
エシカルファッションって興味があるけど、企業は具体的にどんな取り組みをしているのかな?
エシカルファッションという言葉をご存じでしょうか。
ファッション業界と言えば、大量生産、大量消費のファストファッションが流行りでしたが、昨今は意識の高まりから環境や働く人の人権に配慮したエシカルな服作りが意識されてきています。
一見すると、エシカルファッションとファストファッションは対極の立場にあるように見えます。
しかし日本を代表するファストファッションブランド、ユニクロでもエシカルを意識した取り組みが行われています。
この記事では、ユニクロがどんなエシカルな取り組みをしているのか、そして私たちがユニクロを通じてできるエシカルな取り組みについてご紹介します。
最後までお読みいただけますと幸いです。
エシカルファッションとは?


- エシカルファッションの定義
- ユニクロにおけるエシカルファッションの理念
エシカルとは、英語で倫理的な、道徳的なという意味です。
またエシカルファッションという言葉を耳にしたことがあっても、具体的にどんな服がエシカルファッションにあてはまるのか知らない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、エシカルファッションの定義とユニクロにおけるエシカルファッションとはどのようなものかについて紹介します。
エシカルファッションの定義



具体的にどういうものがエシカルファッションと言えるの?
エシカルファッションの定義は、素材の生産工程から洋服となるまでの製造、そして販売に至るすべての工程で、環境や人権にも配慮してつくられたファッションであるということです。
エシカルファッションの取り組み例として、以下のようなことが挙げられます。
- 環境に優しい素材や成分を使用・開発する
- 水の使用量を減らす
- エネルギーやゴミをリサイクルする
- 労働者の賃金・働く環境・権利を守る
- 有毒な殺虫剤や化学物質の問題に取り組む
- 動物の権利を守る
これらの取り組みを通じて、ファッション業界がより持続的で公正なものになることをエシカルファッションは目的としています。
ユニクロにおけるエシカルファッションとは?
ここからは、ユニクロにおけるエシカルファッションとは何かについて見ていきましょう。
ユニクロはよい服をつくり、よい服を売ることで、世界をよい方向へ変えていくことができるという信条を掲げています。
そのために以下の3つの基準を満たす服作りをしています。
- よい服とは、シンプルで、上質で、長く使える性能を持ち、あらゆる人の暮らしを豊かにできる服。
- 自然との共生を考え、つくられる過程で、革新的な技術を使い、地球に余計な負荷をかけない服。
- 健康と安全と人権がきちんと守られた環境で、いきいきと働く多様な人々の手でつくり届けられる服。
ユニクロは、このようなエシカルな服作りを通じてエシカルファッションを目指しています。
ユニクロのエシカルな取り組み


- 環境への取り組み
- 社会への取り組み
前章ではユニクロのエシカルファッションの理念についてご紹介しました。
それではユニクロは具体的にどんなエシカルな活動をしているのでしょうか。
ここからは環境への取り組み、社会への取り組みの大きく2つに分けて、取り組み内容をご紹介します。
環境への取り組み
ユニクロの環境への取り組みには、以下のようなものがあります。
- 古着の販売
- 環境に配慮したダウンとフェザーの調達
- 水資源の管理
まず古着の販売から見ていきましょう。
ユニクロは循環型社会への取り組みのひとつとして、UNIQLO古着プロジェクトby RE.UNIQLOという古着の販売活動を行っています。
RE.UNIQLO回収ボックスから回収した服を洗浄・染色をすることで、新しい価値を持った服へ生まれ変わらせ、服の廃棄を減らしています。



ユニクロの古着は世田谷千歳台店(東京)、天神店(福岡)、前橋南インター店の3店舗で購入することができます。
次に、環境に配慮したダウンとフェザーの調達についてです。
ユニクロは動物に配慮した方法で育てられ、採取されたダウンやフェザーを使用する取り組みを進めています。
生きた鳥からの羽毛採取や強制的な餌付けなど、動物に不当な扱いを行っていないことを保証する国際認証基準であるRDS(Responsible Down Standard)の認証を、ダウン商品の生産に携わるすべての取引先縫製工場が取得しています。



動物に配慮された商品なら安心して購入できますね!
最後は、水資源の管理についてです。
服作りは剤利用の栽培の過程、染色などの生産過程などで多くの水を使用する産業です。
ユニクロは、水消費量や水質汚染物質の把握と削減、水不足地域での水資源保全活動への協力など、原材料の調達から生産、販売までのすべての過程において、地域の水環境の課題を特定しその解決に取り組んでいます。
また水洗い不要で清潔さを保つ「ウォッシャブルニット」や「ウォッシャブルセーター」などの商品開発にも力を入れ、購入後の水資源の節約にも貢献しています。



