情報となり、医療機関の資格確認に支障がでる可能性があります。



引っ越しする際は住民票の変更と一緒に、マイナンバーカードの住所変更も忘れないようにしましょう。
マイナンバーカードの住所変更の手続き方法


引っ越しで住所が変わった場合は、マイナンバーカードの住所変更もする必要があります。
必要な手続きは地方公共団体によって異なりますが、大まかな流れは変わりませんので、ここからは必要な持ち物や手続き方法について説明していきます。
細かい手続き方法を知りたい方は、お住まいの地方公共団体に問い合わせてください。
マイナンバーカードの住所変更する時に必要な持ち物
住所変更の手続きをする時に必要な持ち物は、次のものです。
- マイナンバーカード
- 本人確認書類
- 転出証明書(引っ越しオンラインサービスを利用した場合は不要)
- 印鑑(現在は署名で済む自治体も多い)
- 家族分まとめて手続きをする際は、家族全員分のマイナンバーカード
マイナンバーカードの住所変更の手続き方法
マイナンバーカードの住所変更の手続きは、下の2つで流れが変わります。
- 同一市区町村内での転居
- 市区町村をまたぐ引っ越し
それぞれの流れを説明します。
同一市区町村内の転居の手続き方法
同じ市区町村で引っ越す場合は、古い住所の自治体の窓口に「転居届」を提出します。
その後、マイナンバーカードの住所変更の手続きを行います。
マイナンバーカードの住所変更も自治体の窓口で対応しており、新しい住所がカードの裏面に記載されます。



マイナンバーカードの手続きでは、マイナンバーカードの交付時に設定した4桁の暗証番号が必要になるので、事前に確認しておくと良いです。
市区町村をまたぐ引っ越しの手続き方法
市区町村をまたぐ引っ越しでは、古い住所の自治体の窓口で「転出届」を、新しい住所の自治体の窓口で「転入届」を提出します。
この場合、マイナンバーカードを利用し、「特例転出制度」を使うことができます。(詳しくは次で説明します)
その後、マイナンバーカードの住所変更の手続きを行います。
オンラインで引っ越し申請をする方法
マイナポータルでは「引っ越しオンラインサービス」が利用できます。
マイナンバーカードまたはスマホ用電子証明書を利用し、「転出届」の申請と「転入届(転居届)」の提出のための来庁予定の申請が行えます。
引っ越しの申請をオンラインで行えるので、古い住所の自治体窓口へ行かず、紙の転出証明書がなくても、手続きが行えます。
ただし、古い住所の来庁は不要となりますが、新しい住所への転入届(転居届)は窓口に提出が必要のため、来庁が必要です。
なお、転出日から30日以内かつ転入後14日以内に継続利用手続きを行わないと、マイナンバーカードが失効してしまう可能性があるため、早めに手続きしましょう。



転入先の手続きでも、マイナンバーカードの交付時に設定した4桁の暗証番号が必要になるので、事前に確認しておくと良いです。
マイナンバーカードの暗証番号を忘れてしまった場合



マイナンバーカードの暗証番号を忘れてしまいました



その場合でも、手続き自体は可能です。
マイナンバーカードの住所変更の手続きを行う際、マイナンバーカードの4桁の暗証番号の入力を求められることがあります。
これは、マイナンバーカードを交付した時に設定した番号です。
暗証番号は3回連続で間違えるとロックされます。
暗証番号がロックされたり、忘れてしまった場合でも、手続きができないことはありません。
ただし、その場で再設定の手続きが必要となるため、時間がかかります。
暗証番号を忘れてしまった場合は、その旨を申し出て案内してもらいましょう。
署名用電子証明書の更新も必要
マイナンバーカードには、「利用者証明用電子証明書」と「署名用電子証明書」の2種類が搭載されています。
「利用者証明用電子証明書」はそのまま使用できますが、転出届が受理されると引っ越し日に「署名用電子証明書」は失効します。
今後、e-Taxで電子申請を行う予定のある場合は、自治体の窓口で署名用電子証明書の再発行手続きを行いましょう。
再発行は無料で対応してくれ、手続き時には暗証番号の入力や申請書類の記入が求められます。



こちらでもマイナンバーカードの交付時に設定した4桁の暗証番号が必要になるので、事前の確認が大事ですね。
健康保険の住所変更の手続き方法


マイナンバーカードとは別に、健康保険の住所変更も行う必要があります。
マイナンバーカードを住所変更するとマイナ保険証の住所変更はできますが、健康保険の住所は変わっていない場合があります。
そのため、加入している健康保険の住所変更の手続きも行う必要があります。
加入している保険制度が国民健康保険か社会保険かによって手続き方法が変わります。
国民健康保険の住所変更の手続き方法
国民健康保険に加入している場合は、市区町村の自治体で住所変更の手続きを行います。
マイナ保険証を利用していると、住所変更すると保険情報も自動で更新される仕組みになっていますが、念の為自治体の窓口で確認すると安心です。
社会保険の住所変更の手続き方法
社会保険に加入している場合は、住所変更の手続きは原則、勤務先が行います。
従業員が直接健康保険組合に申請するのではなく、会社内の担当部署が保険者へ住所変更の届け出を代行するのが一般的です。
そのため、住所が変更になった際は、その旨を勤務先に報告しましょう。
ただ、マイナンバーカードと基礎年金番号が正しく紐づいている場合は、住民票の住所を変更すると健康保険の住所も自動で変更されます。
そのため、従業員本人による追加の対応は不要な場合もあります。
任意継続している場合の住所変更の手続き方法
退職後、会社の健康保険を継続している方(任意継続被保険者)の場合は、自分で健康保険組合等に直接住所変更届けを提出します。
その際は、提出書類や本人確認書類(マイナンバーカードのコピーなど)を準備しておきましょう。
マイナンバーカードの住所変更のタイミングと注意点





忙しくてなかなか自治体の窓口に行けないのですが、住所変更はいつでも大丈夫ですか?



