メタバースという言葉は聞いたことがありますか?
インターネットを使った仮想空間だと知っている人も、詳しいことはよくわからない、オンラインゲームと同じようなものと思っている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんなメタバースとオンラインゲームの違いや魅力を、インターネットには疎くて苦手意識があるという方にもわかりやすく説明します!
メタバース空間の利用はこれからますます注目が高まりますが、その反面インターネットなどに慣れていない方は注意も必要です。
専門用語もポイントを押さえて解説するので、ぜひ最後までお読みくださいね!
メタバースとオンラインゲームの違いとは?
メタバースとオンラインゲームはどちらもインターネットを利用し、オンライン上の仮想空間にてコミュニケーションをとる仕組みです。
オンライン上に自分の分身となるアバター(キャラクター)を作成し、仮想空間の中で活動するという点では共通しています。
その中でメタバースとはそのプラットフォームを指し、オンラインゲームはゲームプレイを主としてシナリオやクエストをクリアすることを目的として遊ぶゲームです。
では、それぞれについて解説していきます。
メタバースとは?
メタバースとはメタ(超越した)とユニバース(宇宙)を組み合わせた造語です。
コンピューターの中に構築された三次元空間やその中で展開される様々なサービスのことを言います。
パソコンやスマートフォンを利用してアクセスするネットワーク上の世界、もう一つの世界というとイメージできるでしょうか?
インターネットを通じて交流できる場所ってこと?SNSとは違うの?
SNSのように離れた人と交流ができるのは似ていますが、メタバースは仮想空間をアバターと呼ばれる自分の分身を通じて歩き回ったり会話したりできるんですよ
メタバースで出来ることとは?何をするもの?
メタバース空間ではどのようなことができて、何をするものなのでしょうか?
主に以下のような遊び方、サービス展開が行われています。
- 仮想空間を利用した学習、教育利用
- ブロックチェーンを用いたNFTの活用
- ショッピングや音楽ライブなどのエンターテイメント体験
- 離れた場所にいる人との交流
専門用語も出てきますが、わかりやすく簡潔にひとつづつ解説していきますね。
仮想空間を利用した学習、教育利用
インターネットを通じて世界中どこからでもアクセスできるメタバース空間は、各種教育、研究研修にも利用されています。
同じ場所に集まらなくても、パソコンやスマートフォンがあれば仮想の教室や研修室に集まり、同じ教育を受けることができます。
配信型のオンライン講習とは違い、参加者の没入感が増し体験型の研修が可能なため学習効果が上がることが期待されるのです。
また、不登校児に対してオンラインフリースクールとしての活用もされています。
学校には通えなくてもオンラインでなら交流できる、発達障害があってクラスに馴染めないなどの困難を抱える子供たちも多くいます。
そういった子供たちに対しても進学を諦めることなく、一人一人にあった将来設計を行うことができるでしょう。
ブロックチェーンを用いたNFTの活用
専門用語はわかりにくくてとっつきづらく感じてしまいますよね。
一言でいえば、インターネット上でも安全な仕組みでやり取りできる資産ということです。
それぞれの単語について説明していきます。
インターネット上での取引などのやり取りをひとまとめ(ブロック)として管理・記憶し、それを鎖のように繋げていく(チェーン)技術・構造のこと。
ブロックチェーンは一度書き込むと情報の上書きができないデータベースなため、不正や改ざんが出来ない安全な仕組みとなっています。
NFTとはNon-Fungible Token(ノンファンジブル・トークン)の頭文字を取ったもので、日本語で言うと非代替性トークンと言います。
非代替性=替えが効かない唯一無二のもの
トークン=証明、しるし
つまりその人が持っている替えが効かない価値や資産、本人の証明のことを指します。
様々な場面で細かいニュアンスは変わりますが、メタバースで利用される使い方としてはブロックチェーン技術を用いて証明される価値、暗号資産や仮想通貨としての意味で使われます。
お金のやり取りが発生する場面でも安全な仕組みが用いられているということですよ
ショッピングや音楽ライブなどのエンターテイメント体験
それらのブロックチェーン技術やNFTは何に使うのでしょうか?
