近頃エコバッグやSDGsの普及など、サスティナブルな取り組みが注目されるようになりましたね。
テレビやSNSでも頻繁に取り上げられるので、意識することが増えた気がします。
サスティナブルの普及に伴って「具体的な取り組みには、どんなものがあるの?」と興味を持つようになった方も多いのではないでしょうか。
サスティナブルな取り組みの中には、フードロスを減らす食事を意識するや、使い捨ての容器やコップを減らすなど、身近にできる行動もたくさんあります。
この記事では、特に身近な衣料品に使われる取り組みに注目してご紹介していきます。
サスティナブルな取り組みは、環境に優しいだけでなく、体や健康にも良い影響が期待できる点も魅力です。
この記事を読み終える頃には、きっとあなたも身近なところから始めるヒントを見つけられるはずです!
- サスティナブルな素材とはどんなもの?
- 衣料品に使われるサスティナブルな素材8つ
- サスティナブル素材を使うメリット、デメリット
- 有名衣料品メーカーの商品5選
サスティナブルな素材とは?衣料品にも使われている!
サスティナブルな素材とは、生産から廃棄に至るまでのすべてのプロセスにおいて、「持続可能」である素材のことです。
では、持続可能な素材とは具体的にどんなものなのでしょうか。
一般的には、以下の要件を満たす素材を指します。
- 環境問題に配慮した素材であること
- 社会的・経済的にも配慮されていること
それでは順番に見ていきましょう。
環境問題に配慮した素材であること
サスティナブルな素材であるための1つ目の要件は、環境に優しい素材であるかどうかです。
環境に優しい素材であるためには、原料の栽培や加工の過程から、消費、廃棄に至るまで、どのプロセスにおいても配慮されている必要があります。
プロセスごとのポイントはこちらです。
- 生産:栽培や加工で農薬や科学肥料を使わず、環境に負担が少ない製造方法であること
- 消費:耐久性があり、長期間使用できること
- 廃棄:廃棄物を最小限に抑えられる、あるいはリサイクルして活用できること
例えば、長期間使うことができる素材があったとします。
しかし生産過程で大量の水を必要としたり、多くの二酸化炭素を排出したりしてしまうと、環境に配慮しているとは言えませんよね。
資源を維持できるように配慮されているんだね!
社会的・経済的にも配慮されていること
製造過程で生産者や労働者の安全や健康に配慮されているかどうかも、大切な要素です。
公平な労働条件のもとで作られていなければ、社会的にも配慮されているとは言えませんよね。
また、適切な賃金で雇用されているということも持続可能であるためには大切な条件の1つです。
サスティナブルな素材はこのように、どのプロセスにおいても持続可能であることを目標にしています。
サスティナブルな素材で作られている商品を使うことで、私たちも環境に優しい取り組みができるんだね!
サスティナブル素材|衣料品に使われるもの8つ
サスティナブルな素材は、身近な衣料品にも使われていることがあります。
衣料品に使われることが多いサスティナブルな素材はこちらです。
- オーガニックコットン
- バイオマス素材
- 再生セルロース素材
- リサイクルポリエステル
- アニマルフリー素材
- フェアトレード素材
- 無水無染色素材
- アップサイクル素材
最近は、さまざまなブランドがサスティナブルな商品を扱っています。
もしかしたら、聞いたことがある素材もあったのではないでしょうか。
それぞれの素材にどんな特徴があるのか、順番に見ていきましょう!
オーガニックコットン
オーガニックコットンとは、農薬や追肥などの科学薬品を使わずに生産された人にも環境にも優しいコットンです。
化学物質を使用しないことは、土壌の健康を保つことにも繋がります。
化学物質が使われていない土壌は、水分を保つ力が高く、水の使用量が従来より少なくなると言われています。
Tシャツやパーカーなどの、比較的身近な商品にも使われていますよ!
バイオマス素材
バイオマス素材とは、サトウキビや竹などの植物や動物由来の廃棄物など、再生可能な有機資源から作られた素材です。
原料が石油などの化石燃料ではなく、自然由来の原料なので環境への負担も少なくなります。
また、バイオマスは「カーボンニュートラル」だと考えられています。
カーボンニュートラルとは、原料の植物が光合成によって吸収したCO2と廃棄する際のCO2量同じで、CO2の実質排出量がプラスマイナスゼロになることです。
このため、環境への負荷を減らすことに繋がります。
再生セルロース繊維
再生セルロース繊維とは、植物を原料とした人口的な化学繊維のことです。
素材例としては、レーヨンやリヨセル、キュプラなどがあります。
特徴としては、肌触りが良く光沢があります。
肌着などのタグをチェックしてみると、レーヨンやリヨセルなどの素材が使われていることも多いですよ!
