骨密度検査をご存知ですか?
骨密度検査とは骨の密度(強さ)を調べ、骨の中にカルシウムなどのミネラルがどれくらいあるかを測定するものです。
では、骨密度検査を受診されたことはありますか?
多くの自治体では、女性は40才から骨密度検査を実施しています。
自治体からの健康診断に骨密度検査の案内が入っていました。
40才になったばかりなので、まだ受けなくてもいいかな?と思っています
かんたんな検査なので、閉経前の40代のうちに受けておくことをおススメします
実は、女性は閉経して3~5年後に骨粗しょう症になる方が増えています。
閉経前に骨密度を調べておくと、閉経後ご自分の骨密度がどのくらい減っているのかがわかりやすく、骨粗しょう症などの病気の予防にも大変役に立ちます。
- 骨密度検査を受けるメリット
- 骨密度の検査方法
- 今からできる骨密度キープ方法
最後までお読みいただき、ぜひこの機会に骨密度検査を受けてみてください。
骨密度検査を受けるメリット
骨密度検査は男性は70代からに対して、女性は40才になると意識したほうがよいと言われています。
では、なぜ40才から意識する必要があるのかをみていきましょう。
骨密度検査を女性は40代で受けたほうがよい理由
骨の新陳代謝には、女性ホルモン(エストロゲン)が大きく関係します。
閉経期を迎えて女性ホルモンの分泌が低下すると、骨密度も急激に低くなります。
同年代の男性にくらべると、骨密度が下がるスピードが速くなるのです。
骨密度は18才がピークとなりそこから段々に下がっていき、閉経する50歳ころから急激に骨密度が減り、骨粗しょう症になってしまう方が増えます。
70歳代では、女性の2人に1人が骨粗しょう症といわれています。
骨密度検査で将来の骨粗しょう症を防ぐ
骨粗しょう症とは、骨の量(骨量)が減ることで骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。
骨粗しょう症は痛みなどの症状は出にくく、初期にはほとんど自覚症状はありません。
骨粗しょう症になるとくしゃみや転倒しただけでかんたんに骨折してしまうことがあります。
骨折は大した問題ではないと思われがちですが、高齢の方が骨折することで寝たきりの状態になるケースや日常生活に不自由を感じることになってしまうかもしれません。
そのため、定期的に骨密度検査を受けていただくことは、骨粗しょう症の早期発見につながります。
また、自分自身の骨の健康状態を知り、食事・運動など生活を改善をすることで、骨粗しょう症の予防にもなります。
骨密度検査で将来のロコモティブシンドロームを防ぐ
ロコモティブシンドロームとは、運動器の障害により、基本的な運動能力が低下している状態を指します。原因は、運動器の疾患と加齢による運動器機能不全の2種類があります。
骨や関節、筋肉の病気が原因でロコモティブシンドロームになるとも言われています。
骨粗しょう症による骨折で体力や移動能力が衰え、立ったり歩いたりする日常生活内での簡単な動作が困難になることもあります。
適切に対処しておかなければ、運動器機能はさらに低下し、最悪の場合は寝たきり状態になってしまいます。
ロコモティブシンドロームを予防するためにも現在の骨の状態を知っておくことはとても重要です。
でも検査には時間がかかるんですよね?
