クリスマスが近づくと街でよく見かけるポインセチア。
わくわくしながら購入して部屋に飾ったのに、すぐ葉落ちさせてしまいガッカリ……
毎年ポインセチアを購入するものの、枯らしてしまうという人も多いのではないでしょうか。
この記事を読めば葉落ちの原因から対処法、ポインセチアの育て方について知ることができます。
ポインセチアの育て方を知れば、美しい姿を長い間楽しむことができますよ!
ぜひ最後までお読みください。
ポインセチアとは?基本情報と特徴

ポインセチアとはどんな植物なのでしょうか。
毎年見かけるけれど、その生態について知らない方も多いはず。
まずはポインセチアについてご紹介していきますね。
クリスマスを彩る人気の植物
ポインセチアは鮮やかな赤と緑色の葉をもち、クリスマスカラーと相まって冬に人気な植物です。
花が少なく、葉が落ちてしまう木々が多い中、コントラストの強いポインセチアはとても目を引きます。
鮮やかな赤い部分を花と思ってはいませんか?
実は、赤い葉の部分は苞(ほう)といわれる葉が変化したものなのです!
実際の花は葉の中心にある黄色い小さなつぶのような部分ですが、目立たないため赤い苞が花と思われているんですね。
実は多年生!意外と知らない基本知識
冬に見かけることの多いポインセチアは寒い地域の植物と思われがちですが、意外にもメキシコ原産の植物です。
草花ではなく常緑性低木で、メキシコは年間を通して温暖な気候のため、ポインセチアは寒さに弱い性質を持っています。
そのため、寒さの厳しい日本では冬を越せずに枯れてしまい、1年生の草花として扱われることが多いのです。
日本でも沖縄では野外で育っている例もあり、その大きさはなんと3メートルほどになることも。
室内向き?屋外向き?置き場所の基本
寒さに弱いため屋内での管理に向いています。
屋内で育てることにより外気や霜の心配がなく、葉落ちや枯死を防ぎやすいです。
メキシコ原産のポインセチアは日光が大好き!
太陽をたっぷり浴びられる場所に置きましょう。

ポインセチアは傷つくとでる白い樹液に毒性があるので、子どもやペットがいる場合は置き場所に注意が必要です。
葉が落ちる主な原因とは


葉が落ちてしまう主な原因は4つあります。
- 水の過不足
- 低温
- 日照不足
- 環境の変化
管理方法を確認しながら一緒に見ていきましょう!
水やりの頻度・タイミングの失敗
水やりの過不足は葉落ちの原因となります。
ポインセチアは乾燥に強く、過湿を嫌うので乾き気味に管理するのが理想的です。
水やりは必ず土の乾き具合を確認してから行いましょう。
土の表面が乾いていたら株の根元に水を与え、鉢の受け皿の水は捨ててください。
受け皿の水が残っていると、鉢の中が過湿状態となってしまい根腐れの原因になるので、しっかりと捨ててくださいね。
逆に、乾燥しすぎも葉落ちの原因になってしまいます。
土の状態を日ごろから見ておくようにしましょう。
水やりは土の表面が乾いているかを確認し、乾き気味に管理する
温度の変化・寒さによるストレス
温暖な地域の植物であるポインセチアの適正温度は15~25℃です。
10℃を下回ると葉が落ちはじめ、5℃を下回ると枯れてしまうこともあります。
必ず10℃以下にならないよう室温に気をつけてあげましょう。
日中は暖かくても夜間の冷え込みで10℃以下になり、葉が落ちてしまっているのかもしれません。
特に温度変化の激しい窓際は注意が必要です。
夜間に10℃以下にならないよう室温をチェック
日照不足と置き場所のミス
メキシコ原産のポインセチアは、たっぷり日光を浴びないと光合成不足となり葉落ちしてしまいます。
特に冬は日の出ている時間が短く日差しも弱いため、日照不足に注意が必要です。
必ず日当たりのいい場所に置いてあげましょう。
部屋の向きにもよるので置き場所はしっかり調節してあげてくださいね!
室内の日当たりのいい場所に置く
購入直後の環境の変化も影響大
植物は突然の環境変化に弱いので注意が必要です。
ポインセチアは低温に弱いにもかかわらず寒い冬に売られており、購入後に持ち運ぶ際の寒暖差でダメージを受けてしまいやすいです。
持ち帰る際には、新聞紙やビニールで包み寒さから守ってあげると葉落ちを防ぐことができます。
室内の環境や温度変化に慣らすため、12月ではなく11月中旬ごろ早めに購入しておくのもおすすめです。
持ち運ぶ際の寒暖差対策として、新聞紙やビニールで包む
葉が落ちたときの対処法


