春から夏にかけて日本にやってくるツバメ。
春を感じるとともにツバメを目にする人も多いのではないでしょうか。
最近ツバメが家の前をよく飛んでいるのだけど……
それは巣を作れる家なのかツバメが偵察しているんです。
もし、あなたの家の軒下にツバメが巣を作ったらどうでしょう?
ヒナが卵からかえり、成長し大きくなる姿に癒され楽しみが増えるのでしょうか。
それともフンが落ちてくる?汚れる?と、心配の方が大きいのでしょうか。
この記事では縁起がよいとされるツバメの巣作りについて紹介しています。
また、気になるフン対策やヒナが無事に成長して巣立つまでの見守り方をお教えします。
平均寿命が2年といわれているツバメ。
毎年数が減ってきていることも分かっています。
もしあなたの近くにツバメが巣を作ったら、その時はツバメと共に暮らす生活を楽しんでみませんか。
ツバメが巣作りをする家はなぜ縁起がよいのか?
ツバメは渡り鳥で春から夏にかけて日本で過ごします。
べトナムやインドネシアなど東南アジアから日本にやってきます。
距離にするとおよそ2,000㎞~5,000㎞を数週間~数ヶ月かけてやってくるのです。
みんな無事に日本に来ることができるのですか?
いいえ。ツバメの渡りの生存率はかなり低いと言われています。
試練を乗り越えたツバメが自分の家の軒下で巣作りしてくれたら、なんだか嬉しい気がしてしまいますよね。
ツバメが家の軒下に巣を作ると縁起がよいと言われているのには次のような理由があります。
・ツバメが巣を作るお店は商売繁盛する
・ツバメが巣を作る家の住人は健康である
順に見ていきましょう。
ツバメが巣を作るお店は商売繫盛する
お店の軒下にツバメが巣を作ると商売繫盛するといわれています。
それはツバメが人通りの多いところを選んで巣作りをする特性からきています。
不動産屋さんに聞いたお話ですが、巣作りの最中にお店が営業をやめてしまうとツバメは巣作りをやめてしまうそうです。
お店の借り手が見つかり、人が集まるとツバメは巣を作り始めます。
ツバメは人間がカラス、蛇などの外敵から自分たちを守ってくれると信じているのです。
ツバメが巣作りの場所に選ぶ軒下=人の行き来が多い場所=商売繫盛している(する)店ですね!
数年前、筆者が行ったおかげ横丁にはツバメの巣が多く、飛んでいるツバメの数にも驚きました。
おかげ横丁は繫盛店ばかり。人の行き来が多いお店で溢れていますよね。
ツバメが巣を作る家の住人は健康である
ツバメはジメジメした湿気の多い場所には巣を作りません。
湿気が少ない爽やかな場所に巣を作ります。
そして災害にあっても被害の出にくい家が分かるといいます。
これは動物が自然災害から身を守るために持っている能力ですね。
ツバメが近くにいるハエなどの害虫を食べてくれるのも、住人が健康であると言われる理由です。
ツバメの巣の見守り方と対策
ツバメが巣を作り、ヒナがうまく成長して巣立つまでの期間はわずか3ヶ月弱。
ツバメがあなたの家の軒下や駐車場に巣を作ったら、何が起こり、何に気を付ければよいのでしょうか。
ツバメの巣作りからヒナが巣立つまでの見守り方や対策を次の4つにまとめました。
- ツバメが巣を作る時
- ツバメのフン対策
- ヒナの見守り方
- 巣立った後の巣はどうする?
