
運転中にゲリラ豪雨に遭ったら前が全く見えなくて怖かったけど、どうしたらよかったのかしら。



突然のゲリラ豪雨に遭遇したら不安になりますよね。
今回は、運転のポイントとNG行動をご紹介します。
突然の豪雨で視界を遮断され、自分がどこを走行しているのか分からなくなって、不安を覚えたことはありませんか。
ニュースで車が流されたり、水没したりする映像を目にして「もし、自分があの中にいたら……」と想像すると怖いですよね。
ゲリラ豪雨は30分〜1時間程度で通過しますが、大量の雨量は視界が悪くなるため運転するには危険な状態です。
運転方法を間違えると他の車と事故を起こしたり、スリップしたりするため命に関わります。
自然の猛威には逆らえませんが事前に豪雨を避け、早めに安全な場所に避難する知識があれば、いつでも安心です。
- ゲリラ豪雨に遭遇したときの運転・対処方法
- 絶対にしてはいけない行動
- 水没・車が動かなくなったときの対処方法
- 事故を減らす車のメンテナンス方法
- 事前に準備しておけるゲリラ豪雨対策
日頃から車のメンテナンスをしておくと、豪雨での視界不良や事故の発生リスクを減らせます。
豪雨時の運転知識を深めて、同乗している家族の命も守れるドライバーを目指しましょう。
ゲリラ豪雨の対策|車の運転方法


あなたは大雨の中を運転しているとき、ワイパーを最速で動かしても前が見えない経験をしたことはありませんか。
豪雨のときはあなだだけでなく、他のドライバーさんも周りが見えていません。
だから、ゲリラ豪雨の中を運転するのは非常に危険です。
- 徐行運転する
- 後続車に自分の位置を知らせる
- 安全な場所に停車する
- トンネル出口に注意する
周りが見えないときの、運転方法についてひとつずつご紹介します。
徐行運転する
雨の日の運転は、ブレーキが思うように利かなかったという経験は誰にでもありますよね。
ゲリラ豪雨に限らず、雨天時は晴天時に比べると約5倍も事故が発生しやすくなるのです。
運転する視界が悪かったり、タイヤが滑りやすくなったりすることに原因があります。
局地的な大雨は、ワイパーを動かしても視界が悪いため、前方の状況が確認できるように徐行運転をしましょう。
雨の日はタイヤと道路の接地面に水が入るため、タイヤが道路から浮いた状態になります。
タイヤのグリップ力が落ちていると、停車位置が伸びたり、タイヤがスリップしやすかったりするので危険運転に繋がります。



ゲリラ豪雨に遭遇したら、スピードを落として徐行運転しましょう。
後続車に自分の位置を知らせる
昼間の大雨でヘッドライトを点灯していると気付きやすいのは、分厚い雲が太陽の光を遮断している証拠です。
暗さと大雨による視界不良も重なり、前方との追突事故が起きやすい状況です。
視界が悪くても、車のブレーキランプやハザードランプがあると気付きやすくなります。



ハザードランプは、停止以外に徐行運転を後続車両に伝える意味があります。
ドライバーさんにとってはブレーキランプより注意を引くので、状況に応じて点灯させましょう。
ヘッドライトを点けると、対向車が気付きやすくなるため正面衝突を避けられます。
他の運転手も自分と同じ状況で運転しているため、お互いの車の位置をアピールして追突事故を防ぎましょう。
安全な場所に停車する
ゲリラ豪雨の中で運転するのは、事故や水害に遭うリスクが高まり非常に危険です。
雨水が狭い範囲で多量に降ると、下水道の排水が追いつかず道路は冠水してしまいます。
停車する場所は、水はけの悪い場所や低い土地を避け、スーパーの駐車場など2階以上に避難すると安心です。
高速道路の路肩に停車すると、後続車両に追突される危険性が高まります。
無理しない速度で走行し、パーキングエリアやサービスエリアまで移動しましょう。
ゲリラ豪雨は、雨だけではなく落雷の危険性もあります。
乗車中に落雷を受けても、電気を通しやすい金属材料である車体表面から地面に流れてしまいます。
車内で落雷を受けても安全ですが、落雷後、焦ってすぐ外に出てはいけません。
雨が止んでから、外に出るようにしましょう。
以下の場所への停車は避けましょう。
- 建物の地下
- 河川近くの道路
- 屋外の屋根付き休憩所
- 高い木の下
普段から通行する道路であれば、安全に停車できる場所を確かめておくと安心材料になりますよ。
トンネル出口に注意する
高速道路のトンネルから出た瞬間、横風でハンドルをもっていかれそうになった経験はありませんか。
山間部にあるトンネルの出口付近は、横風が強いため出てきた際に影響を受けやすくなります。
トンネルの出口は、自然環境の影響を受けやすく事故が起こりやすいため、ゲリラ豪雨時は細心の注意が必要です。
トンネル出口で事故を起こしやすい原因として、以下の点があげられます。
- 入口と出口の天気が違う
- 横風が強い
- 明るさに目が追いつかない
- トンネル内は自然環境に影響されずスピードが出やすい
普段からトンネルを出る前には、少しスピードを抑えて走行するようにしましょう。
ゲリラ豪雨の対策|通行を避けるべき場所


