春になるとスーパーで目にすることが多い皮つきたけのこ。
たけのこの水煮は1年中販売されていますが、皮付きの生のたけのこは3~4月くらいにしか目にすることはできません。
皮付きたけのこは食感もよく風味も豊かなので、春は食べたくなる野菜の1つですよね。
でも面倒なのは、たけのこの下処理……。
時間をかけてあく抜きをしたはずなのに、えぐみが残ってしまったことはありませんか。
えぐみのあるたけのこを食べてしまったんだけど、これって体に悪いの?
このえぐみの成分はシュウ酸とホモゲンチジン酸というもので、実は体に悪い成分が含まれています。
またアレルギー反応を引き起こすこともあり、食べ過ぎには注意が必要です。
この記事を読むと、たけのこのえぐみの体への影響やえぐみの簡単な取り方が分かります。
また生のたけのこを使ったおすすめレシピもご紹介します。
たけのこを食べてあなたも春を満喫してみませんか。
たけのこのえぐみの成分って体に悪いもの?
たけのこのえぐみは、たけのこが生えている時はほとんど発生していません。
たけのこは掘りたてであれば、えぐみを感じられず生でも食べられるくらいです。
しかし時間が経過するごとに、えぐみは増えていき1日で2~3倍にもなります。
たけのこのえぐみの成分は次の2つです。
- シュウ酸
- ホモゲンチジン酸
この2つの成分が体にどのように影響するのでしょうか。
順に見ていきましょう。
えぐみ成分・・シュウ酸
シュウ酸とは、主に尿路結石のもとになる成分です。
尿路結石とは腎臓の中に石ができ、その石が尿路に移った時に鋭い痛みを伴うものです。
腎臓にあるうちは痛みはありませんが、そこから尿路などに移動することで耐え難い痛みになります。
泌尿器科の外来では1番頻度が高い疾患です。
結石になりやすい人の特徴として痛風持ちや高尿酸血症であることがあげられ、シュウ酸を多く含むものを食べる時には注意が必要です。
生ではなく熱を通したり、カルシウムやクエン酸を同時に摂ったりしましょう。
- ほうれん草、たけのこは茹でてあく抜きをする。
- カルシウムやクエン酸を同時に摂取してシュウ酸の吸収を抑える。
えぐみ成分・・ホモゲンチジン酸
ホモゲンチジン酸とは、たけのこに含まれるチロシンという物質が酸化してできたものです。
チロシンは伝達物質の原料となるもので、そこからドパーミンなどが作られストレス緩和やうつ病の改善につながります。
ホモゲンチジン酸はアミノ酸なので毒性はありません。
あく抜きしている時や、その後のたけのこについている白い物質がホモゲンチジン酸です。
あく抜き後、たけのこについている場合は水で洗い流しましょう。
苦みがなくなります。
アレルギーやヒスタミンによるもの
えぐみ成分とは別ですが、たけのこにアレルギーを持っている人は注意が必要です。
アレルギーを起こすと喉に違和感を感じたり、痒みや蕁麻疹が出たりします。
またヒスタミンという物質がたけのこには含まれており、痒みなどのアレルギーに似た症状を引き起こすこともあります。
たけのこを食べた時に感じる喉のイガイガがアレルギーによるものか、単なるえぐみによるものか見極めが重要です。
体調の悪い時はアレルギー反応も起こりやすいです。
たけのこのえぐみの取り方
生のたけのこは、えぐみを取るためにあく抜きを行います。
ここでは米ぬかと唐辛子を使う方法と大根おろしを使う方法の2タイプをご紹介します。
- 米ぬかと唐辛子で茹でる。
- 大根おろしを使って茹でる。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、保存方法とともに説明していきます。
米ぬかと唐辛子であく抜きをする
米ぬかと唐辛子でのあく抜きは、以前から行われてきた一般的なものです。
米ぬかはあく抜きだけではなく、甘みや風味をたけのこに与えてくれます。
米ぬかがない場合は最初の米のとぎ汁で代用できます。
~たけのこのあく抜きの材料~
たけのこ・・2~3本
米ぬか・・1カップほど
唐辛子・・1本
米ぬかと唐辛子でのあく抜きは、沸騰して米ぬかがコンロにあふれると後片付けが大変面倒です。
ちょっと目を離した瞬間にふきこぼれます・・
沸騰する少し前から確認しながら行いましょう。
時間の余裕がある時に一気にやってしまうのがおすすめです。
たけのこは1本が大きいのでそれなりの大きさの鍋が必要になります。
保存方法
あく抜き後は、米ぬかや唐辛子の入った状態のゆで汁で保存しましょう。
皮をむいた状態でも大丈夫です。
タッパーに入れて冷蔵庫で5~6日は余裕で保存できます。
大根おろしであく抜きする
大根おろしでのあく抜きは、米ぬかと唐辛子のあく抜きに比べて時短と手間いらずの点から注目を集めている方法です。
大根おろしが、えぐみ成分であるホモゲンチジン酸を減少させます。
好みの大きさにして漬け置きするので大きな鍋は必要なく、火を通さないので米ぬかでのあく抜きよりも食感が自由に設定できます。
~たけのこのあく抜きの材料~
たけのこ・・1本
大根おろし(皮付き)・・1/3~1/2本
水・・大根おろしと同量
塩・・大根おろし+水の1%
この方法は米ぬかの旨みがないせいか、少々のえぐみを感じる場合もあます。
えぐみが残ったり、大根おろしの臭いがついてしまったりした場合は下茹でするのがおすすめです。
保存方法
水分をよくきった状態にして保存容器で保存します。
下茹でした場合は、よく冷ましましょう。
冷蔵庫で3日間ほどもちます。
たけのこのおすすめレシピ
たけのこは時間とともにえぐみが増していきます。
できるだけ早くあく抜きして調理してしまいましょう。
ここでは生のたけのこが手に入る春に必ず作りたくなるレシピをご紹介します。
タケノコのやみつきメンマ
たけのこを山ほど戴いちゃった。大量消費できるレシピないかしら?
レシピの材料はたけのこの水煮になっていますが、私は大量の生たけのこで作ります。味見の段階でもう止まりません!鷹の爪を入れて作るのもおすすめです。
引用:cookpad
たけのことバターのごはん
たけのこご飯っていつもワンパターン……。ひと味違うレシピはないかしら?
たけのこのが手に入ると作らずにはいられないレシピです。
生のたけのこの香りがバターと魚醬にベストマッチです。
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たけのこのえぐみの成分とは?それって体に悪いもの?まとめ
たけのこのえぐみの成分にはシュウ酸とホモゲンチジン酸の2つがあり、体に悪い成分が入っているのはシュウ酸です。
- シュウ酸・・結石のもとになる成
分。
生ではなく熱を
通して食べる。
カルシウムやクエン酸
を同時に摂れば予防でき
る。
- ホモゲンチジン酸・・体に害はない。
たけのこのえぐみを取る方法は2つあり、それぞれにメリットデメリットがあります。
あく抜き法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
米ぬかと 唐辛子で あく抜き | ・米ぬかの甘みと旨みが感じられる | ・鍋の火加減に注意が必要 ・時間がかかる |
大根おろしで あく抜き | ・時短で手間がかからない ・大きい鍋がいらない | ・大根おろしを作るのが面倒 ・えぐみが残る場合がある |
皮付きの生のたけのこは春を感じられる食材です。
下処理のあく抜きが少しでも楽になったら、たけのこ料理のハードルも低くなることでしょう。
たけのこ料理であなたも春を楽しんでみませんか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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