順に説明していきますね。
ツバメが巣を作る時
ツバメは念入りに巣作りの場所を確認します。
春になり家の近くでツバメをよく見かけるようになったら、そのサインかもしれません。
決定的なポイントは家の壁に泥が付き始めることです。
ツバメは泥や藁(わら)を唾液で固めて巣を作ります。
次の3つが重なるとツバメが巣を作りやすい場所になります。
- 人の行き来が多い場所
- 雨風をしのげる軒下や奥まった場所
- 凹凸がある壁
巣を作られて困る場合は
アレルギーがあり健康被害が気になる……
どうしても困るという人は、卵を産むまでは巣を撤去できます。
もし巣の中に卵やヒナがいたら、巣立つまで温かく見守ってあげましょう。
巣の撤去するのであれば、ツバメが巣を作ろうとしている時に諦めてもらった方が親切です。
一生懸命に作った巣を壊されたツバメはショックですものね。
巣を作られて困る人は、この段階で対策をしましょう。
- テグスを垂らす
- 鳥は羽に触るものを嫌がりその場所に寄ってこなくなります
- CDなど光るものを下げておく
- 鳥はキラキラしたものを嫌がり近寄りません
- ガムテープなどで壁の凹凸をなくす
- ツバメはツルツルした面には巣を作れません
ツバメのフン対策
ツバメが軒下で巣を作る時に真っ先に思い浮かぶのは、フンの始末ではないでしょうか。
フンは巣作りの時期から、親鳥からポツポツと落ちるようになります。
ヒナは孵化して間もなくは巣の中でフンをし、親鳥が咥えて遠くへ捨てに行くので、この時期は比較的キレイです。
しかしある程度成長すると、2~3週間ほど集中的にフンを落とすようになります。
ツバメはキレイ好きで巣の中を汚しません。ヒナは成長すると巣の外へフンを落とします。1つの巣から5羽くらい孵化するので、フンの量はそれなりにあります。
フンは巣の真下に落ちるので、巣より1回り大きいサイズの段ボールなどを地上に敷いてあげるのがよいでしょう。
掃除も段ボールを取り除くだけなので楽ですね。
地上にフンが落ちるのが嫌……
そういう時はフン受けを壁に取り付けましょう!ここから2タイプのフン受けについてご紹介します!
1タイプ目
下の写真は100均のブックエンドで支えを作り、フン受けを設置したものです。
ヒナが落ちるのもキャッチしてくれます。
引用:ダイソーネットストア 引用:ユミばぁちゃんのお学びブログ
2タイプ目
段ボールで作るフン受けには、こんな可愛いらしいデザインがツバメ観察全国ネットワークから出ています。
2019年のフン受け
引用:ツバメ観察全国ネットワーク
2022年のフン受け
引用:ツバメ観察全国ネットワーク
毎年違うデザインがネットにあがっています!下から見上げると柄がみえるのですね!
もちろん、地上に敷いてあげても大丈夫です。
この絵柄でツバメが子育てをしているのが分かり、温かい気持ちになりますね。
早速作ってみましょう!
毎年、ツバメ観察全国ネットワークからフン受けの柄がアップされます。
A3の大きさに印刷し、左のように段ボールに貼り付けましょう。
太線は切り取って、細い線は浅く切って折れやすくします。
組み立てて、壁に付けます。
凹凸のある壁にはアルミテープが取れにくくオススメです。
ツバメが警戒するため、巣から30~40cmは離して付けましょう。
ヒナの見守り方
ヒナは、しばしば巣から落ちます。
カラスに襲われて落ちたり、兄弟たちからも落とされたりします。
もし巣から落ちてしまったヒナに気付いたら、そっと巣に戻してあげましょう。
人間の臭いがついて親ツバメが育児放棄してしまうことはないので大丈夫です。
でも高い所から落ちてしまうなんて……。
そんな時にも壁に付けるフン受けは役立ちますよ。
それにしても、外敵であるカラスに巣ごと襲われるという話をよく耳にします。
筆者も、餌を捕って帰ってきた親ツバメが壊された巣を見て呆然としていたという話を聞いたことがありました。
ヒナは1羽残らずいなくなってしまい、親ツバメは何度も何度も確認しに来たそうです。
自然の摂理かもしれないですがショックですよね……
カラスからヒナを守る対策はのちほど詳しくお伝えしますね。
巣立った後の巣はどうする?
ツバメのヒナは3ヶ月もしたら巣立っていきます。
翌年度に同じツバメが巣に戻ってくる確率は15%ほどです。
毎年、巣に戻ってくると思っていたけど違うツバメの確率の方が高いのですね!