安全運転していても、道中に危険な場所が多く存在しています。
ゲリラ豪雨に遭遇したら、通行を避けるべき場所が2点あります。
- 冠水した道路やアンダーパスに入らない
- 高速道路に入らない
危険な場所を通行・運転すると、水没するリスクがあるため注意しましょう。
冠水した道路やアンダーパスに入らない
一見、通れそうな道路でも侵入して車が冠水してしまうと、エンジンが止まって動かなくなる危険性があります。
冠水しやすい道路は、水が溜まりやすい「すり鉢状」になっており、アンダーパスが代表的な形状です。
タイヤ半分を超えた水位に入ると、以下の理由で車が動かなくなります。
- マフラーから水が入る
- ボンネット下の吸気口から水が入る
- 電気系統のトラブル
車のエンジンは、稼働するために空気が必須なパーツなので、水位が低いからといって油断はできません。
車が止まる水の高さは、車内に水が浸入する高さに匹敵するので非常に危険な状態です。
「通れるだろう」と思っていても水位が高い可能性がある道路は迂回するか、水が引くまで安全な場所で待機しましょう。
高速道路に入らない
視界が悪く、スリップしやすい豪雨の中で高速道路を運転するのは、事故のリスクを高めます。
高速道路は、専門家が安全を考慮した所に通していますが、山間部も多く大雨による土砂崩れも珍しくありません。
高速道路の通行規制は以下の内容があります。
- 交通事故(主に警察の判断)
- 地震
- 豪雨
- 強風
- 霧
- 台風
- 自然災害による土砂崩れの可能性がある場合
土砂崩れが起こりやすい場所は、天候次第では事前に通行止めになりやすいので、通行を控えましょう。
高速道路を利用する際は、事前に天気予報や高速道路情報で通行が可能か確かめておきましょう。
車が水没したときの対処方法


車が水没して動かなくなると、車両火災や感電などの二次災害のリスクもあるため、すぐに車から離れましょう。
- エンジンを切る
- シートベルトを切る
- 窓を割って脱出
落ち着いて行動できるように、対処方法を紹介します。
エンジンを切る
浸水または車が動かなくなると気持ちが焦って車中から電話をしたくなりますが、まずは、エンジンを切って、すぐに車から離れましょう。
バッテリーが水に浸かると、感電やショートして車両火災を起こす危険性があります。
- バッテリーまでの導体が短くなる状態のこと
- 一度に大きな電流が流れて火花が出る
- 短絡(ショート)状態が続くと導体が高温になり、破裂・発火する
電気自動車は、バッテリーが車の燃料の役割を持つため、本体が大きく性能も精密です。
電気自動車のバッテリーが漏水や衝撃、ショートを感知すると高性能のブレーカーがすぐにシャットダウンします。



電気自動車は、感電を未然に防げる機能性は高いですが、長時間冠水した道路に駐車していると火災のリスクが高まります。
ガソリン車・電気自動車共に動かなくなった場合は、エンジンを切ってすぐに車から離れ、安全な場所でロードサービスや販売店に連絡しましょう。
シートベルトを切る
車が衝撃を受けると、シートベルトがロックされて、外せなくなるケースがあります。
水没時もロックされる可能性があるため、外せない場合は、切断もしくは抜け出さなければなりません。
シートベルトはハサミで切れますが、分厚く切りにくい材質であるため時間を要します。



