ポインセチアの育て方|夏場の水やりや苗の選び方を解説します!

読者さま

次のクリスマスに向けてポインセチアを自分で育ててみたい。でも夏のポインセチアってどう育てたらいいんだろう……。

色とりどりの葉で冬を彩るポインセチアを、クリスマスシーズンに購入した人も多いのではないでしょうか。

ポインセチアといえばクリスマスですが、シーズンが終わったからと捨ててしまうのはもったいないですよね。

そこで当記事では、夏のポインセチアの育て方について詳しく解説します

質の良いポインセチアの苗を選ぶ方法や、夏の間にやっておきたいことも解説するので、ぜひご一読ください

ポインセチアは多年草なので、夏場の適切な育て方を知れば、何年でも一緒にクリスマスを迎えられますよ。

目次

ポインセチアとはどんな植物?

ポインセチアは南米生まれの常緑樹で、現在は100以上の品種が存在する人気の植物です。

クリスマスシーズンの鉢植えとして人気の植物ですが、樹木なので原産地では3〜6mの高さに達することもあります

学名Euphorbia pulcherrima
分類トウダイグサ科トウダイグサ属
原産地メキシコ、中央アメリカ
開花時期12~2月
高さ10~60cm
別名ショウジョウボク
苞(ほう)の色赤、白、黄色、桃色

ポインセチアはトウダイグサ属に特有の、杯状花序(はいじょうかじょ)という形の花を咲かせるのが特徴です。

杯状花序とは

植物は種類ごとに異なる花の付き方をしますが、その花の付き方を花序(かじょ)と呼びます。

お椀状の総苞(そうほう)の中に、退化しためしべとおしべが包まれているタイプの花の形が、杯状花序です。

1つの総苞につき雄花は5〜6つ、雌花は1つ入っており、外側の蜜腺から蜜を出します。

ポインセチア以外の杯状花序の花は、ショウジョウソウや準絶滅危惧種のノウルシ、トウダイグサなど。

ポインセチアには日が短くなると苞が赤く染まる性質があり、園芸品種のポインセチアは人工的に日照時間を調整する短日処理を施されています

良質なポインセチアの苗を選ぶポイント

ポインセチアを育てる前に、良質な苗の選び方を知っておきましょう。

選び方のポイントは以下の通りです。

茎が硬く締まっている
茎や葉が折れていない
苞の色が鮮やかでムラがない
下の方の葉がしっかり茎から生えている

上記の4つに当てはまらない苗は弱っていて、順調に成長しない可能性があります

苗だけでなく、店選びも重要です。

ポインセチアを店内に置き、広いスペースに並べている店で苗を購入しましょう

なぜなら日本の冬は南米に比べて寒すぎて、ポインセチアに適した気候ではないからです。

店内に置かれていても鉢植えがすし詰め状態になっている店は風通しが悪く、ポインセチアが弱ってしまいます。

ポインセチアの新鮮さにも注意してください。

花屋に長期間置かれている苗ではなく、市場から店にやってきてすぐの新鮮な苗を選ぶのが大切です

花の市場は毎週月・水・金曜日に開かれます。

早ければ当日の午後に売り出されるので、市場が開かれた翌日にポインセチアを買いに行くといいでしょう

筆者

お店の規模によっても新鮮な花が並ぶ日は異なるので、従業員に入荷した日を質問するのが確実ですね。

読者さま

自分でいいポインセチアを見分ける自信がない場合は、お店の人に選んでもらうのがよさそう!

夏のポインセチアの基本的な育て方

外国産の花を育てる場合、原産地の気候に合わせることが重要です。

しかし日本は高温多湿の国。

そのため南米原産のポインセチアを日本で育てるには、夏の育て方をしっかりと知る必要があります。

水やりの量と時間帯に要注意!

