ポット洗浄は重曹とクエン酸どっちを使う?ポットの種類別に正しいお手入れ方法を解説

毎日使うポットには、気が付くと内側に白い汚れが付いていたりします。

特に子どもがいる家庭では、できるだけ安全な方法で、手早くきれいにしたいと感じる方も多いはずです。

安心・安全な洗浄剤といえば、どちらも食品として用いられている、重曹やクエン酸が有名です。

しかし、電気ケトルや電気ポットの洗浄は、重曹だけでは十分ではありません。

水垢・におい・茶渋など汚れの種類によって、重曹とクエン酸のどちらが向いているかは異なります。

また、電気ケトル・電気ポット・保温ポットでは内部構造が違うため、誤った洗浄方法は汚れが落ちにくいだけでなく、家電を傷めてしまうこともあります。

この記事では、ポット洗浄には重曹とクエン酸のどちらを使うべきかを、ポットの種類別にわかりやすく解説します。

正しい方法を知ることで、簡単に無理なく掃除ができ、家族が安心して使える清潔なポットを保てるでしょう。

ポット洗浄には重曹とクエン酸どっちを使うべき？汚れの種類を知ろう

ポット洗浄というと「とりあえず重曹」というイメージを持つ人も多いかもしれません。

しかし実際には、汚れの種類によって向いている洗浄剤は違います。

まずは重曹とクエン酸、それぞれが得意な汚れを整理しましょう。

酸性の汚れなら重曹

重曹は弱アルカリ性のため、ポットの次のような酸性の汚れに向いています。

長期間放置した濃い茶渋は、重曹だけでは落ちにくい場合があります。

アルカリ性の汚れならクエン酸

ポットの内側によく付く白いザラザラ汚れは、水道水に含まれるミネラルが固まった水垢です。

水垢はアルカリ性なので、酸性のクエン酸が効果的です。

クエン酸は、ポットの次のような汚れに向いています。

ポットの水垢を放置するとどうなる？

白い水垢がポットについていると、見た目があまりよくありませんよね。

しかも、水垢を放置すると、次のようなトラブルに繋がります。

水垢は軽いうちに落とすことで、洗浄の手間を大きく減らせます。

多くのメーカーは、クエン酸によるポット内部の洗浄を1〜3か月に1回行うことを推奨しています。

硬水地域やミネラルウォーター使用時は、水垢がつきやすいので、1か月に1回の洗浄が目安です。

次のようなサインが見られたら、早めに洗浄しましょう。

特に、底やヒーター部分に白い結晶が見え始めたら、汚れが固着し始めているサインです。

ポットの種類によっても使える洗浄剤は異なる

同じポットでも、種類によって内部構造が異なるので、適した洗浄剤も異なります。

ポットのタイプを間違えると、洗浄剤選びも間違えやすいため、自分のポットのタイプを確認しておきましょう。

電気ケトル（ティファール・HAGOOGIなど）

電気ケトルは、沸かす機能に特化したシンプルな構造です。

内部の汚れは水垢が中心なので、基本はクエン酸洗浄が適しています。

重曹は溶け残りやすく、センサー・ヒーター部に残留すると誤作動リスクがあります。

研磨作用による微細な傷がつくこともあるので、避けたほうが安心です。

電気ポット（象印・タイガーなど）

電気ポットは、湯沸かしと保温の両方に対応しているため、内部にセンサーやヒーターが組み込まれています。

内部の汚れは水垢が中心なので、多くの機種でクエン酸洗浄が推奨されています。

電気ケトル同様に、重曹を使うと、故障や傷のリスクがあるため注意しましょう。

保温ポット（まほうびん）

保温ポットは電気を使わない構造で、内側の素材によって洗浄方法が変わります。

内側がガラス製かステンレス製かを見分けることが大切です。

ポット洗浄の早見表

ポットの種類	基本の洗浄剤	理由・ポイント
電気ケトル	クエン酸	内部の汚れは水垢が中心。重曹は溶け残りやすく、センサー部への影響が心配
電気ポット	クエン酸	保温機能・センサーがあるため、メーカーもクエン酸洗浄を推奨することが多い
保温ポット（ガラス製）	重曹	においや軽い茶渋に向いている。つけ置き洗いが基本
保温ポット（ステンレス製）	汚れで使い分け	水垢はクエン酸、におい・茶渋は重曹が効果的