リサイクル素材
リサイクル素材には、リサイクル(再生)ポリエステルやリサイクル(再生)コットンなどがあります。
リサイクルポリエステルはペットボトルやフィルムくず、古着など本来廃棄される予定だったものを繊維に加工しています。
新しく服を作るときには、裁断後に布の切れ端が余ります。
余った切れ端で作ったリサイクルコットンも「リサイクル素材」に分類されるものの1つです。
アニマルフリー素材
アニマルフリー素材とは、文字通り、非動物性の原料でつくられた素材です。
動物の毛皮やダウンを使わずに、植物の葉や人工的な素材を用いて作られたものや、動物実験が行われていないことも特徴の1つです。
最近では、フェイクファーやヴィーガンレザーなど、アニマルフリー素材を使った商品を出しているブランドも増えてきています。
ヴィーガンレザーの原料には、リンゴやパイナップル、サボテンなどの植物が使われていることもあります。
フェアトレード素材
フェアトレードな素材とは、生産者が適正な賃金で雇用され、公正な労働条件のもとで作られた素材のことです。
作られた原料や製品を公正な価格で取引きすることがフェアトレードの特徴であり、社会問題の解決にも繋がると注目されています。
フェアトレードの商品にはオーガニックコットンなどの衣料品以外にも、コーヒーやカカオなど食品でも取り組まれていますよ!
無水無染色素材
無水染色素材とは文字通り、製造過程で水をほとんど使わずに染色した素材のことです。
生地を染めるときに大量に使う水や、廃水を処理する問題が解決できるので、環境への負担も少なくなります。
染めたあとの廃水が適切に処理されないと、川や海に流れ込んでしまう危険性もありますよね…
アップサイクル素材
アップサイクル素材とは廃棄物や不用品を加工して、新たな価値のある製品として再利用したもののことです。
「リサイクル素材」に分類される素材と、不要になったものを使うという面では似ています。
しかし、アップサイクル素材では素材を分解して繊維を新しく作ることはしません。
元の素材の特徴を活かしたまま加工し、より価値のある製品に生まれ変わらせるイメージです。
素材ごとの特徴をそのまま使うことで個性が生まれ、ファッションやインテリアの分野で特に注目されている取り組みです!
不要になったものをそのまま使うので、廃棄物の削減や資源の節約にもなりますね。
サスティナブル素材を使うメリットとデメリット
サスティナブルな素材は環境への負荷を減らし、あらゆる面で持続可能な素材として注目されています。
しかしメリットがある一方で、これからの課題となる点も存在します。
ここからはサスティナブルな素材のメリットとデメリットについて詳しく説明します。
メリット
サスティナブル素材のメリットは以下のとおりです。
- 地球環境への負荷を軽減できる
- 人体や健康に優しい素材である
- 社会的、経済的な問題の解決にも繋がる
サスティナブルな素材を使用することは、廃棄物の削減や資源の節約になり、地球環境への負担の軽減にも繋がります。
化学薬品や染料の使用も最低限に抑えているので、作物を育てている土壌や人体にも優しい素材です。
また、「持続可能な素材」の定義には、適正な雇用形態と労働環境で作られていることも含まれています。
つまりサスティナブルな取り組みが広がることは、社会的、経済的な問題の解決にも繋がるのです。
デメリット
サスティナブル素材のデメリットは以下のとおりです。
- 製造コストがかかる
- 大量生産ができない可能性がある
- 品質やデザインが限られることもある
サスティナブルな素材は、生産時に手間やコストがかかります。
オーガニック製品では農薬を使わない分、手作業で害虫の駆除などを行っています。
労働力や管理にコストがかかるので、製品の価格が高くなってしまうのです。
また植物由来の製品やアップリサイクル素材は、素材を大切にしており、製造に手間がかかるうえに供給が安定しないこともあります。
このため作ることができるデザインは限られ、大量生産にも向きません。
サスティナブルな取り組みは、環境問題や社会問題にメリットがある一方で、コストや手間がかかるなどのデメリットもあります。
しかし、持続可能な社会の実現のためには不可欠な取り組みです。
生産者だけでなく、消費者にもサスティナブルな取り組みを認知してもらい、今ある課題に社会全体で取り組んでいくことが大切ですね!
サスティナブル素材を使う有名衣料品メーカーの商品5選
サスティナブルな商品は、ナイキやユニクロなどの世界的に有名な企業からも提供されています。
今回は有名な衣料品を扱うメーカーの商品を、5つ紹介します。
- UNIQLO(ユニクロ)|ダウンジャケット
- NIKE(ナイキ)|シューズ
- adidas(アディダス)|シューズ
- H&M(エイチアンドエム)|カバンや靴
- Patagonia(パタゴニア)|Tシャツやジャケット
聞いたことがあるブランドもあったのではないでしょうか?