ポインセチアの水やりは、土の表面が乾いてきたら行います。

水分量が十分でないと下の苞が枯れてしまうため、暑い日は水やりを忘れないように注意が必要です。

ただし水やりをしすぎると根腐れしてしまうため、水の量は鉢の底から水が出てくる程度にしましょう

夏の間は、水を与える時間帯も要注意。

暑さの厳しい昼間に水やりをすると、土の中が蒸されて根腐れの原因となります。

比較的涼しい夕方か朝に水やりをするか、日陰に移してから水をやってください

ポインセチアに適した土

ポインセチアは水はけが良く、適度な保水性のある土を好みます。

一般的な園芸用土を使用しても問題ありませんが、鉢の底に鉢底石を入れておきましょう

鉢底石とは植木鉢やプランターの底に敷く石のこと。

鉢底石を入れておくことで、植木鉢全体の土の量が減って土が乾きやすくなり、根腐れを防止できるのです。

根腐れ防止のほかにも、植木鉢の底の穴から土が流出するのを防ぐ効果を得られます。

夏のポインセチアに最適な環境とは

ポインセチアに適した温度は15〜25℃と言われています。

しかし日本の夏は30℃を超える日が多いので、置き場所には注意をしなくてはいけません。

基本的に、夏は室内で育てることをおすすめします。

風通しの良い場所

ポインセチアに限らず、ほとんどの植物は風通しの良い場所を好みます。

鉢植えをまとめて置いておくと風が通らなくなってしまうので、植木鉢同士の距離は離しておくと安心です。

室内でポインセチアを育てる場合は、エアコンの風が直接当たらない場所に鉢を置きましょう

エアコンの風でポインセチアや土が乾燥してしまい、弱ってしまうことがあります。

直射日光と暑さを避けられる場所

夏の高温と直射日光は、ポインセチアのしおれや変色を引き起こします。

そのため午前中だけ日光が当たる場所か、ベランダや庭の日陰に鉢を置くのが理想的

葦簀(よしず)や簾(すだれ)、緑のカーテンをベランダに設置すれば、直射日光を避けられるうえ、人もポインセチアも涼しく過ごせます。

ベランダで育てる場合は、すのこや棚を使い、鉢が直接コンクリートに触れないようにしてください

筆者

緑のカーテンとはネットにツル植物を絡ませて、カーテンのように育てたものです。
壁や窓を緑で覆うので見た目も良く、キュウリやゴーヤを使用すれば家庭菜園もできるというメリットがあります。

夏のポインセチアにしておきたい2つの作業

ポインセチアを健康に育てるため、夏の間にやるべきことは2つあります。

バランスを整える摘芯と、短日処理です。

この2つの作業をしておけば、かわいらしい形ときれいな色をしたポインセチアを育てられますよ。

摘芯でバランスの良い姿にする

ポインセチアは草花ではなく低木に分類されるため、適度に摘芯をしないとバランスの悪い姿に育ってしまいます。

摘芯とは苗のうちに上部の芽を摘むことです。

新芽を摘むことで成長が抑えられていた脇芽が育ち、こんもりと茂ったかわいらしい形に育ちます

この時、ハサミではなく指や爪で芽を摘んで取り除きます

ハサミを使って摘芯をすると雑菌やウイルスが付着して、ポインセチアが病気にかかる恐れがあるからです。

5〜8月のうちに必ず摘芯をしておきましょう。

筆者

摘芯している時に樹液が手についてしまったら、すぐに洗い流してください。
ポインセチアの樹液にはフォルボールという有毒物質が含まれています。

短日処理で苞を赤くする

短日処理とは植物に覆いをかけて、日光を遮ることです

日光を遮ることによって、昼が短く夜が長くなったと植物が勘違いし、色づきや開花が促されます。

ポインセチアは短日植物なので、8〜9月からカバーをかけるようにしましょう

短日処理のやり方は、ダンボールや紙袋でポインセチアを覆うだけです。

ポイントは、最低でも12時間以上は暗くしておくこと

また日光だけでなく、蛍光灯の明かりにも晒されないよう注意してください。

ダンボールや紙袋1枚だけでは、光が入り込んでくる可能性があるので、複数のカバーをかけておくと安心です。

短日処理のやり方と注意点
  • ポインセチアに紙袋や段ボール箱をかぶせて、日光や蛍光灯の光を避ける
  • 8~9月から始める
  • 12時間以上暗くする
  • 複数の覆いをかけておく

夏にポインセチアを育ててクリスマスに備えよう!

この記事ではポインセチアを夏に育てる方法ついて、お伝えしてきました。

良質なポインセチアの苗を選ぶポイントは以下の通りです。

  • 茎が硬く締まっている
  • 茎や葉が折れていない
  • 苞の色が鮮やかでムラがない
  • 下の方の葉がしっかり茎から生えている

夏にポインセチアを育てる時は、水やりと土についても注意が必要です。

水やりの注意点
  • 土が乾いてきたら水を与える
  • 水の量は鉢の底の穴から、水が流れてくるくらい
  • 時間帯は朝か夕方
ポインセチアに適した土
  • 適度な水はけと保水性のある土を選ぶ
  • 根腐れと土の流出を防ぐため、鉢底石を入れる

夏場のポインセチアは風通しの良い場所に置き、直射日光と暑さを避けて育てます。

夏のポインセチアに最適な環境
  • 物が密集していない、風通しの良い場所
  • 冷房の風が直接当たらない場所
  • 午前中だけ日光が当たる場所か、木陰や日除けの下

そのうえで摘芯と短日処理を行うと、健康できれいなポインセチアに育っていくでしょう

ポインセチアにとって夏は成長の季節。

夏の間にしっかりと世話をしておくと、ポインセチアはクリスマスシーズンを華やかに彩ってくれますよ。

手塩にかけて育てたポインセチアで、次のクリスマスを迎えてみてはいかがでしょうか。

ポインセチアを育てていて、12月に苞が落ちてしまったことはありませんか?

冬にポインセチアを育てる方法について知りたいならば、こちらの記事をご覧ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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