ポインセチアの葉が落ちてしまったときは、すぐに対処することが大切です。
葉が落ちたときの対処法を知ると、葉落ちを最小限にとどめることができます!
すぐにできる応急処置
まずは、傷んだり落ちてしまった葉を取り除きましょう。
落ちている葉をそのままにすると、水分の蒸発を妨げ過湿や病気の原因になってしまいます。
一度傷んだ葉は元には戻りません。
黄色や茶色に変色してしまった葉は切り取り、株の負担を減らしてあげます。



軽い変色や痛みなら無理に取り除かず、自然に落ちるのを待っても大丈夫です。
葉が落ちたときに確認するのは次の3点です。
- 室温が10℃を下回っていないか
- 土が湿っているか
- 日照不足になっていないか
ポインセチアは10℃以下になると落葉しはじめてしまうので置き場所の温度を確認してください。
冷たい風が吹き込んでいたり、夜間の思わぬ冷え込みが原因になっている可能性があります。
屋外の冷気が伝わり、寒暖差の激しい窓際は特に注意が必要です。
10℃を下回らない場所に移動させるか、夜間はダンボールやビニールをかぶせるなど防寒対策をしてあげましょう。
次に、土を触って湿っているか確認します。
土が湿っていた場合、日照不足の可能性が高いので日当たりのいい場所に移動させてください。
日の光の入りやすい窓辺がおすすめです。
根腐れを防ぐため土がしっかり乾燥するまで水やりは控えます。
もし、土を触って乾いていた場合には、水不足の可能性が考えられるので水やりをしてあげましょう。
枝が生きていれば再生可能
葉落ちの対処をしたけれど、葉が全部落ちてしまうこともあります。
ですが、冬の間に葉を全部落としてしまっても、枝や根が元気なら春に新芽をだして復活する可能性があるんです。
ポインセチアは驚くべき再生力を持っていて、葉はなくとも春の芽吹きに向けてエネルギーをためているのかもしれません。
春になれば再び元気な姿を見せてくれるはずです!



葉が全部落ちてしまっても安心してくださいね!
剪定と管理で回復をサポート
ポインセチアの剪定タイミングは、春に強剪定と初夏に弱剪定の年に2回あります。
春になって芽吹く頃に強剪定をして、株をリフレッシュしてあげましょう。
強剪定は株の1/2~1/3程度まで切り戻します。
節の1~2cm上を切ってあげるのがコツです。
強剪定した株は水の吸い上げが少なくなるので、土は乾燥気味に管理しましょう。
芽が動き出したら土の乾き具合をみて、しっかり水をあげてください。
初夏になると春に伸びた枝が込み合ってくるので、もう一度剪定を行います。
冬に色づいた時の形を決める重要な作業です。
伸びすぎた枝を切り戻し、株全体のバランスを整えてあげます。
気温が高すぎる夏本番は剪定に向かないので、それまでに行うようにしてください。
あきらめる前に!再生の可能性チェック
葉が全部落ちてしまった姿を見ると、本当に枯れていないのか心配になりますよね。
「もう枯れてしまったんだ」とあきらめてしまう前に、再生可能かチェックしてみましょう。
枯れているか見分けるには、枝と根の状態をチェックして判断します。
枝を軽く削る→緑色や白っぽい部分がある
枝を少し折る→枝の中心に水分が含まれている
根の色→白くしっかりした根がある
上記の項目に当てはまれば再生可能です。
逆に、枝を削ったり折っても中が茶色くカラカラだったり、根が黒く柔らかければ枯れてしまっている可能性が高いです。
正しい育て方と冬越しのポイント


