フードロスを減らす取り組み|未来のために!今日から私たちが始められること

食べられるのに捨てられてしまう食品のことを「フードロス」と言います。

「食品ロス」といわれることもありますね。

世界的に大きな社会問題となっています。

飲食店での食べ残しやスーパーマーケットでの売れ残りのイメージが強いかもしれませんが、実はフードロスの半分は家庭から出ています。

フードロスの削減はスーパーなど企業だけの取り組みでは解決できず、私たち個人一人ひとりが取り組んでいくべき問題なのです。

そこで、本記事では、家庭でできるフードロスを減らす取り組みについて、解説します。

私たち個人ができることはとても小さな行動かもしれません。

しかし、あなたのその一歩が、フードロス問題の大きな改善につながっていきます。

少しの工夫でできる取り組みばかりなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

日本のフードロスの現状と課題

私たちにできる取り組みを考える前に、日本のフードロスの現状を見ていきましょう。

日本の年間フードロス量は約522万トン!

現在、日本ではどれくらいの量の食品が廃棄されているのか、ご存じでしょうか。

日本のフードロス量は、年間約522万トンに達します。

大きな数字すぎて、ピンとこないかもしれませんね。

国民一人あたりに換算すると、「お茶碗約1杯分(約113g)の食べもの」が毎日捨てられていることになるのです。

平成27年度の646万トンを最高値に、それ以降は減少しているものの、決して少ない量ではありません。

出典:「日本の食品ロスの状況(令和2年度)」(農林水産省)

参照:消費者庁「食品ロスについて知る・学ぶ」

フードロスの原因

フードロスがどこから発生しているのかを考えてみましょう。

フードロスは以下の2つに分けることができます。

  • 事業系フードロス:食品関連企業や外食産業など事業活動の中で発生するフードロス
  • 家庭系フードロス:各家庭から発生するフードロス

それぞれの原因を詳しく解説します。

事業系フードロス

事業系フードロスの総量は275万トン、全体の約53%を占めます。

事業系フードロスの原因は業種別に異なり、主な原因は規格外品、返品、売れ残り、食べ残しなどです。

  • 食品製造業:欠品を防ぐための過剰生産、期限を超えた食品などの返品、規格外品など
  • 食品小売業:売れ残り、流通過程での商品の汚損・破損など
  • 外食産業:客の食べ残し、過剰な仕込みや使われずに残った食材の廃棄など

家庭系フードロス

家庭で起こるフードロスの総量は247万トン、全体の約47%を占めます。

主な原因は、直接廃棄、食べ残し、過剰除去の3つです。

  • 直接廃棄:食品の買い過ぎなどで、買ったのに食べずに廃棄してしまうこと
  • 食べ残し:調理したものの作り過ぎなどで、食べ残してしまうこと
  • 過剰除去:野菜の皮を取るときなど、食べられる部分も余分に取り除いてしまうこと

なぜフードロス削減が必要なのか

フードロスの問題点は、「もったいない」というだけではありません。

環境汚染にも直結しています。

廃棄されたフードロスは可燃ごみとして処分されます。

食品は水分を多く含むので焼却のときに膨大なエネルギーを要し、温室効果ガスの排出につながっているのです。

また、日本の食料自給率は約38%で、多くの食料を海外からの輸入に頼っています。

海外からたくさん輸入している一方で、多くの食料を食べずに捨てている現状があるのです。

さらに、日本では子どもの貧困率が約13.5%、約7人に1人の子どもが貧困状態にあるといわれています。

食料を必要としている人達にフードロスを有効に活用できないか、私たちは考えなければいけません。

参照:農林水産省「その1:食料自給率って何?日本はどのくらい?」
   厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」

家庭でできるフードロスを減らす取り組み

では、実際フードロス削減のために、私たち個人はどのように取り組めばいいのでしょうか。

フードロスを減らすためには、家庭でフードロスが出ないように工夫することが大切ですね。

さらに、食材を買うお店、外食先でもフードロスを意識することで、大きな削減につながります。

以下の3つのシチュエーション別に、私たちができることを見ていきましょう。

  • 買い物をするとき
  • 調理をするとき
  • 外食をするとき

買い物のときにできる取り組み

  • 買い物に行く前に食材の在庫をチェックする
  • 食べきれる量だけを購入する
  • すぐ食べる商品はスーパーの陳列棚の手前から取る

買い物に行く前に食材の在庫をチェックする

買い物に行く前には、冷蔵庫やパントリー内の食材を確認しましょう。

まだ残っている食材を重複して買ってしまうことを防げます。

また、日頃から冷蔵庫内を整理整頓しておくといいですよ。

7割収納を心がけると、冷蔵庫内の食材をしっかりと把握できますし、電気代の節約にもつながりますね。

食べきれる量だけを購入する

スーパーで特売品があるとついつい買いだめしてしまって、使いきれずに廃棄してしまった経験はありませんか?