安全なのは分かったけど、私は一般人だし暗号資産だとか仮想通貨なんてやる予定もないし…
難しくとらえなくても大丈夫!気軽にショッピングを楽しんだり音楽ライブが開催されていたりもするんですよ
現在専用アプリなどを用いて、仮想空間にも店舗を構えている小売店も出てきています。
有名なところでは三越伊勢丹が仮想の新宿を舞台に「仮想伊勢丹新宿店」を展開し、3Dで描かれた店舗の中をアバターが歩き回ってショッピングができるサービスがあります。
そのほかにもショッピングが楽しめるお店は増えています。
それらの決済に用いられる方法が大きく分けて2種類あり、従来のネットショッピングでも使われるクレジットカードのほかに、NFTも利用できるのです。
それぞれのメリット、デメリットは以下の通り。
クレジットカードのメリット・デメリット
- ユーザーが使い慣れているため心理的ハードルが低い
- 外部サイトに移動してしまうため没入感が損なわれる
NFTのメリット・デメリット
- メタバース内で支払いが済むため没入感が損なわれない
- 事前に仮想通貨(ネットマネー)を購入する必要がある
またショッピングのほかにも音楽ライブなども開催されており、コロナ禍でリアルイベントの開催が難しくなった時期から注目を集めるようになりました。
メタバースライブでは有名アーティストをはじめ、アイドルやVTuberなどがメタバース内に作られたライブ会場にて3Dアバターとなりパフォーマンスを行います。
現実のライブ空間では難しいデジタル演出やアートが飾られることもあり、メタバース空間ならではのエンターテイメントが繰り広げられます。
ライブによってはVR機器を用いることにより、まるでアーティストが目の前にいるように楽しめるものもあり、まさに仮想空間でのライブの醍醐味ともいえるでしょう。
離れた場所にいる人との交流
また、メタバースではアバターを用いた仮想空間であることを生かした交流もできます。
インターネットを利用することで世界中どこからでもアクセスでき、顔出しも不要です。
人前に出るのが苦手であったり、病気で外出できないなど理由のある人でも自由に参加できるのが特徴です。
企業では肩書を伏せ、趣味などの情報だけを開示し交流する場を設るといった利用もされています。
なかなか外に出られない人でも参加できる人脈形成のためのオンライン交流会としても利用されていたり、これからの時代の新しい人との出会い方になっていくでしょう。
またメタバースがSNSと大きく違うところは、文字だけの交流ではなくアバターで行動することによる相手との距離感や偶発的な出会いといったものがあります。
メタバースの中で時間や場所を決めてその場で会話したり、家を持てるメタバースならば相手の家を訪問したりという仮想空間でありながら現実味を帯びた交流はメタバースならではの体験なのです。
仮想空間とはいえアバターとして実際に人がいる空間では存在感や没入感に大きな違いがあります。
空間の舞台を実際の街にして、電子住民票を発行することでデジタル村民に村の外から町興しに参加できる自治体も出てきており、その可能性はますます広がっていくとみられています。
メタバースを利用する際の注意点
メタバースはインターネットさえ使えれば、誰でもどこからでもアクセスできる魅力的な空間です。
その分、依存性が高まり抜け出せなくなってしまうという問題や、現実でのコミュニケーション不足が起こるといった危険性をはらんでいます。
実際、メタバースの要素を持つオンラインゲームにハマってしまい、1日の大半をパソコンに向かってしまい家庭崩壊が起こってしまう事例もあります。
現実でのコミュニケーションが難しい人の受け皿にもなり得る反面、ネットワーク上に引きこもってしまう危険性もある点には要注意です。
他にも、匿名性があるため素性のわからない相手から心ない嫌がらせを受ける、なりすましに合うなどの危険性もあるため、未成年や子供の利用は保護者の目が届くことが望ましいでしょう。
現在メタバースの利用は日本人ではまだ5%程度にとどまっています。
そのためにわか専門家や初心者を狙った詐欺などの可能性も出てきています。
NFTを利用して稼げるなどの言葉には簡単に乗せられないよう気を付けましょう。
オンラインゲームとは?
オンラインゲームとはどういったものでしょうか?
オンラインゲームとはインターネットを介して遠隔地にいながら複数人と同時にプレイできるゲームを指します。
PCだけではなく、最近の家庭用ゲーム機には通信機能が備わっておりインターネット対戦ができるものが多くあります。
有名なものだとスプラトゥーンのような4人対4人で遊ぶ対戦型のものや、ファイナルファンタジー14のように一度に数万人もの人がアクセスするMMO(大規模多人数同時参加型オンラインゲーム)などがあります。
これらはインターネット上の仮想空間に集まって一緒にゲーム体験をするという点では、メタバースの一部と考えることができます。
メタバースとオンラインゲームの違いは、ゲームを主としてオンライン要素があるのか、滞在時間とシナリオ、クエストの有無です。
また、アバターに関してもゲーム内のキャラクターとして選んだり作成するものが多いという違いがあります。
- 対戦型オンラインゲームはその対戦中のみの集合・交流に限られる
- MMOは決められたシナリオを楽しんだりクエストをクリアすることが主目的
- メタバースはその空間に滞在すること自体が目的、用意されクリアするシナリオは無い
- 例外として、メタバース内で遊べるゲームというものもある
少人数の通信が行われるオンラインゲーム
オンラインゲームにも少人数で通信が行われるものから数十万人が同時に接続するゲームまで様々なものがあります。
例えば対戦型であれば、オンライン上でマッチングした相手と1対1の格闘対戦を行うものや、多人数の中でサバイバルや鬼ごっこといった要素をもつものがあります。
こういったゲームは他のプレイヤーとの交流はマッチングしている間だけに限られるため、そこがメタバースとの大きな違いになります。
また交流に関しては必ずしもアバターが用いられるわけではなく、3D空間を行き来するわけではなく通話や文字ベースのみという場合も多くあります。
大人数が同時接続をするオンラインゲーム
少人数のゲームが対戦や協力プレイがメインのものが多いのに比べ、MMOと呼ばれる大規模多人数同時参加型ゲームという、よりメタバースの概念に近いジャンルもあります。
代表的なものでは、ファイナルファンタジー14やドラゴンクエスト10などが有名です。
これらのタイトルはゲームソフトとして販売され、ゲームをプレイすると同時にオンライン上のゲーム空間に滞在し、ほかのプレイヤーと交流をしたりパーソナルスペースを持つことができます。
インターネット上の仮想空間に人が集まり、チャットや通話でコミュニケーションを取ったり一緒にゲーム内を散策するなどの遊び方ができる点でメタバースと共通点があります。
また、総じてギルドなどと呼ばれる仲間グループがあり、多人数で挑戦することが求められるゲーム内の課題があることが多くあります。
そのためほかのプレイヤーと協力する場面を通じて、新しい人間関係が生まれることも多々あります。
中にはゲーム内で知り合って結婚に至る人もいるんですよ!
