新年におせち料理を食べるのはどうしてだろう?
お正月になると多くの日本人が食べるおせち料理。
そんな私たちの身近なおせち料理について、あなたはどれくらい知っていますか?
日本人には馴染みのあるものですが、実はその歴史を見るとかなり奥の深い伝統ある日本の文化の一つとも言えるのです。
この記事では以下のことについてお伝えします。
- おせち料理の由来や歴史
- 食材に込められた意味
- 近年の流行
おせち料理の意味や歴史が分かると、より美味しく食べることができますよ♪
おせち料理の由来と歴史について
おせち料理はいつから始まったものなのかな?
そもそもおせち料理がいつから始まったものなのか、あなたはご存知ですか?
まず初めに、由来とその歴史についてみていきましょう。
おせち料理の由来には諸説ありますが、季節の変わり目ごとに豊作を感謝し、その土地で取れたものを神様にお供物をした「節供(せちく)」に由来すると言われています。
- 中国から稲作が伝わり、収穫したお米を神様に奉納する文化が生まれる
- 宮中行事の一つとして新年を祝うようになる
- 江戸幕府により、五節句が祝日となる
- 新年を祝う節日であるお正月が最も重要な五節句と考えられるようになる
- 庶民におせち料理が広まり、お正月に家族揃って食べるようになる
- 一つ一つの料理に意味を持つようになる
- 「重箱を重ねる=めでたさを重ねる」という意味を持ち、重箱スタイルとなる
- おせち料理を作る文化から買う文化が広まる
- 『おせち』という名称が広まる
弥生時代に稲作が中国から日本に伝わったことを機に、日本では収穫したお米を神様に奉納する文化が浸透しました。
平安時代になると、「御節供(おせちく)」という、季節が変わるごとに神様にご飯をお供えする文化が宮中を中心に広まりました。
その中でも新年に神様に感謝する「正月」が最も大きな行事となります。
これにより「おせち=新年を祝う食事」という意味を持つようになったと考えられています。
実はおせちと呼ばれるようになったのは近年になってからです!
おせち料理の意味について
子供におせち料理の意味を聞かれたけど分からないな…
何気なく食べている料理にも実は意味があることをご存知ですか?
江戸時代に御節供の文化が庶民に普及してからさまざまな食材が使用され、料理一つ一つに意味を持つようになりました。
重箱を重ねるようになったのは明治時代前後ですが、これには「めでたさ(福)を重ねる」という意味があり、四段あるいは五段が正式と考えられています。
各段とそこに入る料理にはどのような意味が込められているのでしょうか?
一段目:祝い肴
重箱の一番上の段を「一の重」とよび、主にお酒のつまみになるような料理が入ります。
- 黒豆
- 無病息災
- 黒く焼けるほどマメに働けるようにという健康と勤勉を願うもの
- 田作り
- 五穀豊穣を願うもの
- 数の子
- 子孫繁栄を願うもの
- たたきゴボウ
- 家の安泰を願うもの
二段目:口取り
祝い肴と同様に、お酒のつまみになるような料理を指しますが、一段目よりも見た目や色が華やかなのが特徴です。
- 伊達巻
- 巻物=文化を表すことに由来し、文化の発展を願うもの
- 巻物の形が書物を連想させることから学業成就を願うものでもある
- 栗きんとん
- 金運を運ぶ縁起物
- 紅白かまぼこ
- 半月の形から初日の出を連想させ、縁起良いもの
- 赤色は魔除け、白色は清浄を意味する
三段目:海の幸や川の幸、焼き物や酢の物など
おせち料理の中でもメインの食材が主に入り、色鮮やかな材料が使われることが多いです。
- 伊勢エビ
- 長寿を願うもの
- 昆布巻き
- 「よろこぶ」の言葉にかけた縁起物
- 紅白なます
- 紅白の水引きをなぞらえた縁起物で、平和や平安を願うもの
与段目:山の幸の煮物
四=死を連想させることから、四の重と書かずに与の重とします。
与の重には山の幸の煮物を入れることが多いです。
- クワイ
- 芽が出る縁起物
- レンコン
- 「先の見通しがよいように」と願うもの
- 里芋
- 「子宝に恵まれるように」と願うもの
五段目:控えの重
重箱が五段の場合に使用しますが、食材ではなく願い事を詰める重として使用します。
しかし最近では五段目を使用する頻度が減っており、見かけることも少なくなりました。
一つ一つの料理に新年の幸せを願う意味が込められているんですね!
近年変化するおせち料理とは?
今日では年末に近づくとデパートはもちろん、コンビニや通販サイトからおせち料理を予約することができるようになりました。
これまでのおせち料理とは異なる最新のトレンドや変化した理由についてみていきたいと思います。
おせち料理は作らずに買うもの?
かつては年末に母親がおせち料理を作り、新年に食べることが当たり前でした。
しかし最近ではおせち料理を買う人の方が多くなっています。
その理由に、昔と今の家族のスタイルが変化したことが大きく挙げられます。
核家族や共働き世代の増加、また少子化や未婚化が進んだことで、たくさんのおせち料理を作る機会が減ってきています。
そのため最新のおせち料理は量が少なく、食べ切れるサイズで販売される機会が増えました。
夫婦で2人暮らしなので、少量サイズのおせち料理を毎年買います!
和洋折衷のおせち料理
また近年注目されているおせち料理には和洋折衷のものもあります。
中華料理の場合はエビチリや角煮など、洋食の場合はロブスターや鴨肉のロースト、ロブスターなどが入っています。
彩がよく写真映えすることや、子供が食べやすいことも人気の理由の一つのようです。
洋風のおせち料理だと小さい子供もたくさん食べられますよね。
おせちを食べる意味 まとめ
おせち料理の由来や歴史は以下の通りです。
- 起源は弥生時代
- 平安時代には宮中行事として新年のお祝いをしていた
- 江戸時代になり庶民に徐々に浸透し始めた
- 重箱に詰めるスタイルになったのは第二次世界大戦後
料理の意味は次のようになっています。
- 黒豆 :無病息災・健康と勤勉
- 田作り :五穀豊穣
- 数の子 :子孫繁栄
- たたきゴボウ:家の安泰
- 伊達巻 :文化の発展・学業成就
- 栗きんとん :金運を運ぶ
- 紅白かまぼこ:魔除け・清浄
- 伊勢エビ :長寿
- 昆布巻き :よろこぶ
- 紅白なます :平和・平安
- クワイ :芽が出る
- レンコン :先の見通しがよいように
- 里芋 :子宝に恵まれるように
近年の流行は次の通りです。
- おせち料理は作らずに買う人が多い
- 和洋折衷など伝統に縛られない料理が人気
- どのおせち料理にも新年を祝う意味が同様に込められている
毎年食べるおせち料理ですが、そこには長い歴史と平和を願う人々の思いがあります。
現代社会に合わせて徐々に形は変化していますが、新年を祝福する縁起物であることには変わりありません。
各自のライフスタイルに合わせ、1年間の労いと新年の幸せを願いながらおせち料理を堪能しましょう。
お子様にも意味を分かりやすく伝えたい方はこちらをご覧ください♪
最後までご覧いただきありがとうございました。
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