自治体で行う検査は5~10分でできます。
かんたんにできる骨密度の検査方法
骨密度は20代を100%とし、若い人の骨密度の平均値と比較して自分の骨密度が何パーセントか、で示されます。
80%は要注意、70%以下になると骨粗しょう症と診断されます。
骨密度の主な検査方法は、次の3つの方法です。
骨密度検査①DXA(デキサ)法
背骨と大腿骨で検査をするので、最も正確な検査方法です。
- エネルギーの低い2種類のX線を使って測定
- 全身のほとんどの骨を測ることができる
- 測定時間は1分程度(検査時間は5~10分)
- 妊娠中は検査できません
骨密度検査②超音波法
かかとやすねの骨に超音波をあてて測定。
- X線を使用していないので妊娠中でも検査できる
- 検診で使われることが多い
- 大まかな検査用で骨粗しょう症の診断には使えない(数値によってはさらに詳しく検査をする必要があります)
骨密度検査③MD法
手の骨密度をX線で測定する方法。
- 手の骨と厚さの異なるアルミニウム板を同時に撮影し、骨とアルミニウムの濃度をくらべることによって測定
- 診療所などでかんたんに測定できる
- 早期の骨粗しょう症を発見しにくいデメリットあり
自宅にある体組成計で骨レベル、骨量を調べられるものがあります。どちらも「骨密度」を示しているものではないので、数値が気になる場合は病院での検査をおススメします。
骨密度を検査した後は、どうしたらいいですか?
数値を記録しておき、50才からは1年に1度検査をすることをおススメします。数値が下がっていないか確認していきましょう。
今からできる骨密度キープ方法
骨密度検査で出た結果をもとに若いうちの数値をキープするためには、適度な運動とバランスのよい食事が必要です。
骨粗しょう症の予防だけでなく、女性ホルモン(エストロゲン)の形成にも役立ちます。
適度な運動で骨密度をキープしよう
骨に対して負荷がかかる運動することで、骨を鍛えることができます。
運動不足の方や若いときに運動経験がないという方は、骨密度がとくに低下すると考え、日頃から運動することを心がけましょう。
例えばエスカレーターではなく階段を使う、ひと駅前で降りて歩いて移動するなど、なるべく歩くことを意識してみてはいかがでしょうか。
ここでは、自宅でかんたんにできる運動をご紹介します。
開眼片脚立ち(ダイナミック・フラミンゴ体操)
フラミンゴのように片脚で立つ運動です。
バランスに不安がある方は壁やテーブルにつかまりながら行ってもいいでしょう。
体重を片脚に乗せることで、両脚立ちの倍の負荷を与えることができ骨を強くする効果があります。
バランス感覚が鍛えられるため、転倒予防にもなります。
ふくらはぎとアキレス腱のストレッチ
壁に手をつき、アキレス腱とふくらはぎを伸ばし、 前に出した方の脚のひざを曲げて体重をかけていって、後ろの方の脚のふくらはぎを伸ばしていきます。
その後、後ろの方の脚のひざを曲げ、アキレス腱を伸ばします。
片脚30~40秒ずつを左右交互に行いましょう。
食事を意識して骨密度をキープしよう
骨代謝にとって大切な栄養素であるカルシウムやビタミンD、ビタミンKなどを積極的に摂取することで骨密度をキープしていきましょう。
骨の形成に必要な栄養素と食品、その効果をまとめてみました。
ビタミンD | 干しシイタケなどきのこ類、サケなど | 腸内でカルシウム吸収を助ける効果がある |
ビタミンK | 納豆などの大豆製品、ほうれん草など | 骨芽細胞を活発化させる効果がある |
マグネシウム | ひじきなどの海藻類など | 骨を強くする効果がある |
亜鉛 | アーモンドなどのナッツ類など | 骨芽細胞を活性化させる効果がある |
カルシウム | 牛乳や小魚など | 新しい骨の形成に効果がある |
ほかにも日光浴をすることで骨が強くなります
骨密度検査方法のまとめ
この記事内では以下のことをご紹介しました。
- 女性ホルモンが減る閉経後に骨密度も減っていく
- 主な骨密度検査はDXA法、超音波法、MD法の3つ
- 運動や食事に気を付けると骨密度をキープできる
骨の健康を意識していなければ、気づかないうちに骨密度が減っていることもあります。
現在の食事や運動、生活習慣が将来の骨を作っているので、今から気を付けていくと骨密度の減少が抑えられる可能性はあります。
まずは、一度検査を受け、ご自身の現在の骨の状況を知ってみませんか?
将来に向けて健康な骨密度をキープしていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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