日常生活を送りながら備蓄ができることから、注目を集めているローリングストック。
普段からしておけば、災害時の備えになりますね。
しかし、ローリングストックのためにはスペースの確保が必要です。
興味はあるけれど、家が狭くて備蓄なんて無理……。
ストックのためのスペースが確保できない!
このようにお悩みの方は多いのではないでしょうか?
実はローリングストックのしくみは、いつも食べているものを少し多めに買うだけ。
広いスペースや大きな費用は必要ありません。
限られたスペースでも少し工夫すれば、すぐに始められるんです!
今回は、ローリングストックを始めるためのスペースの作り方や、無理なく続けるコツをご紹介します。
非常時に食べなれない食品ばかりだと、ストレスがたまって体調を崩す恐れもあります。
その点、ローリングストックをしておけば、もし災害が起きてもいつもと変わらない食事ができて安心です。
備蓄はなんだか大変そう……と思っているあなたも、この記事を読めばスタートできます!
ぜひ最後までご覧くださいね。
- ローリングストックを始めるためのスペースの作り方を解説
- 実際にストックするアイテムを紹介
- 無理なく続けるためのコツを解説
ローリングストックは場所がない家でもすぐできる!効率的なスペースの作り方
ローリングストックはいつも食べている食品を多めに買い、日々の食事で消費して、減った分を補充しながら備蓄していく方法です。
備蓄しておく量はできれば1週間分が良いとされていますが、無理のないように最初は3日分を目標に備蓄しましょう。
仮に4人家族で考えた場合、1日3食×日数であれば最低でも36食分を置く場所が必要になります。
狭い家でも工夫すれば、スペースの確保は簡単です。
ここではストックに適した場所や、スペースの作り方を解説します。
ストックする場所はキッチンがベスト
ストックする場所としてベストなのはキッチンです。
ローリングストックは備蓄しながらも、普段の食事で食品を消費していくからです。
キッチンに買い置きのスペースがあれば、今より少し広げるくらいで始められますよ。
普段あまり開けないような場所に入れてしまうと、使わないまま食品の賞味期限が切れる原因になります。
効率良く消費と補充をするためにも、よく食べる食品はキッチンの目につきやすいところに置くようにしましょう。
まずはキッチンを片付ける
キッチンに買い置きする場所がなければ、まずは片付けましょう。
備蓄スペースを作るなら、物を減らすのが最も効果的だからです。
物でいっぱいになっている収納を、一度整理してみましょう。
キッチンの吊り戸棚や食器棚に、めったに使わないのに場所を取っているだけの物はありませんか?
たとえば下記があげられます。
- なんとなく取ってある食器
- 珍しい調味料
- 必要のないベビー用品
不要な物は思い切って処分し、今使う物だけを残すのがポイントです。
物を片付けると簡単にスペースが空けられるので、ぜひやってみてください。
コンパクトにローリングストックをするためにも、収納場所は常に片付けておきましょう。
片付け自体が苦手であれば、こちらの記事も参考になります。
デッドスペースを利用する
思うように場所が作れないのであれば、デッドスペースがないか探してみてください。
壁と家具の隙間など、使えそうな場所はないですか?
これまで気づかなかった意外な場所が収納になることもあります。
収納に便利なアイテムを使うのも一つの手。
特にシンク下の収納ラックは、すぐに置く場所が確保できるので、狭いキッチンにぴったりのアイテムです。
分散収納してもOK
キッチンだけでは全て収納するのが無理という場合は、分散収納をしましょう。
収納場所を複数にすれば、場所の確保がしやすいですよね。
あまり頻繁に消費しない食品は、キッチン以外の場所にストックしましょう。
分散収納は下記のメリットがあり、狭い家のローリングストックに向いているんですよ。
- 火災や倒壊などでストックが食べられなくなるリスクが分散する
- 知らないうちに家族が食べてしまう恐れがない
- 賞味期限で場所を分ければ消費のサイクルが分かりやすい
災害時のリスクをできるだけ分散するためにも、いろいろな場所に収納しておきましょう。
特に、安全対策をしっかりしている部屋がおすすめです。
子供部屋などは家具が倒れないように、念入りに安全対策をしていることが多いですよね。
災害が起きて家具が倒れたりドアが開かなくなったりすると、ストックを取りに行けなくなるかもしれません。
災害の影響がなるべく少ないところが、ストックの収納場所に適しています。
ストックの置き方にも気を付ける
スペースの確保だけでなく、ストックの置き方も大事なポイントとなります。
使うときに取り出しにくかったり、災害時に重い物が落ちてきたりするような置き方はNGです。
重いものや壊れやすい物は下の段に置き、上の段に軽い物を置くようにするのが基本ですよ。
かさばりがちな物は立てて入れることで省スペースになり、見つけやすくもなります。