家庭系フードロスの中でも、賞味期限切れなどにより食材や食品をそのまま捨ててしまう「直接廃棄」はとても多いです。

京都市の調査では、1世帯が1年間に廃棄する「食べ残し」と「手つかず食品」の費用は約56,000円にもなるという報告があります。

まとめ買いをするときも、食べきれる量だけを買いましょう。

参照:消費者庁「第1部 第2章 第2節(4)食品ロスの現状と削減に向けた取組」
   京都市「京都市食品ロスゼロプロジェクト」

スーパーの陳列棚では手前から取る

スーパーの陳列棚は、手前から奥に向かって賞味期限・消費期限が長いものを置いています。

すぐに食べる商品は陳列棚の手前から取ることで、スーパーでの売れ残りを減らすことに貢献します。

スーパーやコンビニなどでは、以下のようなポスターで啓発もしていますよ。

調理するときにできる取り組み

  • 消費期限が近い食材から使う
  • 野菜などの過剰除去に気をつける
  • 食べきれる量だけを作る
  • 適切な保存方法で長持ちさせる

消費期限・賞味期限が近い食材から使う

調理をするときは、まず冷蔵庫やパントリー内に残っている食品・食材の期限を確認してみましょう。

期限が近い食材を使うことで、フードロスが少なくなります。

野菜などの過剰除去に気をつける

野菜や果物の過剰除去は、私たちが無意識で行っていることが多いです。

ブロッコリーの茎やキャベツの芯をあたり前のように捨ててしまっていませんか?

野菜をむだなく食べる切り方を知っておけば、家庭からのフードロスを減らせます。

引用:YouTube

食べきれる量だけを調理する

家族の予定や体調も考えて、食べきれる量を作りましょう。

普段から家族とのコミュニケーション、協力が必要不可欠ですね。

適切な保存方法で長持ちさせる

作った料理がどうしても余ってしまうときもあります。

その場合は、冷蔵庫や冷凍庫で適切に保存して次回の食事に回しましょう。

適切に保存すれば日持ちするので、食べきることができます。

また、食材を下処理して保存することもフードロスを減らすことにつながります。

冷凍保存できる野菜もありますし、お肉は下味をつけて冷凍しておけば忙しい日の料理の時短になりますよ。

引用:YouTube
フードドライブ活動

家庭で消費しきれない食品を寄付することもできます。

フードドライブと呼ばれる活動です。

贈答品や買いすぎなどで余っている未開封の食品をフードバンク団体に寄付することで、子ども食堂や食の支援を必要としている人達に届けられます。

フードロスを減らす取り組みとして、公共施設やショッピングモール、地域のイベントなどで開催されていますよ。

あなたの住んでいる自治体や身近なスーパーでもフードドライブが行われているかもしれません。

ぜひホームページなどをチェックしてみてくださいね。

外食のときにできる取り組み

  • 食べきれる量だけを注文する
  • 残してしまうときは、お店と相談して「持ち帰り」を検討する

食べきれる量だけを注文する

もっとも大切なことは、おいしく食べきれる量だけを注文することです。

あらかじめ白ご飯は少なめで注文したり、ハーフサイズや小盛のメニューを活用したりするのもおすすめです。

また、宴会時はとくに食べ残しが多いので注意しましょう。

3010(さんまるいちまる)運動

3010運動は、宴会時の食べ残しを減らすためのキャンペーンで、

<乾杯後30分間>は席を立たずに料理を楽しみましょう、

<お開き10分前>になったら、自分の席に戻って、再度料理を楽しみましょう、

と呼びかけて、食品ロスを削減するものです。

引用:環境省

宴会のときは、3010運動を積極的に取り入れていきましょう。

お店と相談して「持ち帰り」を検討する

どうしても食べきれないときは、お店の人に相談をして自己責任のもと持ち帰ることを検討しましょう。

ただし、季節や家に帰るまでの予定などを考えて、食中毒を防ぐ注意が必要です。

世界を見ると、食べ残しを持ち帰る文化は多くの国で浸透しています。

「ドギーバッグ」と呼ばれる取り組みです。

日本でもドギーバッグは少しずつ増えていて、環境省では「mottECO(モッテコ)」という食べ残しの持ち帰りを推進する取り組みを行っています。

外食のお店を考えるときに、「mottECO」のステッカーがあるお店を積極的に選ぶことも、フードロス削減につながりますね。

まとめ|フードロスを減らすために、わたし達にできることを始めよう

この記事では、日本のフードロスの現状と個人でできる取り組みについてお伝えしました。

フードロスは、ただ「もったいない」というだけではなく、環境汚染や貧困の問題にもつながっています。

日本の年間のフードロス量は約522万トンで、その約半分は家庭から発生しています。

そのため、フードロスを減らすためには、私たち一人ひとりが意識して取り組んでいく必要があるのです。

家庭でできるフードロスを減らす取り組み

【買い物をするとき】

・買い物に行く前に食材の在庫をチェックする

・食べきれる量だけを購入する

・すぐ食べる商品は陳列棚の手前からとる

【調理をするとき】

・消費期限が近い食材から使う

・野菜などの過剰除去に気をつける

・食べきれる量だけを作る

・適切な保存方法で長持ちさせる

【外食をするとき】

・食べきれる量だけを注文する

・残してしまうときは、お店と相談して「持ち帰り」を検討する

私たちの生活の中で、フードロス削減のためにできることはたくさんあります。

あなたができそうだなと感じた取り組みを、ぜひ日常生活で意識してみてくださいね。

未来のために、私たちができることを始めていきましょう。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

家族と過ごすおうち時間が何よりも大好き。
ふたりの女の子のママです。

「自分の知らなかった世界をのぞけること」にWebライターの魅力を感じています。

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