専用のシートベルトカッターなら手早くカットできるので、緊急時でもすぐに脱出できます。
冠水した車内でシートベルトが外れないと焦ってしまいますが、落ち着いてシートベルトから抜け出して脱出することが肝心です。
窓を割って脱出
水圧でドアが開かない場合は、窓を割って脱出する必要があります。
水の深さが60㎝(A4用紙を縦に2枚並べた高さ)になると、車のドアを開けるのに20Kgの力が要ります。
座った姿勢で上半身の動力だけで横に向かって20Kgの力を出すのは、大人の男性でも難しいものです。
時間が経過すると水位が上がってくる可能性もあり、さらに開けにくくなってしまいます。
電気系統が壊れると窓の開閉スイッチも作動しなくなるため、窓を割らなければなりません。
車の窓は、スマホや鍵をぶつけるだけでは割れないぐらいの強度があります。



衝撃の強いハンマーを持っていない場合は、ヘッドレストを背もたれから外して二本の金属部分をぶつけるとガラスが割れるので、覚えておきましょう。
上記の方法でも窓が割れない場合は、外の水圧が車内と同じ水圧になると車の扉が開けられます。
ただし同じ水圧になるのは、水位が車内の天上まで達する直前なので精神的な強さが結果を左右します。
最後まで脱出できる方法を諦めずに探り続けましょう。
ゲリラ豪雨の対策|日頃の備え


ゲリラ豪雨時の運転や対処方法の知識だけでは、身を守れません。
「備えあれば憂いなし」という言葉があるように、日頃の車のメンテナンスと装備品を備えておくと、突然の雨に見舞われても安心です。
- 天気予報を確認する
- ワイパーゴムを交換する
- フロントガラスをコーティングする
- ライト点灯を点検する
- タイヤの溝を点検する
- 脱出用ハンマー・シートベルトカッターを装備
- 連絡先・通勤路の確認
事前にできる対策を7つそれぞれ紹介しましょう。
天気予報を確認する
外出する前に、天気予報アプリなどで雨雲レーダーを事前に確認しておきましょう。
雨雲レーダーは、雨雲の動きを時間経過で確認できるだけでなく、地域を指定して雨が降る時間や雨量を確かめられます。
ゲリラ豪雨の予報がある場合は、時間帯をずらしたり、早めに行動したりするなどの対策をしましょう。
ワイパーゴムを交換する
ワイパーゴムが劣化すると、フロントガラスを拭いた跡の筋が残り前方の視界が悪くなります。
大雨は、ワイパーを速く動かすので筋が常に残ってしまうと、見えにくくなります。
周りの状況が把握できないと、前方車両との追突事故や路肩にぶつかるなど事故を引き起こしかねません。
ワイパーゴムはホームセンターで購入できるうえに、ワイパーにはめるだけなので交換も簡単です。



ワイパーの拭き残りは、買い替えのサインなのでチェックしてみてくださいね。
フロントガラスをコーティングする
ワイパーを動かした跡が全体的に残っていたり、水はけが悪かったりとフロントガラスがクリアにならないことはありませんか?
もしかしたら、フロントガラスに油膜(ゆまく)が貼っている可能性があります。
- 車の排気ガスや大気中に含まれる油分
- 車体に塗ったワックスが雨と流れ落ちた油分
- 劣化した撥水コーティング剤
定期的にフロントガラスの油膜を取り除き、撥水コーティングを実施しておくと、クリアな視界で運転できます。
ただし、油膜を取り除くのに専用洗剤や専用機械が必要です。
撥水力が落ちてきたら、ガソリンスタンドや洗車業者などのプロに依頼するなど、定期的にメンテナンスしましょう。
ライト点灯を点検する
車のライトが点灯しているのを直接、目視で確認したことはありますか。
ハザードランプは一時的に点滅させて他の人へのサインに使用するため、自分の視界には入りにくく、消えていても気付きにくい傾向があります。
天候に関わらず後続車両や歩行者へ運転サインが伝わらなかったり、整備不良で罰金の対象となったりするため、ドライバーとして大事な点検です。
ガソリンスタンドは、セルフ給油が主流でライトに気付いてもらえる機会が少なくなっています。
「洗車をするときに点灯をチェックする」など、予め決めておくと習慣化できます。
近所の車や子どもの送迎時などに気付いたら、声をかけてあげるとお互いに助かりますね。
タイヤの溝を点検する
タイヤの溝がすり減るとブレーキが利きにくくなったり、スリップしやすくなったりと運転操作に関わるため、定期的なチェックをしましょう。
しかし、タイヤ1本でも値段が高いため、交換回数はなるべく減らしたいですよね。
タイヤ溝のすり減りや、劣化する原因をお伝えします。
- 走行距離
- 駐車環境
- 運転方法
走行距離が長くなるほど、タイヤの消耗は進行します。
毎日の通勤距離が長かったり、外勤で長距離運転をしたりするとタイヤの消耗が進みやすいので注意しましょう。
タイヤは紫外線に弱く、外に駐車し続けると劣化しやすくなります。
夏はアスファルトから紫外線の照り返しを受けるため、タイヤの寿命が短くなる原因のひとつです。
車庫や屋根付きの駐車が理想的ですが、難しい場合は、紫外線カット機能がある車専用カバーを使用しましょう。
車カバーは、鳥の糞や黄砂、落ち葉も防いでくれるため、洗車する機会を減らしてくれます。