冬場の管理が難しく、枯れて終わりだと思われがちなポインセチア。
正しい育て方を知れば冬越しも怖くありません。
ここからは、正しい育て方と冬越しのポイントについてお伝えします。
季節ごとの管理方法
春になるとポインセチアの生育期が始まり、芽が伸び始めます。
強剪定と植え替えは春のこのタイミングで行います。
- 強剪定
- 植え替え
- 追肥
剪定をしないと枝が伸び放題になり、下葉がなく葉が上のほうにしかないスカスカの状態になってしまいます。
鉢の底から根がみえていたり、鉢が小さそうな場合はひとまわり大きい鉢に植え替えてあげましょう。
剪定や植え替え後は、2週間ほど株を休めてから肥料をはじめてください。
2週間に1度液肥を与えると芽の育成を助け、元気な新芽が目を楽しませてくれます。



強剪定でこんなに小さくして大丈夫なのか心配になりますよね。
今後の剪定にもよりますが、新芽が伸びて冬のシーズンまでに30~50cmくらい成長してくれます。
夏はポインセチアの成長が激しくなる時期です。
しっかり追肥をして、青々と茂ったポインセチアに育ててあげてください。
- 弱剪定
- 追肥
- 水やり
春の強剪定後に伸びた芽がぐんぐん成長しているこの時、弱剪定をします。
弱剪定をすると脇芽が増え、株にこんもりとボリュームが出て、シーズンに色づくととても綺麗です。
液肥を2週間に1度あたえ、旺盛な成長をサポートしてあげてください。
成長が著しい夏は、吸収する水の量が増えるので特に水切れに注意します。
土の表面が乾いていれば1日に2回水やりをしても大丈夫です。
秋は葉を色づかせるために短日処理を行います。
- 短日処理
- 追肥
- 水やり
短日処理は1~2か月程度、12時間~14時間光を完全に遮断する作業です。
自然界では冬の日照時間で反応しますが、12月に色づかせるためには、人工的に暗闇を作ってあげる必要があります。
具体的には夕方5時~朝7時など、12時間~14時間ダンボールや黒いビニールをかぶせ暗闇にしてください。
肥料は控えめに、液肥は3~4週間に1回にします。
これは肥料の与えすぎで苞が色づきにくくなるのを防ぐためです。
短日処理で株を覆っている時間が長くなるので、水やりは少し控えめにして鉢内が蒸れないよう気をつけましょう。



短日処理は毎日続けるのが重要です。短日処理を忘れてしまったり、光を入れてしまった場合、色づきが遅くなったり色づかない場合もあります。
冬はポインセチアの休眠期です。
休眠期にはほとんど成長しないので追肥は不要です。
水の吸い上げも穏やかになるので水やりは控えめに、乾燥気味に管理するのがおすすめです。
- 温度管理
- 日照時間の確保
- 水やり
冬のポインセチアの管理のカギは温度と日当たりです。
寒さに弱いポインセチアは10℃を下回らないように気をつけ、十分に日の当たる場所に置いてください。
見頃を迎えたポインセチアの葉を保つために、防寒対策はしっかりとしましょう。
水やりは土の表面が乾いてから株の根元に水をかけます。
全体にかかるように水やりをしてしまうと、葉や苞の表面に水滴が残りシミができてしまいます。
冬の室内管理で気を付けること
ポインセチアが乾燥に強いといっても、暖房の風を直接あててはいけません。
葉が乾燥してしまい葉落ちの原因となってしまいます。
葉の乾燥を防ぐには、室内の湿度を50%に加湿器で維持してあげるのがいいでしょう。
加湿器の近くに置くと葉に水滴がついた状態が続き、シミの原因となってしまうので離れた場所に置きます。