また、高い場所に置く場合は箱やケースに食品を入れて、取り出しやすくしておきましょう。
100円ショップで購入できるような、ファイルボックスやかごが収納に役立ちます。
ローリングストックにおすすめのアイテム
上の写真は農林水産省による、大人1人として考えた場合の3日分の備蓄の例です。
ここでは、ローリングストックで実際に備蓄していくアイテムについてご紹介しますね。
仮に4人家族の家庭が3日分のローリングストックを始めるとしたら、下記を常に備蓄することになります。
- 食品 :レトルト食品や缶詰などを36食分
- 水 :36リットル
- 熱源 :カセットコンロ1つとカセットボンベ1本
- 日用品:ポリ袋やラップなどを普段のストック+1
それでは、一つずつ見ていきましょう。
食品
ローリングストックは、災害時に家で食べることを考えた備蓄方法です。
そのため非常食である必要はなく、食品は普段食べなれているものを購入しましょう。
ただし備蓄用の食品を選ぶ際には、下記の3つを満たしたものが好ましいとされています。
- 賞味期限が半年以上と長めである
- 常温保存ができる
- 短い時間で簡単に調理できる
ストックするときのポイントは、栄養バランスを考えて主食・主菜・副菜をそろえることです。
炭水化物に偏ることなく、ビタミンやミネラル、たんぱく質なども摂取できる食品を買うようにしてください。
ローリングストックに向いている食品を主食・主菜・副菜ごとにまとめると、下記のようになります。
- 無洗米
- パックご飯
- 乾麺(うどん・そば・パスタなど)
- カップ麺
- 即席麺
- 餅
- 缶詰パン
- レトルト食品(カレーやパスタソースなど)
- 肉・魚・豆の缶詰
- 乾物(かつお節、桜えびなど)
- 乾物(ひじきや切り干し大根など)
- 野菜の缶詰
- レトルト食品(野菜の煮物など)
- インスタントやフリーズドライの汁物
- 常温保存可能な野菜ジュース
災害時のストレス緩和のために、お菓子や飲料などの嗜好品も備蓄しておくと安心です。
うちには0歳と3歳の子どもがいるんですが、4人家族だとどのようにストックしていくのか知りたいです!
夫婦2人、乳幼児2人の4人家族で試算した場合、ローリングストックのために買う食品の例(3日分)は下記のとおりです。
【主食】 無洗米 5kg パックご飯 6個 パスタやうどんなどの乾麺 2袋 カップ麺 3個 |
【主菜】 魚や肉の缶詰 12缶 レトルトカレー 9袋 パスタソース 6袋 |
【副菜】 即席スープ 9個 レトルトの煮物 3個 切り干し大根 1袋 常温保存可能な野菜ジュース 12本 |
【嗜好品など】 果物の缶詰 1缶 スナック菓子やチョコレートなど 3個 500mlのペットボトル飲料 6本 調味料各一式 |
【乳児の食事】 離乳食 3日分以上 粉ミルクや液体ミルク 3日分以上 乳児のおやつや飲料 3日分以上 |
上記はあくまで例なので、備蓄する食品の種類や量は家庭によってさまざまです。
家族の人数や好みに沿って、ストックの内容を決めていきましょう。
無駄を省くためには、買い物の前に家にある食品を確認することが大事です。
普段の食事を参考にしながら、ローリングストックするなら何を買い足すべきなのか考えてみてくださいね。
水
水の備蓄の目安は、1人あたり1日3リットル×日数分です。
4人家族で3日分をストックすると考えた場合、最低でも36リットルの水の備蓄が必要となります。
2リットルのペットボトルであれば、18本分をストックすることになり、収納場所に困ってしまう方もいるのではないでしょうか。
一か所に入りきらない場合、水は分散収納しましょう。
ミネラルウォーターや長期保存水が一般的ですが、定期的に届けてくれるウォーターサーバーもおすすめです。
なお、上記の目安は飲料用と調理用として考えた場合の量です。
最低限の生活をするために必要な生活用水は、1人あたり1日10~20リットルであるといわれています。
災害時に湯せんや手を洗うのにも水を使いたい場合は、目安より多めのストックが必要なので注意してくださいね。
熱源
ローリングストックでは、カセットコンロやカセットボンベも忘れずに置いておきましょう。
熱源があれば、ライフラインが止まってしまってもストックした食品を食べられるからです。
東京ガスが2021年に行った実験調査によると、4人家族が使う場合は1週間で約5本のカセットボンベが必要という結果になっています。
4人家族であれば、カセットコンロ1つとカセットボンベ5本を常にストックしておけば安心ですよ。
日用品
日用品のストックも必要ですが、買いすぎるとあっという間に収納場所がなくなってしまいます。
そのため、災害時にも役立つものに絞って備蓄することがポイントとなります。
具体的には、下記の日用品がローリングストックにおすすめです。
- ポリ袋
- 除菌シート
- 除菌スプレー
- トイレットペーパー
- 乾電池
- アルミホイル
- ラップ
- キッチンペーパー
- クッキングシート
普段の生活で使えますし、災害時にもいろいろ活用できて便利なんです!
