お嬢さまの成人式をほんの数年後に控えたご家族の間では、振袖の話題が出ることもあるでしょう。
成人式の華やかな思い出を彩る「振袖」。
中でも、オーダーレンタルは近年人気が高まっています。
成人式が終わった後、振袖はどうなるの?
返却された振袖がどうなるのか、気になりますよね。
今回の記事で振袖がどうなるかをご紹介します。
- 返却後の振袖の行方
- 振袖がリユースされる意義
意外と知らない、振袖のアフターストーリー。
ぜひ秘密をひも解いて疑問を解決し、安心して素敵な成人式を迎えましょう。
オーダーレンタル振袖のおさらい
近年、成人式の振袖を選ぶ際に人気を集めているのが、「オーダーレンタル」という選択肢です。
仕立て前の仮絵羽で好きなデザインの振袖を選べます。
選んだ振袖を「自分サイズ」にセミオーダーするので、トコトンこだわれるのが人気の秘密です。
普通のレンタル振袖と、どう違うのでしょうか。
オーダーレンタルと通常レンタルの違い
オーダーレンタルは通常のレンタルと違って「自分サイズ」に仕立てられます。
2種類の違いを表にしました。
オーダーレンタル | 通常レンタル |
好きな生地を自分のサイズに | 規定のサイズの中から振袖を選択 |
新作振袖が選べる | 新しくても1年前のもの |
料金は高め | 料金は安め |
決められた締切り時期がある | ギリギリでもレンタルできる |
下見はゆっくりでOK | 下見は2年くらい前から |
新品 | 中古品 |
なぜ「新しい振袖」にこだわる方がいるのでしょうか。
もちろん「結婚できない」というのはただの迷信で、科学的根拠はまったくありません。
ですが、「レンタルでもいいけれど、やっぱり新しい振袖がいい」と考えるご家庭もあるでしょう。
「成人式には新しい振袖を」と考えるご家庭にも、オーダーレンタルはぴったりですね。
他にも、振袖のオーダーレンタルにはメリットがたくさんあるのです。
オーダーレンタルした振袖の魅力は、借りるときだけではなく返却された後も続きます。
返却後の振袖はどのような道をたどるのか、アフターストーリーをご紹介します。
オーダーレンタル後の振袖の行方
オーダーレンタルサービスを利用した華やかな振袖は、「たったひとり」のために仕立てられた特別な一着です。
オーダーレンタル後の振袖がどのような道をたどるのか、気になりますよね。
実は振袖には、レンタル後もさまざまな形で活躍の場があります。
レンタル商品だからこその特別なしくみ──振袖がその後たどる道について、詳しく見ていきましょう。
1.クリーニング
レンタルされて店舗に戻ってきた振袖がたどる道の最初の行程は、クリーニングです。
着物のクリーニングには、2種類の方法があります。
丸洗い | 洗い張り | |
目的 | 汚れや皮脂を落とす 定期的なお手入れ | 汚れを完全に落として生地の風合いを回復させる 仕立て直し、サイズ調整も可能 |
方法 | 溶剤を使用したドライクリーニング 着物を解かずに丸ごと洗う | 水洗い(ウェットクリーニング) 着物を解いて一枚の布にして、手洗いなどで汚れを除去 必要に応じてシミ抜きや染め直し後に着物として仕立て直す |
メリット | 軽い汚れ、汗の付着など日常的な手入れに向く 解かないのでコストが安い 生地や柄を傷めない | 完全な洗浄と修復が可能、生地の寿命が延びる 長期間保管していた着物や高級着物のケアに最適 |
注意 | シミ抜きや生地の張りを完全に回復させるのには不向き | 本格的なケア方法で時間と費用がかかる |
着物の状態などによりどちらかを選択可能です。
次に、クリーニング後にどのような道があるのか、ご紹介します。
2.クリーニング後の行方
- 再度レンタル商品として店舗に並べるために仕立て直される
- 過剰在庫を防ぐために、他のレンタル専門店に買い取られる
- 中古品として販売される
振袖は洋服のように生地をサイズぴったりに切らずに仕立てるので、洗い張りでサイズ変更ができます。
洋服に比べて、より自由なサイズ直しが可能なのです。
貸し出しやすいサイズに仕立て直された振袖は、店舗の貸し出し在庫になる他に、中古品として販売されることもあります。
買い付けるのは、他の振袖レンタル専門店や中古着物を販売している店舗等です。
中古の振袖が売れるんですか?
