骨密度検査してみたけど、結果の見方がよくわからない…
最近よくテレビで芸能人の骨折のニュースや骨粗鬆症を話題にした番組を見かけるようになりました。
人間ドックで、または自治体の健診などで骨密度検査をしたことがある人も多いのではないでしょうか?
せっかく骨密度検査したのに、結果の見方や対処の仕方がわからない…ではもったいないですよね?
この記事では、医師である筆者が骨密度検査の結果の見方を徹底解説!
結果の意味を知れば、検査を無駄にしないあなたにあわせた対処法がわかります。
どうぞ最後までお読みください。
【女性の骨密度】検査結果はどこに注目する?グラフの意味も解説します!
診療時、患者さんから骨密度検査の結果の見方についてよく質問されます。
検査結果の見方が分からないのは、注目するポイントが分かりにくいのが理由の一つかもしれません。
注目するべきポイントは以下の2つです。
- 若い人と比較した骨密度
- グラフ中の印の位置
上の図は骨密度検査の結果報告書のサンプルです。
結果の報告書は、検査した施設によって違いがありますが、記載されている内容はだいたい同じです。
この図を使って、ポイントをひとつずつくわしく説明していきますね。
骨密度検査結果はここに注目 ~若い人と比較した骨密度
注目すべきポイント1は「若い人と比較した値」です。
上の図の真ん中くらい、この部分ですね。
63%とは、若い人の骨密度の平均値(Young Adult Mean : YAM)を100%として、今のあなたの骨密度が63%であることを示しています。
-3.3SDとは、Tスコアといわれるもので、若い人の骨密度の平均値と比較し若年成人の標準偏差(SD値)で割った値のことです。
少し話がややこしくなりましたが、この若い人の骨密度の平均値との比較が、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の診断にも使われており、骨密度評価に重要となります。
脆弱性骨折(健康な人では起こらないような弱い外力で起こった骨折)がない場合
骨密度*がYAMの70%以下または-2.5SD以下
骨量減少:骨密度*がー2.5SDより大きく-1.0SD未満の場合
*骨密度は原則として腰椎または大腿骨近位部の骨密度で測定
骨粗鬆症って何ですか?
骨がもろくなる病気で、骨折の危険性が高まります。
くわしくは後から説明しますね!
骨密度の結果には、いろいろと記載がありますが、まずは若い人の骨密度の平均値との比較をみるようにしましょう!
骨密度検査の結果の見方のポイント ~グラフ中の印の位置に注目
注目するべきポイント2は、グラフの中の印の位置です。
結果のサンプルの上の方にあるこの部分ですね。
横軸が年齢、縦軸に骨密度が示されていて、+の部分があなたの年齢と骨密度を表しています。
グラフは緑色、黄色、赤色に色分けされています。
- 緑色・・・骨密度は正常範囲
- 黄色・・・骨量減少の状態、要注意
- 赤色・・・骨粗鬆症の状態、早急に対応が必要
緑、黄、赤って信号みたいでわかりやすいですね!
わかりやすく色分けして、現在の骨密度が一目でわかるようにしてあるのですね。
骨密度検査の結果をもらったら、グラフで自分の骨密度の状態を確認してみてくださいね!
【女性の骨密度】結果の理解に必要な知識は?年齢別で考え方に違いあり!
注目するポイントもわかったし、もう骨密度検査の結果の見方はばっちりですね!
いえいえ!まだ知っておきたい知識があります!
たとえば、20歳の人と60歳の人が同じ数値だったとしたら、数値が同じでも、意味は全く違います。
結果を理解するために必要な知識をチェックしておきましょう!
結果を理解するために必要な知識は以下の3つです。
- 骨密度とは何か
- 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは何か
- 女性の骨密度は年齢でどう変化するか
ひとつずつくわしく説明しますね!
骨密度とは ~骨の強さの指標
骨密度って、具体的には何なのかご存じでしょうか?
骨密度とは、骨を作るカルシウムなどのミネラル成分の密度のことです。
骨の強さの指標のひとつで骨の強さの70%に関係しているんですよ!
骨の強さの70%に関係していると聞くと、骨密度の重要性が何となく理解できますね。
残りの30%は「骨質」と言って、骨の構造や骨を作る壊すのバランスなどが含まれます。
骨密度とは、骨の強さを知る重要な指標なのですね。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは ~骨がもろくなる病気
さきほども出てきた「骨粗鬆症」
どういうものなのか知らない人も多いのではないでしょうか?
骨粗鬆症とは、骨の量が減り、骨の質も悪くなり、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気のことです。
骨粗鬆症には以下のような特徴があります。
- 圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多い。
- 骨折しなければ無症状。
- 診断は、骨折したことがあるかどうかも参考に骨密度によって診断される
骨がもろくなっていても骨折しなければ症状がないんですね。
女性が圧倒的に多いのも気になります。
骨密度検査を受ければ、骨粗鬆症になっていないか、なりそうでないか知ることができますね!
骨粗鬆症と診断されるくらい骨密度が低下していても、骨折しなければ症状がありません。
骨折する前に自分の骨の強さを知るためにも、骨密度は重要な検査です。
女性の骨密度は年齢によってどう変化する?~閉経前後から急激に減少する
上のグラフは骨密度を年齢別に表したものです。
このグラフからわかる、女性の骨密度の年齢変化の特徴は以下の通りです。
- 10代の思春期から急激に増加し、20歳頃にほぼ最大値に達する
- 最大骨量に達したら、40歳中頃まで横ばい
- 50歳頃の閉経前後から急速に減少する
女性特有の変化があるんですね。
女性の骨密度は年齢とともに変化します。
この変化を理解して骨密度検査の結果を見る必要があります。
たとえば、40歳代前半までの骨密度が今後下がっていく年齢で骨密度が低めであれば、将来骨粗鬆症になるリスクが高く、厳重な対応が必要になります。
60歳以降であれば、骨密度の低下は緩やかになると予想されるので、骨密度が少し低めでも現状を維持できるような対策をとるだけで十分な場合もあります。
これから自分の骨密度がどうなっていくか考えた上で、現在の数値を見る
【女性の骨密度】検査を無駄にしない! 結果の見方のまとめ
この記事では女性の骨密度検査の結果の見方を解説しました。
骨密度検査の結果を見るときのポイントは以下の通りです。
- 若い人と比較した自分の骨密度を把握する
- グラフ中の自分の骨密度の位置を確認する
骨密度検査の結果をさらに理解するには、以下の知識もおさえておきたいポイントです。
- 骨密度とは骨の強さを知る重要な指標
- 骨粗鬆症は骨がもろくなる病気で圧倒的に女性に多い
- 骨密度は年齢によって女性特有の変化がある
骨粗鬆症は女性に多く、自分の骨密度を知ることが重要です。
骨密度検査の結果を理解して、これからの生活にいかしていきましょう!
骨密度の検査を確認したら、具体的な対処法が知りたくなりますね!
そんな方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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