「電気を使うポット＝クエン酸」「電気を使わない保温ポット＝素材で判断」と覚えておくと安心です。

電気ケトル内側の正しい洗浄方法

ここからは、実際の洗浄手順を見ていきましょう。

電気ケトルの洗浄にはクエン酸を使います。

クエン酸がない場合は酢で代用できます。

寿司酢など調味料が入っているものではなく、穀物酢を使ってください。

におい残りを防ぐため、必ずしっかりすすぐようにしましょう。

電気ケトルは構造が比較的シンプルですが、内部にはセンサーやコーティングがある機種も多いため、洗浄時は次の点に注意しましょう。

取扱説明書に洗浄方法の記載がある場合は、そちらも確認しましょう。

電気ポット内側の正しい洗浄方法

電気ポットの洗浄にもクエン酸を使います。

湯沸かしだけの電気ケトルと比べると、湯沸かしと保温機能の両方がある分、電気ポットは構造が複雑です。

内部のすすぎ残しを防ぐため、洗浄後に再沸騰させる工程が必要です。

電気ポットを洗浄する際の注意点は下記です。

安全のため、取扱説明書に洗浄方法の記載がある場合は必ず確認しましょう。

保温ポットの内側洗浄は素材で重曹とクエン酸を使い分ける

保温ポットは構造がシンプルな分、洗浄剤の選択肢が広いのが特徴です。

内側の素材によって適した洗浄剤が違うので、自分のポットはどちらの素材か見分けましょう。

内側素材の見分け方

ポットの内側を覗いて、どのように見えるかを確認します。

• 鏡のようにツルツルしていて透明感があり、継ぎ目なし → ガラス製
• 金属光沢があり、筋が見えることがある → ステンレス製

見た目だけで判断が難しい場合は、取扱説明書やメーカー公式サイトで素材を確認すると安心です。

ガラス製ポットの洗浄は重曹が基本

内側がガラス製のポットのにおいや茶渋には、重曹が向いています。

ガラス製ポットを洗浄する際は、下記の点に注意しましょう。

安全のため、取扱説明書に洗浄方法の記載がある場合は必ず確認しましょう。

ステンレス製ポットにはクエン酸も重曹も使える

内側がステンレス製の保温ポットは、汚れの種類に応じて重曹・クエン酸のどちらも使えるのが特徴です。

下記のように使い分けると効率よく洗浄できます。

• 水垢 → クエン酸
• におい・茶渋 → 重曹

研磨目的で重曹ペーストを使うのは避け、つけ置きを基本にしましょう。

クエン酸・重曹でそれぞれ洗浄する際の手順は下記です。

ステンレス製ポットを洗浄する際は、下記の点に注意しましょう。

安全のため、取扱説明書に洗浄方法の記載がある場合は必ず確認しましょう。

クエン酸・重曹でも落ちないときの対処法

クエン酸や重曹は安全性が高い一方で、汚れの状態によっては落としきれない場合もあります。

汚れが落ちにくい原因は下記です。

• 水垢や茶渋を長期間放置している
• 何度も加熱・乾燥を繰り返し、汚れが固着している
• 洗浄頻度が少なく、内部に層状の汚れができている

クエン酸や重曹でも落ちないときは、下記の対処法を試してみましょう。

それでも改善しない場合は、内部の劣化や部品の不具合が原因の可能性もあります。

使用年数が長いポットは、買い替えも検討しましょう。

外側の汚れにはアルカリ電解水がおすすめ

ポットの外側には、手垢やキッチン周りの油汚れが付きやすくなります。

これらの酸性の汚れには、アルカリ電解水を使った拭き掃除が効果的です。

アルカリ電解水が向いている理由

アルカリ電解水は、次のような点でポットの外側掃除に向いています。

• 皮脂・手垢・軽い油汚れを分解できる
• 二度拭き不要のため手軽
• においが残りにくい
• アルカリ電解水は水でできているため、界面活性剤が含まれておらず、乾くと水と同じ扱いで安心

アルカリ電解水の正しい使い方

アルカリ電解水を使う際は、本体に直接スプレーしないことが重要です。

内部に水分が入ると、故障やトラブルの原因になる可能性があります。

更に手軽に済ませたい場合は、市販のアルカリ電解水シートを使うのも便利です。

ただし、市販のシートはやや水分量が多いものもあるため、次の点に注意して使いましょう。

油汚れや手垢には重曹も効果的ですが、水に溶けにくく、乾くと白く残りやすいため、二度拭きが不要なアルカリ電解水がおすすめです。

水垢を減らすための日常的な予防策

ポットの内部に水垢がつくのを防ぎ、洗浄頻度を減らすためには、次のような日常のお手入れが重要です。

いずれも、水の中に含まれるミネラル成分がポット内部に残りにくくなり、水垢の発生を抑える効果があります。

まとめ：重曹やクエン酸を上手に使ってポットを洗浄しよう！

この記事では、重曹やクエン酸など安全性の高い洗浄剤を使った、ポットの種類別の洗浄方法について解説しました。

安全に洗浄するために、下記の点に注意しましょう。

汚れとポットの種類に合った洗浄方法を選ぶことで、簡単かつ安心・安全にお手入れを続けられます。

重曹はキッチン排水溝の清掃にも使えます。

重曹を使ったキッチン排水溝の清掃についてご興味のある方は、こちらの記事もご覧ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。