室内の温度や湿度が均一になるよう、サーキュレーターで空気の流れをつくるのもおすすめです。
翌年も楽しむためのコツ
翌年もポインセチアの花を楽しむには、年間通したお手入れが欠かせません。
年間のポイントをまとめたのでぜひ参考にしてみてください。
春 (3月~5月) | 強剪定・植え替え | 株の1/2~1/3程度切り戻し、必要なら植え替え | ||
---|---|---|---|---|
追肥 | 芽が動き出すまで控え、液肥を2週間に1回 | |||
水やり | 強剪定後は控える 芽が動きだしてからは土の表面が乾いたらたっぷり与える | |||
夏 (6月~8月) | 弱剪定 | 伸びすぎた枝を切り戻し、全体のバランスを整える | ||
追肥 | 液肥を2週間に1回 | |||
水やり | 水切れに注意し、土の表面が乾いたらたっぷり与える | |||
秋 (9月~11月) | 短日処理 | 1~2か月連続して12~14時間完全に光を遮断する | ||
追肥 | 液肥を3~4週間に1回 | |||
水やり | 短日処理中は覆いで蒸れることがあるので水やりは控えめに | |||
冬 (12月~2月) | 温度管理 | 10℃以下にならないようにする | ||
追肥 | 肥料は不要 | |||
水やり | 土の表面が乾いてから。乾き気味に管理 |
よくある疑問Q&A


ポインセチアを育てていると出やすい疑問にお答えします!
葉が落ちても捨てなくて大丈夫?
焦らず枝や根の状態を確認しましょう。
葉が落ちてしまったからと捨ててしまうにはまだ早いです。
葉が落ち一見枯れたように見えても、枝や根が生きていれば春に芽吹き再生できます。
冬場の水やりの頻度は?
土の表面が乾いてから水やりをします。
頻度の目安はおおよそ1週間に1回程度です。
暖房など室内の状況によるので、必ず土の状態を確認してください。
再び赤く色づかせるには?
短日処理をして赤く色づかせます。
短日処理とは、植物が日照時間の長短で季節を感じ取る性質を利用する技術です。
ポインセチアは日が短くなると、それまで緑色だった苞が徐々に赤く変化していきます。
ポインセチアの育て方を知って長く楽しもう
この記事では、ポインセチアの葉が落ちる原因と対処法、育て方についてご紹介しました。
ポインセチアの葉が落ちる主な原因は水の過不足・低温・日照不足・環境の変化の4つです。
葉落ちを最小限に食い止めるにはすぐに対処が必要です。
- 変色したり傷んだ葉は元に戻らないので、落ちてしまった葉と一緒に取り除く
- 水やりは土の表面が乾いてから
- 夜間でも10℃以下にならない場所に置き、必要ならダンボール等をかぶせて保温する
- しっかり光合成できるよう日当たりのいい場所へ移動させる
- 購入後の持ち運びは、株を新聞紙などでくるみ温度変化を防ぐ
お手入れの方法とタイミングを知れば、枯らすことなく、毎年美しい姿でクリスマスシーズンを彩ることができます。
- 春
- 強剪定:株の1/2~1/3を切り戻す(節の1~2cm上でカット)
- 植え替え:根が詰まっていたら一回り大きい鉢へ
- 追肥:剪定・植え替え後2週間休ませてから液肥を2週間に1回
- 水やり:剪定後は控え、芽が成長をはじめたら土の表面を確認したっぷり
- 夏
- 弱剪定:込み合った枝や伸びすぎた枝を切ってバランスを整える
- 追肥:液肥を2週間に1回(真夏は控えめ)
- 水やり:土の表面が乾いたらたっぷり。真夏は朝夕の涼しい時間に、場合によっては1日2回
- 秋
- 短日処理:1~2か月間、毎日12~14時間完全に暗闇にする(夕方~翌朝)
- 追肥:液肥は3~4週間に1回に減らす
- 水やり:短日処理の覆いで蒸れないよう控えめに。土の乾きを必ず確認
- 冬
- 温度管理:10℃以下にしない(窓際の冷え込みに注意)
- 日照確保:できるだけ日当たりの良い場所へ
- 水やり:土の表面が乾いてから。週1回程度が目安(乾かし気味に)
- 加湿:湿度50%前後を保つ
買って終わりだったポインセチアから、育てて楽しむポインセチアへ。
一年お世話したポインセチアがきれいに色づくと、より一層クリスマスが輝いてみえることでしょう。
赤いイメージが強いポインセチアですが、現在は品種改良が進み、多彩な色が登場しているのをご存じですか?
色ごとに違う花言葉を知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。


最後までお読みいただきありがとうございました。
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