たとえば、ストックしておけば災害時に下記の使い方ができます。
- ポリ袋…手袋や食器代わりにするほか、湯せんにも使える。
- トイレットペーパー…テッシュとしても使える。
- ラップ…食器を洗う際のスポンジ代わりになる。また、紙皿に巻くと何回も使えてゴミを減らせる。
日用品は買いすぎると場所を取るので注意しましょう。
普段ストックする量に1個買い足す程度にすれば、限られたスペースでも無理なく置けますよ。
無理なくローリングストックを続けるためのコツ
いざローリングストックを始めても、消費しながらうまく食品を備蓄できるか不安に思っていませんか?
「食べる前に賞味期限が切れた」「消費したのに補充が面倒でそのままになってしまった」というのは避けたいところです。
無理なく続けるためのコツは下記の3つです。
- 賞味期限が長い水を備蓄する
- 何があるかすぐ分かるように収納する
- ストックを食べる日を作る
一つずつご紹介していきますね。
賞味期限が長い水を備蓄する
レトルト食品やカップ麺などとは違って、備蓄用の水を定期的に消費して補充するのは大変ですよね。
そのため、水は賞味期限が長いものを購入してストックするのがおすすめです。
長期保存水は殺菌処理をしっかりしているため賞味期限が長く、管理の負担を減らしてくれるというメリットがあります。
下記の表で、一般的なミネラルウォーターと長期保存水の賞味期限を比較しました。
一般的なミネラルウォーターの賞味期限 | 1~2年 |
長期保存水の賞味期限 | 5~10年 |
長く保存できる水ほど値段が高くなっていきます。
コストの面で難しい場合は、普通のミネラルウォーターと半分ずつ備蓄してもOKです。
何があるか分かるように収納する
ローリングストックは賞味期限が早いものから消費して、食べた分を補充しながら備蓄をするというしくみです。
そのため、食品の賞味期限を切らさないように工夫することが大事です。
買い置きをすると、奥から同じ食品がいくつも出てくることがよくあります。
賞味期限も切れていて……。
在庫を管理するのって難しいですよね。
実は、効率的にローリングストックするための収納方法があるんです!
食品を収納する際は、何があるか見てすぐ分かるようにしましょう。
食品の在庫が把握しやすいと、何を食べて何を買い足すべきなのかが簡単に分かるようになります。
たとえば、下記のように食品を収納していくのがコツです。
- 取り出しやすいケースに食品を入れる
- ケースにラベリングをして何が入っているのか分かるようにする
- 主食・スープ類など種類ごとに分けて入れる
- 食品を立てて入れて見やすくする
また、賞味期限の確認が面倒なこともあるでしょう。
その場合も、自分にとって分かりやすくすることで解決できます。
賞味期限のチェックを簡単にするためには、下記のアイデアを参考にしてみてください。
- 賞味期限を書いた備蓄リストを作る
- 買ってきたものを奥に補充して手前に古いものが来るようにする
- 食品の側面に賞味期限をペンで大きく書く
ローリングストックはただ備蓄をするのではなく、消費と補充を繰り返します。
在庫と賞味期限をチェックしながら古い食品から食べて、上手に循環させるようにしてください。
ストックを食べる日を作る
買い置きの習慣がないと、備蓄してもあまり食品を食べない、反対に消費したのに補充し忘れてしまうこともあると思います。
そのような場合は、定期的に消費と補充ができるように、ストックを食べる日を決めておきましょう。
たとえば、下記のような方法が分かりやすいです。
- 週末の昼食はカップ麺にする
- 週に一度は好きなレトルト食品を食べる
- 給料日前は買い物に行かずストックで済ませる
イベントのようにあえて消費する日を設けておくと、楽しくローリングストックできます。
簡単に食べられるものばかりなので、食事を作るのも楽になりますね。
食べたらすぐに買い足して備蓄の状態を常に保ちましょう。
【まとめ】ローリングストックは簡単!安心のためにも始めてみよう
今回はローリングストックについてお伝えしてきました。
ローリングストックはいつも食べている食品を多めに買うだけで、簡単に始められる備蓄方法です。
定期的に消費をするため、食品を置く場所はキッチンがベストです。
キッチンに買い置きのスペースがない場合は、下記の方法で確保しましょう。
- キッチンを片付ける
- デッドスペースを利用する
- 分散収納する
無理なく続けるためのコツも3つご紹介しました。
- 賞味期限が長い水を備蓄する
- 何があるか見て分かるように収納する
- ストックを食べる日を作る
災害時に避難先で食べられるように持ち出し袋には非常食を入れておき、普段からローリングストックもしておくのが賢い備えです。
災害で自宅避難になったとしても、ローリングストックをしておけば食べ物に困りません。
ストレスが多いときでも普段と同じものが食べられるのは、嬉しいですよね。
今の生活を少し変えるだけでできるので、安心のためにもぜひ始めてみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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