MMOにおけるキャラクターメイキング
オンラインゲーム内ではメタバースと同じようにアバターを作成します。
しかし現実に寄せているものが多いメタバースと違い、オンラインゲームではゲーム内の世界観に基づいたキャラクターメイキングとしてのアバター作成が行われる場合が多いです。
例えば西洋ファンタジーがベースの世界観であれば、キャラクターは人間のほかにもエルフやドワーフのような空想上の種族を選んで遊ぶことができます。
また、その作品によっては体形や顔立ちなど細かい調整を行えるものも多く、まるで自分に似せたりできる場合もあります。
しかしゲームによっては現実離れしたキャラクターとして仮想空間へ旅立つことで、現実とは違うもう一人の自分として遊べるというのが面白い点です。
オンラインゲームの通貨とNFTの違い
オンラインゲームはゲーム体験を高めるためにゲーム内での通貨が必要になってきます。
アイテムや武器などを購入するために何かしらのコストが必要な場合が多いのですが、それらは基本的にはゲーム内で稼いでゲーム内で使う、現実のお金とは関係のないものです。
遊ぶゲームが変われば使用する通貨も変わり、基本的にはそのデータ内で完結するゲーム内アイテムの一つでしかありません。
追加で課金要素があるものがありますが、基本的にはゲーム外で決済しゲーム内で受け取る形になっており、ゲームの世界の中で直接ユーザー同士がNFTのような金銭のやり取りをすることはありません。
むしろRMT(リアルマネートレード)と言うプレイヤー間で現実に金銭のやり取りが発生する行為はタブー視されています。
一方で既存のゲームプレイヤーとは別の考え方から生まれたNFTゲームというものも存在し、メタバース空間の中でNFTを売買することができるゲームもあります。
ここでいうNFTとは唯一無二のデジタルコンテンツというイメージがわかりやすいでしょうか。
簡単に言うとメタバース内で獲得したものや作成した物に価値を認め、その所有権を売買するために仮想通貨が用いられるといった仕組みです。
これらはゲームをしながら実際に稼げる!とうたう動きもありますが、まだまだ発展途上のジャンルであり国や地域によって法整備や技術格差があったり価値の高騰や暴落も起きやすいものです。
しっかりとした知識を持たないままチャレンジするのは時期尚早かもしれませんので注意してください。
メタバースとオンラインゲームの違いについてのまとめ
この記事ではメタバースとオンラインゲームの違いについて解説してきました。
- メタバースはインターネットを利用して利用できる仮想空間
- アバターを介して世界中どこにいても他者と交流することが可能
- アバター作成やプロフィールの制限の仕方により様々な目的での交流を行うこともできる
- ブロックチェーンを利用したNFTの活用が行われる
- オンラインゲームには少人数型と多人数型がありプレイヤーの関わり方に違いがある
- MMOゲームはシナリオクリアなどのゲームプレイを主としてメタバースの要素を含む
- アバターはその世界観に合わせたキャラクターとして存在する
- ゲーム内通貨のやりとりはあるがリアルマネーのやり取りはタブー視されいている
メタバースとオンラインゲームは概念的に重なるところがあります。
メタバースは学習や研修としても使えるのに対し、オンラインゲームは対戦やシナリオクリアなどゲームプレイを主としているところが大きな違いと言えるでしょう。
また、ゲーム内でブロックチェーンを利用したNFTが利用されるかどうかも違う点です。
メタバースは今後経済規模が1600兆円にもなると予測される分野。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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