そして、昨年度の巣をリフォームして使うツバメも意外に多いといいます。
ツバメは春から夏にかけて1~2度繁殖します。
もしかしたら1年に2度、その巣が使われることになるかもしれません。
ツバメが新たに巣を作るのには約1週間ほどかかるので、できることなら巣はそのまま残してあげましょう。
ツバメの巣をカラスから守る
ここではツバメの外敵であるカラスについて詳しく説明しますね。
ツバメの巣がカラスに襲われ、ヒナが攫(さら)われてしまったという話はよく聞きます。
筆者の実家にも毎年のようにツバメが巣を作るのですが、2年連続でカラスに襲われました。
成長していくヒナを見ていたので悲しかったです……。
ここではカラスの特徴とツバメの巣を守る方法を次の2つにまとめました。
- カラスの特徴と生態
- ツバメの巣をカラスから守る方法
順に見ていきましょう。
カラスの特徴と生態
カラスは雑食で、基本的に何でも食べます。
生ゴミはカラスの大好物であり、街でゴミを漁っているカラスを目にしたことがある人も多いでしょう。
1度でも生ゴミにありつけると、その場所を覚えてゴミの日になると決まって現れるんです。
高い知能を持っているカラスは、時には道具を使ったり仲間と協力したりして餌を手に入れようとします。
筆者も、ゴミ袋に被せてあるネットを2羽のカラスが協力して取り除いている光景を見たことがありました。
カラスの知能は人間の6~8歳くらいだと言われています。
本来、カラスは人里離れた山や林で動物の死骸や木の実を食べて暮らしていました。
人間による自然破壊がカラスの餌を奪い、カラスが街にやってくるきっかけを作ったのです。
街で暮らすツバメも例外でなく、カラスの餌となります。
ではカラスはどのようにしてツバメを襲うのか、見ていきましょう。
ツバメを襲う時のカラスの行動
カラスはツバメの巣を見つけると、何度も様子を見に来るようになります。
カラスはじっくりと観察してヒナを捕ります。
カラスがツバメの巣を狙う時間帯で1番多いのは、早朝4時~5時にかけてです。
カラスは巣の真下近くまできたらトコトコ歩き、そこから巣にめがけて飛び、巣全体を地面に落とそうとします。
カラスは空中で羽ばたきながらヒナを捕れません。必ず巣を壊して落とします。
カラスを見かけるようになったり、カラスの鳴き声が近くで聞こえたりするようになったら対策をしましょう。
ツバメの巣をカラスから守る方法
ここからは具体的にカラス除けにすぐれた方法をご紹介します。
100均のネットでの側面のみのカラス除け
引用:ダイソーネットストア 引用:ツバメ観察全国ネットワーク
上の写真は100均の園芸用ネットでツバメの巣のカラス除けを作ったものです。
ネットの網目のサイズは20㎝×20cm四方のもので、ツバメは羽を広げて通れますがカラスは通れません。
カラスに限らず、鳥類は羽に何かが触るのを大変嫌がる特性があります。
ツバメが、ぎりぎり通れるくらいの網目のサイズにしましょう。
側面も下からもガッチリとカラス除け
カラスが現われるようになったら、ひも張りをしたほうがよいです。
ひもの間隔はカラスの羽が当たる20㎝くらい。
写真はフン受けにひもをつけており、下からもカラスが攻撃できないようになっています。
こちらは、側面も下からもガードする方法です。
囲っているひもは、網目のサイズが20㎝四方のネットに替えてもよいでしょう。
どこからもカラスの攻撃を守ってくれます。
フン受けが、下から巣を攻撃しようとするカラスを阻止してくれているのですね。
人とツバメとのよい関係
ツバメが巣作りをする家は縁起がよいと言われる理由とツバメの見守り方などについてお伝えしました。
東南アジアから数週間~数ヶ月かけて日本にやってくるツバメが巣を作る家は縁起がよいと言われています。
ツバメが巣作りをする家が縁起がよいとされる理由は次の2つです。
- ツバメが巣を作るお店は商売繫盛する
- ツバメが巣を作る家に住んでいる人は健康である
ツバメが巣を作る時から巣立った後までのポイントは次の5つです。
巣を作り始めたサイン | 家近くでツバメをよく見かける、家の壁に泥がつく |
ツバメのフン対策は? | 巣よりも大きなフン受けを設置する |
ヒナの落下防止 | ヒナは落下しやすくフン受けが落下防止になる |
カラス除け対策 | カラスからヒナを守る対策をする |
巣立った後の巣 | 使われる可能性があるのでそのままが望ましい |
命がけで日本に渡ってくるツバメは子育ても一生懸命に行います。
ツバメの平均寿命は僅か2年。ヒナが巣立つまでの3ヶ月弱、もしあなたのそばにツバメが来たら温かく見守ってあげてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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