今はリサイクル市場で着物の需要が高くなっているんですよ!
販売されるのは次のような場所です。
- リサイクルショップ
- オンラインマーケット
- デパートの催事場
- 専門の中古着物販売店
- 中古着物の販売イベント
そのまま捨てられたりしないんですね。
ご安心くださいね。
SDGs(※)やリユースの観点からも、リサイクル着物は注目されています。
振袖が受け継がれていく意味
着物の再利用は、日本文化の伝統と現代のサステナビリティの価値観を融合させる取り組みとして注目されています。
中でも、長く大切に使える振袖は、リユース市場や家族間での活用を通じて、新たな命を吹き込まれ続けているのです。
着物を再利用する文化は、むだをなくして次世代に価値のある伝統を引き継ぐという重要な役割を果たしています。
環境負担の軽減とSDGsの実現
振袖のリユースやリメイク、リサイクルは、廃棄物を削減し、衣類生産時のエネルギー消費や資源の利用をおさえます。
他にも、リユース品の活用は、新品の生産より二酸化炭素排出量の削減に貢献するのです。
振袖に使用される高品質な絹素材は長寿命です。
複数回の使用ができ、資源の循環利用も実現できますね。
振袖のリユース・リメイクは、SDGs(持続可能な開発目標)の実現にも、一役買っています。
「目標12:作る責任、使う責任」と振袖のリユース、リメイクは直結しています。
リユースやリサイクルの推進で、持続可能な消費/生産パターンが構築できるからです。
「目標13:気候変動への具体的な対策」としては、衣類廃棄物の削減を通じ、環境負荷の低減が可能です。
伝統文化の保全とビジネスモデルの推進
振袖を後世に伝えることは、日本の伝統的な染色技術や美意識を未来に伝える方法のひとつでもあります。
着物を手にする機会を増やすことで、和装の重要性や楽しさが再認識され、職人技術の存続にも寄与するでしょう。
リサイクルショップやオンラインマーケット、振袖レンタル業界などは経済活動の活性化に大きく関わる分野です。
消費者のニーズに応えた地域の着物イベントや販売会が、地元経済の支援にもつながります。
振袖の再利用は単なるエコ活動や費用の切り詰めなどに留まらず、文化や社会の持続可能な発展に寄与する活動です。
この視点を深めていくと、より多くの人に振袖や振袖の持つ価値、ポテンシャルを伝えられるでしょう。
オーダーレンタル振袖のその後を知って安心して成人式を迎えよう
オーダーレンタル振袖は、成人式という大切な日を彩る特別な一着。
この記事では、返却後の行方と振袖がリユースされる意義についてご紹介しました。
オーダーレンタル振袖にはどのような特徴があるのか簡単にまとめました。
- 仕立前の「仮絵羽」状態で振袖を選び、自分サイズに仕立てられるレンタル方式
- 通常レンタル振袖とは異なり、新作デザインの振袖が選べる
- 「成人式には新しい着物を」と考える方に適した選択肢のひとつ
オーダーレンタル後の振袖がたどる道は次のとおりです。
クリーニング後に仕立て直された振袖がたどる道
- 貸し出し在庫になる
- レンタル専門店に買い取られる
- 中古品として販売するため古着屋などに買い取られる
着物を再利用する文化は、他にも重要な役割を果たすとして注目されています。
- 廃棄物削減やエネルギー消費抑制、資源の循環利用に貢献する
- 日本の伝統文化継承と環境保全の両立が実現する
- 経済活性化を支援する
成人式だけでは終わらない、振袖の新たな可能性。
オーダーレンタルを選択したお嬢さまとご家族が「イチバン」だと思うサービスを受けられることが大切です。
家族みんなでじっくり考える余裕を持つことが、オーダーレンタル振袖を選ぶコツです。
この記事が、オーダーレンタル振袖を選ぶ際の不安を解消して、思い出あふれる成人式を迎える一助となれば幸いです。
ぜひ今回の内容を参考に、安心してお嬢さまにぴったりの振袖を見つけてくださいね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
コメント