教習所で習った「ゆっくりスピードを上げて、数回に分けてブレーキを踏む」セーフティードライブは、タイヤにも優しい運転方法です。
急ブレーキ・急発進はタイヤの摩擦が増えて負担がかかるため、使用できる期間が短くなります。
安全運転は、家族の命を守るだけでなく、タイヤの寿命を延ばすので日頃から心がけましょう。
脱出用ハンマー・シートベルトカッターを装備
万が一の水没を考慮して、窓ガラスの強度に合わせた緊急時のハンマーやシートベルトカッターを準備しておきましょう。
フロントガラスに「合わせガラス」が使用されており、車種によってはドアの窓も同じガラスの可能性があります。
- ガラスで特殊フィルムを挟んで接着している状態
- ガラスが割れても特殊フィルムが破れない
合わせガラスは、強度が非常に強くハンマーでも割れません。
ハンマーを購入する前に、合わせガラスが車のどこに使用されているのか、確かめておきましょう。
緊急用ハンマーは女性や高齢の方など力が弱くても扱いやすい、軽量で小型の商品を販売しています。
ハンマーとカッターが1本に集約されているので、場所もとりません。
お守り代わりに1本、常備しておくと安心材料のひとつになりますよ。
連絡先・通勤路の確認
車が動かなくなった場合は、ロードサービスもしくは車両販売店に連絡しなければなりません。
車の保険に付属しているサービスもありますが、連絡する機会が少なく、電話番号を調べるのに時間がかかります。



事前に携帯へ登録しておくと、緊急時でも連絡がスムーズになるので、現場への到着時間も短縮できて安心です。
普段よく通行する道路の水はけや、住んでいる地域の特性などを意識していますでしょうか。
山の麓であれば上から流れてきた雨水が急速に溜まりやすく、平野であれば冠水しやすい場所も多くなります。
普段から安全に駐車できるスペースがあるか、意識して運転するようにしておきましょう。
ゲリラ豪雨に遭遇したら安全な場所に停車して命を守ろう
車を運転中、ゲリラ豪雨に見舞われた際にとるべき行動について紹介しました。
- 徐行運転をする
- 後続車に自分の位置を知らせる
- 安全な場所に停車する
- トンネル出口に注意する
他の車との事故を防ぐためにも、運転中だったら早めに安全な場所に停車しましょう。
地表面が低く冠水した道路は、車が水没したり動かなくなったりするリスクがあり、「大丈夫だろう」という思い込みで進入してはいけません。
高速道路は自然環境を受けやすい道路なので、ゲリラ豪雨に限らず台風や大雪の際にも避けましょう。
- 冠水した道路
- アンダーパス
- 高速道路
万が一、車が水没して動かなくなっても、焦らず落ち着いて、すぐに脱出しましょう。
エンジンを切ってから脱出しないと、車両火災のリスクがあるため素早い判断と行動が重要です。
- エンジンを切る
- シートベルトが外せない場合は切る
- ドアが開かないなら、窓を割って脱出する
ゲリラ豪雨は、雨雲レーダーで事前に把握できたり、日頃からメンテナンスを施工したりするといつでも快適なドライブができます。
- 雨雲レーダーでゲリラ豪雨を確認する
- ワイパーゴムを交換
- フロントガラスをコーティングする
- ランプの点滅を確認
- タイヤ溝を点検
- 脱出用ハンマー・シートベルトカッターを装備する
- ロードサービスの連絡先・通勤路を事前確認する
自然の猛威は恐ろしいですが、事前に対策をしておけば被害を最小限に食い止められます。
車も家族も守れる、セーフティドライバーになりましょう。
ゲリラ豪雨について詳しく知りたい方は、こちらの記事を読むと知識が深まりますよ。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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