黒大豆(くろだいず)は、栄養たっぷりで風味もよく、おせち料理や煮豆などに大人気の豆です。
そんな黒大豆は、しっかりコツをつかめば、家庭菜園でもおいしい黒大豆を育てることができます。
そのために必要なのが「摘心(てきしん)」と「断根(だんこん)」です。
このふたつは、黒大豆を元気に育てるためのとても大切な作業です。
この記事では、初心者の方にもわかりやすく、黒大豆の摘心と断根のやり方、栽培の流れやコツをやさしく紹介します。
プランターでも地植えでもOKです!家庭菜園でおいしい黒大豆づくりを楽しみましょう!
黒大豆を家庭菜園で育ててみよう!

おせち料理の定番といえば、「黒豆の蜜煮」ですよね!
おせち料理の黒豆には、「まめに働き、まめに暮らし、元気に過ごせますように」という誓いや家族の健康を願う意味があるといわれています。
そんな黒大豆ってじつはすごいんです!
まずは、「黒大豆」について詳しく解説します。
栄養たっぷりで人気の黒大豆
「黒豆」と呼ばれることが多いですが、「黒大豆」が正式名称です。
黒大豆は、見た目がつややかな黒色をした大豆の仲間です。
この黒色はポリフェノールの一種であるアントシアニンによるものです。
ブルーベリーにも含まれる天然色素で、抗酸化作用が高い成分として知られています。
たんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルもたっぷりで、鉄分はほうれん草の約2倍含まれているんです!
美容や健康にうれしい食材として注目されていますよ。
黒豆には、さまざまな品種があります。代表的な品種と特徴を下にまとめました。
- 丹波黒
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兵庫県、京都府、岡山県などで栽培される大粒の品種で、さやが緑色の若いときに収穫される枝豆もおいしくて人気があります。
- 光黒(ひかりぐろ)
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北海道を中心に栽培され、表面に光沢があるのが特徴で、煮豆や豆腐、菓子材料として用いられています。
- 雁喰(がんくい)
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東北地方などで栽培される平たい形状の品種で、黒平豆と呼ばれることもあります。
とても甘くて、深みがある味が特徴で、年越しや正月などの祝い事の際に煮豆などに使用されています。
- 玉大黒(たまだいこく)
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長野県、北関東、北陸地方で栽培されています。
粒形は球状で、極大粒に分類されており、上品な甘さから煮豆に最適な品種の一つです。
普通の大豆との違い
私たちに身近な大豆(黄大豆)と黒大豆はどんな違いがあるのでしょうか?
さまざまな違いについてまとめました。
| 黄大豆 | 黒大豆 | |
|---|---|---|
| 特徴 | 種皮がクリーム色の、最も一般的な大豆 | 種皮が黒い |
| 味・風味 | 淡白でさっぱり | 独特のコクがあり、甘味が強い |
| 栄養 | イソフラボン、タンパク質が豊富 | アントシアニンによる抗酸化作用 ビタミンKは黄大豆の約2倍 |
黄大豆と黒大豆のおもな加工品はこちらです。

黄大豆は、流通量も多く、さまざまなものに加工されて、幅広く利用されています。
黒大豆は、色と風味を活かした加工や調理に利用されています。
家庭菜園でも育てやすい理由
黒大豆は、実は初心者にも育てやすい豆のひとつです。
ポイントを押さえれば、家庭の畑やプランターでも元気に育てることができます。
根がしっかりしていて乾燥に強い植物なので、多少の暑さや雨にも負けず、日当たりと水はけのよい場所なら元気に育ちます。
病害虫にも比較的強く、農薬をほとんど使わずに育てられるのも安心ポイント!
摘心や断根といった作業も、慣れれば難しくありません。
豆類は生育の様子がわかりやすく、「芽が出た!」「花が咲いた!」「豆がふくらんだ!」といった成長の変化を楽しめます。
黒大豆の栽培スケジュールと準備

それでは、栽培のために予定と準備していきましょう!
初心者の方は、栽培しやすく、枝豆としても楽しめる「早生黒大豆」などの比較的栽培しやすい品種から始めるのがおすすめです。
種まきから収穫までの流れ
- 日当たりと風通しが良く、水はけの良い場所を選びます。
- プランターで育てる場合は、深さ30cm以上の大型プランターがおすすめです。
- 土をよく耕し、たい肥や苦土石灰を混ぜてふかふかの土をつくりましょう。
- うねは高さ10〜15cm程度、幅50〜60cm程度が目安です。
- うねに深さ2〜3cmの穴を30cm間隔で開け、1ヶ所に3〜4粒ずつ種をまきます。
- 鳥害を防ぐため、すぐにネットなどを被せて保護します。
- 発芽するまでは土が乾燥しないように水やりをしましょう。
- 3号ポット(直径9cm)に3粒ずつ種をまき、本葉が2〜3枚になるまで育苗します。
- 苗の根を1/3ほど切り、断根しましょう。株間30cmほどで畑やプランターに植えます。
- 発芽後、本葉が1〜2枚になったら、元気な株を1本だけ残して間引きます。
- 苗の本葉が5〜6枚になったら、生長点の先端をハサミで切り取り、摘心しましょう。これにより側枝が増え、収穫量がアップします。
- 1回目の追肥は、間引き後に行います。
- 追肥のたびに株元に土を寄せ(土寄せ)、株を安定させ、根張りを良くします。
- 病害虫対策をしましょう。アブラムシ、カメムシ、ハダニなどの害虫に注意し、見つけ次第駆除しましょう。
- 花が咲き、その後サヤができ始めます。この時期に極端に乾燥させると生育不良になることがあるため、必要に応じて水やりを行います。
- 2回目の追肥は、開花期に行いましょう。
- 枝豆の場合 サヤが膨らんで豆が十分に詰まったら、まだ緑色のうちに収穫します。株ごと引き抜くか、必要なサヤだけを収穫しましょう。
- 乾燥黒大豆の場合 葉が黄色く枯れ、サヤが茶色く乾燥したら収穫適期です。株ごと引き抜き、風通しの良い場所で逆さに吊るしてさらに1〜2週間天日干ししましょう。
筆者黒大豆は時間をかけてじっくり育てる植物です。成長の変化を楽しみましょう!
必要な道具と土づくり
道具をそろえ、土を整えることで、発芽や根の張りがぐんと良くなります。
しっかり準備をして、元気な黒大豆を育てましょう!
- ポットまたは深さ30cm以上のプランター
- 野菜用培養土
- 肥料
- スコップ・ジョウロ・ハサミ
土づくりのポイント
黒大豆は、水はけがよく肥えた土を好みます。
酸性の土が苦手なので、植え付けの2週間前には苦土石灰(くどせっかい)を混ぜて中和しておきましょう。
そのあと、たい肥や腐葉土を加えてふかふかの土にします。これにより、根がしっかり張り、風や病気に強い株になります。
プランターで栽培する場合は、野菜用培養土をそのまま使うことができます。
できれば、軽石や赤玉土(小粒)を底に2〜3cmほど敷くと排水が良くなるのでおすすめです。
水をやったとき、底から軽く流れ出るくらいが理想の水はけです。
また、黒大豆を栽培をする際は、前の年に豆類を育てた場所は避けましょう。
土の中の養分が減ったり、病原となる菌が増えたりして連作障害が起こる可能性があるので、同じ土での栽培は2〜3年あけるのが理想です。
植える時期の目安
黒大豆は、暖かい気候を好む植物です。
寒さに弱いので、気温が安定してから種まきを行いましょう。
地域別での植え付け時期は以下の通りです。
| 地域 | 種まき | ポット苗植え替え | 収穫 |
|---|---|---|---|
| 北海道・東北 | 5月下旬〜6月上旬 | 6月中旬ごろ | 10月下旬〜11月 |
| 関東・中部 | 5月中旬〜下旬 | 6月上旬〜中旬 | 10月中旬〜下旬 |
| 近畿・中国・四国 | 5月上旬〜中旬 | 5月下旬〜6月上旬 | 10月上旬〜中旬 |
| 九州 | 4月下旬〜5月上旬 | 5月中旬ごろ | 9月下旬〜10月 |
発芽適温は20〜25℃前後。気温が低いと発芽率が下がるため、早まきは避けましょう。
ポット育苗なら、室内や温かい場所で種をまき、本葉2〜3枚で植え替えると根張りが良くなります。
断根・摘心とは?やる理由とタイミング


黒大豆を大きく育てるには、根と枝のバランスを整えることが大切です。
そのために「断根」と「摘心」を行います。
断根や摘心をする理由と行うタイミングと方法について詳しく解説します。
断根とは?根を切って丈夫に育てる理由



なぜ、せっかく伸びた根を切るの?
黒大豆の根はまっすぐ下に伸びる「直根型」といわれる根の張り方をします。
そのままにしておくと、根が下にばかり伸びてしまい、横の根(細根)があまり発達しません。
しかし、あらかじめポット育苗中に主根の先端を切り取る断根をすることで、横に広がる細根の発達を促し、移植後の根張りを良くすることができます。
- 根が横に広がり、根張りが良くなる
- 土の栄養分や水分を効率良く吸収できる
- 苗がしっかりして倒れにくい
摘心とは?枝を増やして実を多くするコツ
摘心は、茎の先端を切って枝を増やす作業です。
植物の茎の先端は、上に伸びようとする働きがあり、摘心をすることでこの働きを止め、代わりに葉の付け根から出る側枝の生長を促します。
- 側枝が増えると、花が咲く場所やサヤがつく場所が増える
- 株全体がバランスの良い形になり、株が倒れるのを防ぐ
- 日当たり・風通しが良くなり、虫よけにも効果的
- 結果的に収穫量が増える



断根と摘心のひと手間で、こんなにメリットがあるんですね。
断根・摘心のタイミングと方法
苗の生長を整えて、丈夫に育てるためには、摘心・断根それぞれのタイミングを逃さず行うことが、豊作への近道になります。
断根・摘心の方法、適した時期と注意点を理解しておきましょう。
- 時期
-
断根は、定植(植え替え)の直前に行うのが基本です。根がポットの底から出始めた頃がタイミングです。
- やり方
-
ポットの底から出ている根や、ポットを外した時に見える主根の先端を1〜2cmほどをハサミで切り落とします。
- 注意点
-
- 主根の先端を少し切る程度にしましょう。根を切りすぎると苗が弱ってしまいます。
- 土壌の水分が乾燥している時には避け、断根後は根が乾かないように、すぐに植え付けましょう。
- 作業は涼しい時間帯(朝や夕方)に行うと苗への負担が少なくなります。
- 時期
-
摘心は、本葉が5〜6枚ほど出た頃(植え付けから約2〜3週間後)が目安です。
- やり方
-
伸びている主茎の先端の芽(生長点)を、ハサミや指で切り取るか、摘み取ります。
- 注意点
-
- 早すぎると株が弱り、遅すぎると枝が増えにくくなります。
- 摘心後は日当たりと風通しを確保し、病気を防ぎましょう。
- 必ず本葉を数枚残した状態で行いましょう。
これらの作業は、黒大豆の健康な成長と収穫量アップに繋がりますが、適切な時期と方法を守ることが重要です。
植え付けから収穫までの育て方


黒大豆は、植え付けから収穫まで約4〜5か月かけてじっくり育てる作物です。
それぞれの時期に合った管理を行うことで、実がたっぷりついた、枝豆としても黒豆としても楽しめる健康な株に育ちます。
定植のしかた(株間・深さの目安)
ポットで育てた苗を畑やプランターに植える作業を「定植」といいます。
このときの間隔や深さが、生長や収穫量に大きく関わるポイントです。
元気な株に育てるための手順を見ていきましょう。
苗の本葉が2〜3枚になり、しっかり根が張ってきた頃が植え付けの合図です。
気温20℃前後の暖かく、風が弱い日が良いでしょう。
ポットの底から出ている根の先端だけを少し切り落としてから植えると、新しい根の発生が促されます。
黒大豆は成長すると横に大きく広がるため、十分なスペースが必要です。
間隔を詰めすぎると風通しが悪くなり、病気が出やすくなります。
また、植える深さも大切です。深く植えすぎると、根腐れの原因となり、浅すぎると根が安定せず、倒れやすくなってしまいます。
苗と苗の間の距離は 30cm〜50cm程度、植える深さは、ポットの土の表面が地面と同じ高さになるくらいが理想です。
ポットから苗を取り出す際は、根鉢(根と土が絡まった塊)を崩さないようにやさしく扱いましょう。
断根後の水やりと管理方法
断根は、苗に少しストレスを与える作業です。根を切ったあとは、水分管理と環境づくりがとても大切になります。
根がすぐに回復し、しっかりとした株に育つよう、ポイントを押さえておきましょう。
水やりのポイント
断根直後は、たっぷりの水を与えることが基本です。
根を切ったばかりの苗は水を吸う力が弱いため、乾燥すると根づきが悪くなります。
- 植え付け直後に、株元にゆっくりと水をたっぷり与えましょう。
- 3〜4日は、朝か夕方に土の表面が乾いたら水やりをします。
- 1週間ほどして新芽が動き出したら、水やりの頻度を徐々に減らしていきます。
水を与えすぎて常に湿った状態が続くと、根腐れの原因になります。土の状態をよく見て、水やりをしましょう。
管理方法のポイント
作業後の株の様子をよく観察し、黄色くなったりしおれたりしていないか注意します。
断根後の数日は、苗が弱っているため直射日光や強風を避けることが大切です。
- 植え付け後3日ほどは半日陰で管理し、強い日差しは避けましょう。
- 新しい根が伸びるまで土をふかふかに保ちます。
- 雨が多い時期は水はけをよくするために、うねを高めに整えておくと良いでしょう。
肥料のタイミング
黒大豆は、肥料の与え方で実の付き方が大きく変わる作物です。
肥料をやりすぎると葉ばかり茂って実が減ってしまうこともあるんです。
肥料を与えるタイミングと目的について知っておきましょう。 。
| タイミング | 目的 |
|---|---|
| 植え付け1〜2週間前 | あらかじめ土に肥料を混ぜ、初期段階の成長を促します。 |
| 摘心後 | 枝の成長を助けます。 |
| 開花前 | 花と実の準備をサポートします。 |
| さや膨らみ期 | 実の充実を促します。 |
黒大豆の実が膨らみ始めたら、もう肥料は必要ありません。
この時期に追肥すると、逆に熟すのが遅れたり、実が柔らかくなることがあるので、肥料は早めに終えるのがコツです。
カメムシの対策
黒大豆を育てるうえで、最も注意したいのがカメムシによる被害です。
せっかく育ったさやに針を刺して汁を吸うため、豆が変色したり、しわしわになることがあります。
家庭菜園では、薬剤に頼らずできる対策を組み合わせるのがポイントです。
- ・雑草をこまめに除く
-
- カメムシは雑草の中に潜むため、うねのまわりを常にきれいに保ちます。
- ・防虫ネットをかける
-
- カメムシが飛来する開花期前までに、畑全体やうねを防虫ネットで覆いましょう。
- 目の細かいネット(1mm以下)を使うと、小さなカメムシも防げます。
- 風通しを確保するため、ネットは株に直接触れないよう支柱を使いましょう。
- ・見つけたら捕獲
-
- 朝の涼しい時間帯に葉やさやをチェック。動きが鈍く、つかまえやすい時間です。
株間を広めにとり、風通しを良くするのも害虫対策になります。
また、肥料を与えすぎは、アブラムシが集まりやすくなる原因です。
黒大豆をカメムシの被害から守り、収穫まで大切に育てましょう。
黒大豆の収穫時期と見分け方


ぷっくりと膨らんださやを見ると、「もう収穫してもいいのかな?」とワクワクしてきますよね。
黒大豆の収穫は、タイミングがとても重要です。
早すぎるとおいしくないし、遅すぎると豆が硬くなってしまうので、タイミングを見極めて、おいしい黒大豆を収穫しましょう。
葉が黄色くなったら収穫のサイン
黒大豆は、葉が黄色くなり、さやが茶色く乾いてきた頃が収穫の合図です。
黒大豆は、収穫時期によって2つの楽しみ方があります。
| 枝豆 | 完熟豆 | |
|---|---|---|
| 収穫目安 | 開花から約40〜50日後 | 枝豆収穫からさらに40〜50日後 |
| 見た目 | 葉が黄色く変化 | 葉がほとんど落ち、さやが茶色 さやがカラカラに乾き、音がするくらい |
収穫のタイミングを見極めることで、豆の色つやや風味がぐんと良くなります。
- 晴れた日に、根を残さず引き抜き、さやが乾きやすいように株を逆さに吊るします。場所がない場合は、ブルーシートや新聞紙の上に広げて乾燥させます。
- 日陰で風通しのよい場所(軒下など)で1〜2週間ほど乾燥させましょう。
- さやが完全に乾き、指で軽く押すとパリッと割れるくらいになったら豆を取り出します。
- 豆を取り出した後は、さらに数日陰干ししてから保存します。
収穫後の乾燥と保存のコツ
黒大豆は、収穫後の乾燥と保存方法によって、風味や見た目が大きく変わります。
乾燥と保存のコツを知っておけば、いつでもおいしい黒大豆が食べられますよ!
乾燥のポイント
- 株ごと抜いて乾燥させる
-
収穫した黒大豆は、晴れた日に根ごと引き抜き、風通しの良い日陰に吊るします。
直射日光に当てると豆の表面が割れやすくなるので、軒下やベランダの陰が最適です。 - 乾燥期間の目安
-
約1〜2週間ほど、さやがカラカラに乾くまで乾燥させます。
乾燥が進むと、さやを振るとカラカラと音がするようになります。
- 豆の取り出し
-
さやが完全に乾いたら、手で軽く押して豆を取り出します。
このとき、割れや変色のある豆は除くと保存性がアップします。
乾燥が不十分だと、カビが生えたり、長期保存できなかったりするので、ここは焦らずじっくりと乾かしてください。
保存のポイント
- 乾燥後
-
豆の水分が完全に抜けたら、密閉容器や保存袋に入れて保存します。
湿気を避け、冷暗所(常温15〜20℃以下)に置きましょう。
- 長期保存する場合
-
湿気や虫を防ぐために、冷蔵庫または冷凍庫での保存がおすすめです。
冷凍しても品質や風味はほとんど変わりません。使うときは、調理の数時間前に常温に戻してから利用します。
- 保存期間の目安
-
- 常温保存:3〜6か月
- 冷蔵保存:6か月〜1年
- 冷凍保存:1年以上でも風味をキープ



豆を少量ずつ小分けにしておくと、使う分だけ取り出せて便利ですよ!
まとめ|摘心と断根でおいしい黒大豆を育てよう!


この記事では、黒大豆を家庭菜園で育てるコツについて解説してきました。
黒大豆はポリフェノール(アントシアニン)が豊富で、抗酸化作用が高く、「美容や健康によい食材」として注目されています。
たんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルもたっぷりでいろいろな料理に使える万能食材です。
黒大豆づくりは少し手間がかかりますが、摘心と断根を上手に行うだけで、実の入りがぐんと良くなります。
断根をすることで、根が横に広がって根張りが良くなり、土中の水分・養分をしっかり吸収し、強風や乾燥にも負けない丈夫な株に育つようになります。
- 断根は、定植(植え替え)の直前に行うのがポイント。
- ポットの底に根が回っていたら、根の先を1〜2cmほど切るだけでOK。
- 断根後は根が乾かないように、すぐに植え付けましょう。
摘心をすることで、枝数が増えて花とさやの数が増え、株全体の形が整い、日当たり・風通しが良くなり、病気に強く、たくさんの実が収穫できるようになります。
- 摘心は、本葉が5〜6枚ほど出た頃が目安です。
- 茎の先端を軽くカットすることで、脇芽が伸びて枝数が増えます。
- 摘心後は日当たりと風通しを確保し、病気を防ぎましょう。
断根で根の広がりを良くし、摘心で枝数を増やすことで「下は根張りよく、上は枝豊かに」という理想的な黒大豆ができ、豊作のカギとなります。
苗の間隔は、詰めすぎると風通しが悪くなり、病気が出やすくなってしまうので、苗と苗の間の距離は 30cm〜50cm程度が理想です。
深さは、深く植えすぎると、根腐れの原因となり、浅すぎると根が安定せず、倒れやすくなってしまうので、ポットの土の表面が地面と同じ高さになるくらいにしましょう。
せっかく実がついても、害虫被害にあってしまわないように対策が必要になります。
とくに、カメムシは、せっかく育ったさやに針を刺して汁を吸うため注意しましょう。
| カメムシ対策方法 | 効果のポイント |
|---|---|
| 防虫ネット | 最も効果的な方法 早めに設置を |
| 雑草の除去 | カメムシのすみかを減らす |
| 捕殺 | 見つけ次第すぐ処理 |
葉が黄色くなり、さやが茶色く乾いてきたら収穫のサインです。
- 収穫は、晴れた日に株ごと抜きます。
- 日陰で風通しの良い場所で1〜2週間ほど乾燥させましょう。
- さやが完全に乾き、指で軽く押すとパリッと割れるくらいになったら、さやから取り出し、さらに数日陰干ししてから保存します。
- 完全に乾かした豆は、密閉容器に入れて冷暗所で保存しましょう。
湿気を避ければ、半年〜1年ほど品質を保てます。
黒大豆の栽培は、「芽が出た!」「花が咲いた!」「豆がふくらんだ!」といった成長の変化を楽しむことができます。
自分の手で育てた黒大豆を、秋に収穫して食卓にのせる喜びは格別です!
ぜひ、自分の手で「ふっくらおいしい黒大豆づくり」に挑戦してみてください。
おせち料理の由来などに興味のある方は、こちらの記事はいかがでしょうか?


最後までお読みいただき、ありがとうございました。








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