身近なブランドから出ている商品から探してみると、普段の生活にも取り入れやすいですよ♪
それぞれのメーカーの取組みや商品の特徴も紹介するので、身近なものからサスティナブルな活動を意識してみてください。
UNIQLO(ユニクロ)|ダウンジャケット
ユニクロでは「RE.UNIQLO」として、不要になった服を回収し、再利用しています。
全国のユニクロの店舗で回収ボックスが設置されているので、ぜひ利用してみてください。
筆者も実際に使用したことがありますが、ボックスに服を入れるだけで、手間や時間はかかりませんでした!
ユニクロではこの回収ボックスから、リサイクル素材を使用したダウンジャケットやニットなど、さまざまな衣料品を提供しています。
NIKE(ナイキ)|シューズのAir
ナイキの「MOVE TO ZERO」は、CO2の排出と廃棄物をゼロにすることを目指した取り組みです。
既存のプラスチックや糸を再利用することで、CO2の排出や廃棄物を削減しています。
例えば2008年以降の「Nike Airモデル」のシューズソールには、製造廃棄物をリサイクルした素材が50%以上使われています。
ナイキにもサスティナブルな素材が使われているなんて、知りませんでした!
adidas(アディダス)|シューズ
アディダスでは「素材から変える」、「長く愛用する」、「カーボンフットプリント削減を目指す」の3つの取組みに力を注いでいます。
サスティナブル素材を使った商品には以下のものがあります。
- 海洋プラスチックを再利用した「Parley」コレクション
- きのこの根に似た菌糸体から作られた素材を使っている「Stan Smith Mylo™(スタンスミス マイロ)」
「スタンスミス」モデルのシューズはアディダスの中でも定番ですね。
身近な商品にも、サスティナブルな素材が使われているんですね。
H&M(エイチアンドエム)|カバンや靴
子供服から大人の服までたくさんの商品を扱っているH&Mでは、さまざまなサスティナブルの取り組みが行われています。
主な取り組みは以下の通りです。
- 世界中の店舗に、古着の回収ボックスを置く
- ブドウやオレンジなどの植物や、廃棄物から作った素材の使用
- リサイクルコットンやオーガニックコットンを使用
- 商品の手入れ方法やアイテムの提供
ブドウの茎や皮を使った、グレープレザーのカバンや靴も注目される商品の1つです。
また、環境への影響をゼロにすることを2040年までの目標として掲げています。
Patagonia(パタゴニア)|Tシャツやジャケット
パタゴニアでも不要になった商品を買い取る「Worn Wearプログラム」などの取り組みが行われています。
また、製品ラインの85%以上がフェアトレードなどのサスティナブル素材で作られています。
公式サイトの商品ページからも、どのような取り組みが行われているのか確認することができるので、覗いてみてください。
子供服から大人の服までさまざまな商品でリサイクル素材が使われているので、親子で取り組むのも素敵ですね♪
【まとめ】サスティナブルな素材を使った衣料品は身近にある!
この記事では、衣料品で使用されるサスティナブル素材にはどんなものがあるのか、詳しく紹介しました。
サスティナブル素材とは、あらゆるプロセスにおいて「持続可能」である素材の総称です。
持続可能であることを実現している素材のうち、衣料品にもよく使われているものはこちらです。
- オーガニックコットン
- バイオマス素材
- 再生セルロース素材
- リサイクルポリエステル
- アニマルフリー素材
- フェアトレード素材
- 無水無染色素材
- アップサイクル素材
上記の素材は環境問題や社会問題、健康にもメリットがある一方で、コストや手間がかかるなどの課題もあります。
課題の解決には生産者だけでなく、消費者にもこれらの取り組みを知ってもらうことが大切ですね!
これは、社会全体で改善に取り組むことに繋がります。
私たちが積極的にこれらの素材を取り入れていくことは、社会や環境問題の解決になるのですね!
身近なブランドでも、サスティナブルな取り組みは行われています。
- UNIQLO(ユニクロ)|ダウンジャケット
- NIKE(ナイキ)|シューズ
- adidas(アディダス)|シューズ
- H&M(エイチアンドエム)|カバンや靴
- Patagonia(パタゴニア)|Tシャツやジャケット
サスティナブルな素材を取り入れることは、地球の未来だけでなく、あなたの健康にも良い影響を及ぼしてくれるでしょう♪
サスティナブルな素材を使用するなど、環境に配慮した活動のことを「エシカル消費」と言います。
こちらの記事では、「食べ物を無駄にしない」など、家庭で簡単にできるエシカル消費について紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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