環境に配慮しているうえ、洗わなくても清潔を保てるなんて素晴らしい!
社会への取り組み
次は社会に対してはどんな取り組みを行っているのか、見ていきましょう。
- 次世代教育活動
- 難民の自立支援
- 取引先工場の従業員に対する教育やキャリア支援
まず、次世代教育についてです。
服のリサイクルについて考える出張授業“届けよう、服のチカラ”プロジェクトを日本全国の学校で展開したり、ユニクロのお店で実際に働くことで社会について学べる職場体験を提供しています。
また、世界各地で展開する「UNIQLO FELLOWSHIP PROGRAM」では、優秀な学生に奨学金やインターンシップを提供し、将来のリーダー育成に貢献しています。



子どもたちの可能性を最大限に引き出すための、さまざまな学びの場を提供しています。
次は、難民の自立支援について見ていきましょう。
ユニクロは難民に服を提供するだけでなく、難民自身が生きる力を身につけ、自分自身の力で未来を切り開いていけるよう支援をしています。
これまでに、アジア6カ国(インド・イラン・マレーシア・ネパール・パキスタン・バングラデシュ)で、UNHCRを通じた自立支援プログラムを展開しました。
縫製技術やパソコン操作といった職業訓練、起業のための経営知識の研修、在宅ワークなどをサポートすることで、多くの難民たちが経済的に自立し、安定した生活を手に入れるための手助けをしています。



服の支援といった一時的なものだけでなく、難民の生活に介入することで根本的な解決を目指しています。
最後に、取引先工場の従業員に対する教育やキャリア支援について見ていきましょう。
ユニクロは、2019年当時パートナーシップを結んでいたUN Women(国際女性機関)とともにバングラデシュの取引先工場で働く女性従業員のためのトレーニングプログラムを開発しました。
当プログラムは2021年より本格的に運用され、管理職になる意欲をもつ女性たちのキャリアアップをサポートし、着実に女性管理職の数を増やしています。
このように文化的・社会的な背景によらず、女性たちが自分の夢を叶えるために取り組んでいます。



働く人がやりがいをもって働けることは、持続的な運営に不可欠な要素です。
ユニクロを通じて私たちに出来るエシカルな取り組み


ユニクロが企業として行っているエシカルな取り組みを見てきましたが、ここからはユニクロを通じて私たち個人にもできるエシカルな取り組みを2つ紹介します。
- 不要になったユニクロ商品を店舗のリサイクルボックスへ入れる
- 瀬戸内オリーブ基金に募金する
不要になったユニクロ商品を店舗のリサイクルボックスへ入れる
ユニクロは全商品をリサイクル、リユースする取り組み「RE.UNIQLO」を進めています。
不要になったユニクロの服をリサイクルボックスに入れることで、リユースとして活用し、難民キャンプや被災地への緊急災害支援など、世界中の服を必要としている人たちに服を届けることができます。
ダウンについては、回収したダウンから素材を取り出し、新たなダウンを作る際に使用されています。
またリユースできない服でも、燃料やリサイクル素材として活用しています。



ダウン商品については、ボックスに入れずに店員さんに手渡しましょう。キャンペーン中であれば割引クーポン券がもらえます。
瀬戸内オリーブ基金に募金する
瀬戸内オリーブ基金は、1990年代当時、日本最大規模といわれた有害産業廃棄物の不法投棄事件「豊島事件」をきっかけに設立されました。
募金された資金は美しいふるさとや海を守る活動や事件を風化させないよう語り継ぐための活動に活用されます。



全国の店頭に募金箱があるので、余裕があれば募金してみて下さい。
エシカルファッションって何?ユニクロのエシカルな取り組みと私たちにできること まとめ
この記事では、エシカルファッションの定義、ユニクロのエシカルな取り組み、ユニクロを通じて私たちにできるエシカルな取り組みについて紹介しました。
エシカルファッションとは、素材の生産工程から洋服となるまでの製造、そして販売に至るすべての工程で、環境だけでなく人権、労働問題にも配慮してつくられたファッションです。
ユニクロでも「よい服をつくり、よい服を売ることで、世界をよい方向へ変えていくことができる」という信条のもと、エシカルな取り組みを行っています。
具体的なユニクロのエシカルな取り組みは以下の通りです。
- 古着の販売
- 環境に配慮したダウンとフェザーの調達
- 水資源の管理
- 次世代教育活動
- 難民の自立支援
- 取引先工場の従業員に対する教育やキャリア支援
また、不要になったユニクロ商品をリサイクルボックスへ入れたり、瀬戸内オリーブ基金へ募金することで、私たちもユニクロを通じてエシカルな取り組みを行うことができます。
環境や働く人を尊重するエシカルファッションの取り組みは、持続可能な社会の実現に貢献し巡り巡って私たちの生活も豊かなものにします。
企業だけでなく個人でも取り組める活動があるので、出来ることから一つずつエシカルファッションと向き合っていきましょう。



エシカルな取り組みが今後も広がっていくと良いですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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