住所変更は引っ越ししてから14日以内に行いましょう
住所変更は法律上いつまでに行うかが定められています。
また、住所変更の手続きを行っていても、医療機関が取得した住所が古い住所のままの場合も考えられます。
ここからは住所変更の期限や、古い住所のままだった場合の原因と対処法について説明していきます。
住所変更は14日以内に行う
住所変更の届け出は、14日以内に行うことが法律で定められています。
期限を過ぎてもすぐに罰則が課されるわけではありませんが、正当な理由なく怠ると過料(最大5万円)の対象となるので、注意しましょう。
住所が違う原因、対処法



住所変更の手続きをしたけど、新しい住所に変更されていません……



その場合は、更新処理が完了していないか、資格情報の登録が完了していない可能性があります。
住所変更の手続きをしたにも関わらず、新しい住所に変更されていないときは、次のことが考えられます。
- 旧保険者や旧住所を管轄する福祉事務所において、資格情報の更新が完了していない
- 現在加入中の保険者や現住所を管轄する福祉事務所において、資格情報の登録が完了していない
旧保険者や旧住所を管轄する福祉事務所において、資格情報の更新が完了していない
旧保険者や旧住所を管轄する福祉事務所において、マイナンバーに紐づく資格情報の登録が完了していない可能性があります。
つまり、旧健康保険での喪失処理が完了していないということです。
その場合は、更新が完了するまで待つか、旧保険者や旧住所を管轄する福祉事務所に問い合わせてください。
現在加入中の保険者や現住所を管轄する福祉事務所において、資格情報の登録が完了していない
現在加入している保険者や新しい住所を管轄する福祉事務所において、マイナンバーに紐づく資格情報の登録が完了していない可能性があります。
その場合は、加入している保険者によって、問い合わせ先が変わります。
- 社会保険:加入中の保険者に会社を介して確認する
- 国民健康保険:新しい住所の市区町村に問い合わせる
- 医療扶助の対象:新しい住所を管轄する福祉事務所へ問い合わせる
問い合わせしても保険者や福祉事務所として対応がわからないといった回答の場合は、保険者や福祉事務所からデジタルPMOへ問い合わせしてもらうよう伝えてください。
まとめ:マイナ保険証の住所が違うときは、住所変更の手続きを!
マイナ保険証の住所変更をしないままでいると、多くのリスクが発生します。
マイナ保険証の住所が違うときや引っ越しをした際には、速やかに対応しましょう。
マイナ保険証の住所が違う場合でも、医療機関で利用することは可能ですが、医療費を一時的に全額自己負担する可能性があります。
また、住所が違うと重要な郵便物が届かず、受け取れなくなります。
マイナ保険証の住所が違うときは、マイナ保険証ではなく、マイナンバーカードの住所変更の手続きをする必要があります。
マイナンバーカードの住所変更をしないと、次のリスクが発生します。
- マイナンバーカードが失効する
- マイナ保険証が使用できなくなる
住所変更の手続きは法律上で決まっているので、引っ越し後14日以内に行いましょう。
マイナンバーカードの住所変更をする時、必要な持ち物は次のとおりです。
- マイナンバーカード
- 本人確認書類
- 転出証明書(引っ越しオンラインサービスを利用した場合は不要)
- 印鑑(現在は署名で済む自治体も多い)
- 家族分まとめて手続きをする際は、家族全員分のマイナンバーカード
住所変更は、同一市区町村内での転居か市区町村をまたぐ引っ越しによって、流れが変わります。
同一市区町村内での転居
市区町村をまたぐ引っ越し
市区町村をまたぐ引っ越しの場合は、マイナポータルで「引っ越しオンラインサービス」が利用でき、オンラインで転出の手続きができます。
マイナンバーカードの住所変更では、交付時に設定した4桁の暗証番号が必要になる場合があります。
暗証番号を忘れてしまっても、時間はかかりますが手続きはできますので、自治体の窓口にその旨を伝えてください。
住所変更をすると、マイナンバーカードの署名用電子証明書の更新も必要となりますので、利用する予定のある方は忘れずに行ってください。
住所変更をした際は、マイナンバーカードとは別に、健康保険の住所も変更する必要があります。
住所変更の手続きは、加入している保険制度によって変わります。
- 国民健康保険:市区町村の自治体で行う
- 社会保険:勤務先に住所変更を報告する
- 任意継続:健康保険組合等に直接住所変更届を提出する
住所変更したのにも関わらず、古い住所が表示されてしまう原因として、次のことが考えられます。
- 旧保険者や旧住所を管轄する福祉事務所において、資格情報の更新が完了していない
- 現在加入中の保険者や現住所を管轄する福祉事務所において、資格情報の登録が完了していない
この場合は、更新が完了するまで待つか、旧保険者や旧住所を管轄する福祉事務所に問い合わせてください。
この記事を参考に、マイナンバーカードの住所変更をし、住所変更しないリスクを避けてくださいね。
この記事では、マイナンバーカードの電子証明書について詳しく説明しています。
気になる方は、ぜひ読んでください。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント