「旧正月」や「お祝いに爆竹を鳴らす」という風習を耳にしたことはありませんか?
中国では「爆竹」を鳴らし、華やかに「旧正月」を祝います!
毎年1月~2月に「旧正月」という言葉を聞くことがあるのではないでしょうか。
中国では祝祭日を旧暦で祝い、爆竹や花火の打ち上げや、街中を赤色で装飾をします。
爆竹や花火の打ち上げを行い、悪霊および疫病を追い払う意味を持ち街中で打ち上げられます。
近年爆竹や花火の環境問題やケガ人が多くでることから、規模を縮小する所も少なくはありません。
本記事では、中国での旧正月や爆竹を鳴らす意味と危険性を解説しています。
中国での祝祭日は旧暦に基づいています!
正月と言えば1月1日から3日までの三が日をイメージしますよね。
中国での正月は旧暦(太陰暦)をもちいているので、日本の1月1日からの三が日とは異なります。
中華圏では旧正月のことを「春節」といいます。
中国では1912年より新暦(グレゴリオ暦)を使用していますが、祝祭日などは旧暦をもちいます。
月の満ち欠けを基準とした旧暦の太陰暦を使用しているため、毎年異なります。
新暦にあてはめると、2024年は2月10日、2025年は1月29日となります。
現在世界で使われている暦
現在ほとんどの世界で使われている暦がグレゴリオ暦です。
ローマ教皇グレゴリウス13世が以前より使っていた暦の改良を命じ、1582年より使用されています。
ユリウス暦とは4年ごとにうるう年がある暦法の元となった暦で、ローマ帝国の将軍で有名なユリウス・カエサルが2000年前に作らせた暦です。
現在使われている1年=365日というグレゴリオ暦と比較すると、1年の長さが平均して11分長くなってしまいます。
1年で11分のずれはわずかな差ですが1000年以上使用されており、無視できる差ではなくなったため改暦がされました。
グレゴリオ暦への移行は国々で異なり、日本では明治6年(1873年)より使用しています。
中国の祝祭日に使われている暦
中国では祝祭日に旧暦をもちいており、中国暦ともいわれています。
中国での旧暦とは太陰太陽暦をさします。では太陰太陽暦とはどういった暦なのでしょうか。
「新月を朔・満月を望」とし月の満ち欠けで月日を数え、太陽の昇り沈みをもって季節を調節していく暦法をさします。
太陰太陽暦での1年は29.5×12=354日と太陽暦の365日より11日ほど短くなりその差は3年でほぼ1ヶ月分となるためその1ヶ月をうるう月とし、ずれを補正するのが太陰太陽暦です。
この暦を使用しているため、毎年旧正月などの祝祭日の日付が異なっているのです。
中国の正月の迎え方
旧正月の大移動、人民大移動で多くの人が移動したそうです
日本でもこのような言葉をニュースで聞いたことはありませんか?
中国でも正月は大切な家族と過ごすため、実家に帰省する人が多く見られます。
コロナなど流行病によりいったんは減ったものの、自粛明けは約90億人が移動したとされます。
これによっての大渋滞もこの時期の風物詩となっているようです。
中国では大晦日から家族と豪華な夕食をとります。
団らん飯といい、領土が広いため食習慣が異なりますが普段食べないような豪華な料理や縁起の良いよい物を食べます。
正月には吉祥祈願のために餃子、収穫を願うための年年有魚(丸ごと蒸された魚)、長寿を願うための長麺などが欠かせない料理となっています。
正月の風習
日本の正月ではしめ縄や鏡餅などを飾り付けますが、中国の正月はとても華やかな飾りつけとなります。
旧正月のメインカラーは「赤」です。これには、厄払いや厄除けの意味をもっているため街中が赤で染まります。
赤い提灯を道路へかかげ、家の入口には「春聯(しゅんれん)」という縁起の良い対になる言葉を赤い紙へ毛筆で書かれたものを飾り付けます。
また中国では古くから竹を焚火に入れ爆発させ大きな音を出し、悪霊や疫病を追い払う風習があります。
火薬が発明されてからは火薬を使用した爆竹を鳴らし、邪気を払うだけではなく神を迎えるために使用されることも多くなり旧正月をはじめ祝祭日や結婚、誕生日に鳴らすこともあります。
旧正月と爆竹の関係性
中国では古くから竹を焚火に入れ爆発させ大きな音を出し、悪霊および疫病を追い払う風習があります。
近代では火薬が発明され、邪気を払うだけではなく神を迎えるために使用されることも多くなり
春節をはじめ祝祭日や結婚、誕生日に鳴らすこともあります。
中国の爆竹
日本で一般的に使用される爆竹は、主に鳥獣が畑に現れた際や登山時に使用することが実用例となります。
子供の頃遊んだことがある人もいるのではないでしょうか。
中国ではお祝いごとで爆竹や花火を使用します。そのなかでも、旧正月には盛大に爆竹や打ち上げ花火を行います。
コロナ渦で禁じられていた影響もあり、規模が大きくなっています。
大気汚染や火災の原因となることから1993年より大都市中心部での爆竹使用が規制されコロナ渦の影響もあり、全面的に禁止となりました。
しかし、中国全土から不満が爆発し「伝統がなくなってしまう!」という声が多くあがるようになり、中国の国会にあたる全人代が国民の不満解消を理由に爆竹・花火の禁止が緩和となりました。
中国らしい正月が戻ってきた!と喜ぶ人が多かったそうです。
また旧正月で使用される爆竹の量は富を誇示する手段とされ、農村では購入するために数ヶ月分の収入を使用するといわれています。
ケガ人や火災がおきやすい
旧正月では爆竹だけではなく、花火の打ち上げも行われています。
打ち上げ花火の多くは個人で行い、近年の流行は機関銃型やバズーカ式で年々派手になってきているようです。
中には違法に改良されたものもありその威力も大きく、多くのケガ人や火災がおきています。
爆竹や花火が禁止されていた時期もありますが、毎年平均的に100人以上の負傷者がでており、過去には死亡例もあります。
点火の際に不発に思いのぞき込み遅れて爆発した火花による、顔面負傷が多く見られ中には失明する方もいたそうです。
また、大通りのすぐ横やマンション前などで打ち上げ花火や爆竹をおこない、マンションへ直撃や爆竹が車の下に入り火災がおきています。
環境問題が発生
爆竹や花火は火事やケガだけではなく、煙が原因の大気汚染がおきています。
数ヶ所であれば影響がないものも、中国全土でおこなわれれば影響も絶大です。
爆竹や花火がおこなわれる旧正月の大晦日や、元旦の次の日には西日本に大気汚染物質が流れPM2.5の濃度が上がったとされます。
中国も対策なしというわけではなく、2017年より禁止区域や販売の中止や規制が厳しくなりました。
しかし、この厳しい政策は国民の不満につながり2023年には緩和され、それまでの旧正月が戻ってきました。
それに比例するように、再び旧正月の大気汚染につながり「非常に悪い」レベルまで戻ってしまいました。
大気汚染対策として、LEDライトと電子音で爆竹を再現した「電子爆竹」という商品が発売され話題となりました。
PM2.5とは2.5マイクロメートル以下の粒子のことで、髪の毛の太さが70マイクロメートルに対しての大きさなので非常に小さいことが分かります。
吸い込むと肺の奥深くまで入りやすく、肺や呼吸系、循環器系への影響があるとされます。
人工のものでは工場、自動車などの排ガスなどの揮発性のガスが発生源です。
日本で味わえる春節
日本でも春節を味わうことができます。
横浜中華街では、1986年より春節のお祭りを開催し、2022年よりは「横浜春節祭」として中華街と地域
が一体となったお祭りが開催されています。
春節のメインカラーである赤色の提灯で街中が飾りつけられ、さながら中国へ行ったような気分になれます。
伝統芸能の獅子舞や、中国の古典演劇である京劇も楽しむことができます。
中国の旧正月と爆竹!実は危険なこともいっぱい? まとめ
この記事では、日本の正月にあたる春節について、その際に鳴らす爆竹の危険性についてご紹介しました。
- 中国の正月は旧正月という。また中国では春節という
- 中国の旧正月は旧暦を使用するため、毎年旧正月の日付が異なる
- 旧正月では日本と風習が異なり、イメージカラーである赤で街を飾り付ける
- お祝いごとで爆竹や花火を打ち上げる
- 爆竹や花火の音は悪霊や疫病を追い払う意味をもと、近年では神を迎えるためにも使用する
- 爆竹や花火が原因のケガがおきており、過去には死亡例もあり、火災の原因ともなっている
- 爆竹や花火の煙が原因で環境汚染が発生している
- 日本でも中国の旧正月を楽しむことができる!
どの国でも正月は華やかで賑わいのあるものです。
特に中国の旧正月は赤を基調としているため、尚更街全体が華やかになります。
爆竹や花火の打ち上げも古くからの風習が護られており、とても大事な儀式です。
しかし、節度を守らないとケガや火災へつながり、国全体で爆竹や花火の打ち上げをおこなえば大気汚染ともなります。
程度を考えおこなうことも大切なのかも知れません。
日本に住んでいると一生関わらない異文化かと思われますが、中華街でも旧正月を祝います。
ぜひ一度は訪れてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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